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営業活動

2012-08-07 17:14:57 | 日記
先日、ある会社と取引があったのだが、そこの営業担当の「お姉ちゃん」が、
この暑い最中、都内中をかけまわって営業している姿を見て、ひたすら感心した。
まだ20代半ばの女性である。

私は会社をやっている以上、しょっちゅう営業電話をうける。

私自身、営業電話はかけるし、飛び込み営業もよくやるので、
営業電話を受けることは全くの苦痛ではない(かけるのはいまでも苦痛だ)。

世の中には悪い奴も多いから、営業電話をかけるだけで、
ものすごい悪者扱いされることもあり、そういう意味では
むしろ応援したいくらいだ。

会社では営業以外にもいろんな業務があり、営業電話など
かけたこともないようなサラリーマンも多いと思う。
正直そういう人はちょっともったいない気がする。

商売の基本は、自分は何ものであるかを紹介して挨拶する、
つまり頭をさげることだ。
これをやれる人とやれない人(昔やってても今やっていない人も
やれない人に入る)は雲泥の差がある。
だから若いうちになるべく営業経験はさせるべきだと思う。

いざ、飛び込み営業やるのに顧客先の入り口で10分も20分も
ウロウロ、ドキドキする経験、いざ飛び込んだはいいが、シドロモドロ
で冷や汗かきっぱなしの経験。
別に「いじめ」ではない。でもこれを何度も経験すればほんの少しだけ慣れてくる。
何に慣れるかというと「恥ずかしい思い」をすることに慣れる(笑)。

昔のように若い奴が汗を流してがんばっているところを見て手を差し伸べて
くれるお客は、今ではごくわずかである。
売り込んでいることが見え見えだとお客はかならずひいてしまう。
かといってさりげなく、さりげなくと自分に言い聞かせたところで、
若い奴が親しげに、いうなれば馴れ馴れしく話しかけてこようものなら
私なら一喝して追い返す(笑)。

まあ、厳しい世界だ。でも実は営業は楽しい。この楽しさをわかっている人は
一生やっていけると思う。だから若い人にはがんばってほしいと思う。

ただひとつアドバイスができるとすれば、

「目標(ゴール)をなるべく(抽象度を)高く設定しろ」

ということである。
例えば、「商品を売る」というごく当たり前すぎることを目標にしていると、
どうしても売り込み以外の何もできなくなる。必然お客はひく。

例えば、「どうやったらこのお客さんを楽しませることができるだろう。」と
考えてみたらどうだろう。

お客さんを楽しませる方法はいくつもある。
会話で楽しませる。たとえば新しい知識を与える、お得な提案をするなど。
商品を買って楽しませるといっても、そのお客さんが個人的にほしいのか、
会社の仕事で必要なのかによってもちがってくる。
個人的にほしいものは、ある種の贅沢さを付加するほうが満足度はあがるし、
会社の仕事で必要なものには贅沢さは害悪でしかない。その場合はよりリーズナブル
な「経費削減をした」という達成感を出してやることがよいかも知れない。
つまりいろんな「楽しませ方」があるということだ。

自身の(営業)活動をあまりに具体的にしてしまうと行動の選択肢が狭まってしまう。
その辺、ゴールの抽象度を上げておくとより自由で工夫の余地があるということだ。


実は営業電話をうけていて、あまりにマニュアルどおりの電話をかけてくる若者が
多すぎてちょっとがっかりしている。
営業手法の中には「Yesを引き出す会話術」なるものがあり、私も勉強したことは
あるのだが、いかにもその手法とわかる会話をしかけてくる人がいると、
「ああ、こいつもか…」と落胆してしまう。

要するにハートがない奴は何やったってダメだ。
自分の言葉で営業ができない奴は、そんなもの営業ではない。
ビラを一枚まくのだって同じこと、グダグダいって(やって)ないで、
とにかに相手の胸に飛び込まなきゃ…。

かく言う私も失敗ばかりしてきた。
自分の中で「営業言語」が話せるようになったのは、商売に対して創意工夫が
できるようになったのは本当にここ数年(独立してから)の話だ。
やはり、従業員の頃は「自分の言葉」って、なかなか出てこないものなの
かもしれない。
ただし、営業マンを雇っている社長がこんなことを言ってはならない。
社長は社員に対して全力で自分の思想を伝えるべきだ。

自分としては本当のチャレンジはこれからだ、本当の営業はこれからだと思っている。
ようやくスタートラインに立てたということなのだろう。

ありがとう、お姉ちゃん。


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