日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(61)「花子は象である。」の「花子」は「主語」である

2018-07-23 16:32:42 | 論理
(01)
① AはBである=AはBである。
② ABである=AはBであり、A以外はBでない
である。
従って、
(01)により、
(02)
① マンモスはゐる=マンモスはゐる。
② マンモスゐる=マンモスはゐるが、マンモス以外はゐない
然るに、
(03)
① 地球上に、 マンモスはゐる。と仮定しても、
② 地球上には、マンモス以外に、例へば、人間もゐる。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① マンモスはゐる=(今でも、何処かに)マンモスはゐゐる。
② マンモスゐる=(今、私の目前に、)マンモスはゐて、マンモス以外ゐない。
といふ、ことになる。
従って、
(04)により、
(05)
① マンモスはゐる。⇒ マンモスは、不特定の、マンモス一般(集合)。
② マンモスゐる。⇒ マンモスは、個別的で、具体的なマンモス(集合の要素)。
といふ、ことになる。
然るに、
(06)
マンモス - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/マンモス
マンモス (Mammoth) は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である。現在は全種が絶滅している。 現生のゾウの類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた
従って、
(06)により、
(07)
約1万年前に、
③ マンモスは象である。
といふのであれば、
③ マンモスといふ種類の象がゐる
ことになる。
然るに、
(08)
はな子 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/はな子
はな子(はなこ、1947年 - 2016年5月26日)は、東京都武蔵野市の井の頭自然文化園で飼育されていたメスのアジアゾウである。 第二次大戦後に初めて日本にやって来たゾウであり、2013年1月に66歳でアジアゾウの国内最高齢記録を更新し、日本で飼育 ...
従って、
(08)により、
(09)
平成27年に、
③ はな子は象である。
といふのであれば、
③ はな子といふ名前の象がゐる
ことになる。
然るに、
(10)
② 象がゐる  =象(名詞)が(格助詞)ゐる(終止形)。
③ 象がゐること=象(名詞)が(格助詞)ゐる(連体形)こと(体言)。
③ 象がゐる公園=象(名詞)が(格助詞)ゐる(連体形)公園(体言)。
cf.
(2)連体修飾格・・・口語では「」です。
 上の語が下の体言を修飾(限定・説明)する連体修飾語になります。英語でいう所有格です。「我が家」「君が代」「緑が丘」「霞が関」。
(古典文法 助詞 格助詞「」「」「を」 - 国語の文法)
従って、
(04)(09)(10)により、
(11)
② 象ゐる(終止形)。
③ 象ゐる(連体形)こと(体言)。
に於いて、
② の「が」と、
③ の「が」は、「同じ」ではないため、「注意」を必要とする。
然るに、
(12)
③ 花子といふ名前の象がゐる。
といふことは、
③ あるxは花子と言ひ、そのxは象である。
といふことである。
然るに、
(13)
x(花子x&象x)
といふ「述語論理」は、
有るxは、花子であって、そのxは象である。
といふ「日本語」に、「直訳」される。
cf.
記号「」は、アルファベットのEを逆にした記号で、「少なくとも一つ存在する」という意味になります。EXISTの頭文字をとったものです。
(記号∀と∃の使い方 - ProofCafe)
従って、
(09)(13)により、
(14)
③ 花子は象なり。
③ 花子は象に有り。
③ 花子は象である。
③ 花子は象にて有る。
といふ「日本語」は、
③ ∃x(花子x&象x)=
③ 有るxは花子であって、そのxは象である。
といふ「述語論理」に、「翻訳」される。
従って、
(15)
③ ∃x(花子x&象x)。
の「語順」を、
③ (花子x&象x)∃x。
に変へるならば、そのまま、
③ (花子x&象x)∃x=
③ (花子xは象x)である=
③ (花子xは象x)にて有り。
といふ風に、読むことが、出来る。
然るに、
(16)
そこで私たちは主語を示す変項x、yを文字通りに解釈して、「或るもの」(英語で表現するならば something)とか、「他の或るもの」というような不定代名詞にあたるものを最も基本的な主語とする。そこで「ソクラテスは人間である」といふ一つの文は、
 (xはソクラテスである)(xは人間である)
という、もっとも基本的な 主語-述語 からなる二つの文の特定の組み合わせと考えることができる。すなわち、
 SはPである。
という一般的な 主語-述語文は、
 Fx Gx
という二つの文で構成されていると考える。そしてこの場合、Fx はもとの文の主語に対応し、Gx は述語に対応していることがわかる。
(沢田充茂、現代論理学入門、1962年、118・119頁)
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
③ 花子は象である=
③ ∃x(花子x&象x)=
③ 有るxは花子であって、そのxは象である。
に於いて、
③ 花子=花子x
は、「述語論理」といふ「観点」からすれば、「主語」である。
従って、
(17)により、
(18)
「述語論理」といふ「観点」からすれば、少なくとも、
③ 花子は象である。
といふ「日本語」には、「主語」が有る。
といふ、ことになる。