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仏師の眼

2012-08-04 10:38:08 | 日記


1月に1回、近所のお寺に仏像彫刻を習いにいっている。
もう3年になるか…。
腕前はというと、これがまた一向に上達の兆しなし…。

何がだめかはわかっている。
私には「仏師の眼」がないのだ。

仏像も様々なのだが、美しい仏像と思われるものには
ある種の絶対的な比率と生命力があるものだ(と思う)。

毎回、先生のお手本に首っ引きで掘り進めるのだが、
いつも途中で手が止まってしまう。
目の前にお手本があるにもかかわらず、この先どう掘り進めれば
いいのか、自分が今やっているプロセスが、果たしてこれで正しいのか
そんなことすらわからなくなってしまう。
結局、素材(木)の中から、耳でも鼻でも口でも、各パーツの
成り立ちが見えてこないとダメなのだ。

仏像彫刻において個性は後からついてくるもので、まさに無明というに
ふさわしい私など(自慢かい!)が言える立場ではない。
圧倒的なほどの比率、成り立ち、絶対的な美というものが
見えていてこそのものだからだ。

というわけで、自分としては基本に立ち返らねばなるまい。

まあ、いろいろやってみている。大船観音をみにいって写真にとって
研究してみたりするのだが、どうにも写真ではわからない。実際に刀を
あててシミュレーションしてみないと大船観音様とはあまりにも距離が遠い…。

う~ん、ナタもってこようかな(実際やったらつかまっちゃうぞ!)。

必然、人と話をしたりしている時も人の顔をシゲシゲと観察してみたりして(笑)。



それでも、あれこれ悩んでいると不思議なもので「わかる」時は突然やってくる。


ここ数ヶ月、唇の成り立ちが見えなくて苦しんでいたのだが、
先日コバちゃんとお酒を飲んでいる時にコバちゃんの唇を見ていてピンときた(笑)。

コバちゃんにしてみれば、最悪の飲み友達だと思うが、
コバちゃんがこの記事を読んだらやばいな…。

奴のことだから、口紅塗ってきたりして…(笑)。



写真は私の作品に先生がちょこっと手を加えたもの(左半分だけ)
わかりにくいけど唇のちがいに注意


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