沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

広域処理における地域計画のまとめ

2016-02-19 08:59:10 | ごみ処理計画

浦添市と中北組合(中城村及び北中城村)が広域処理を前提に新たな広域組合を設立する場合は、事前に1市2村が共同で廃棄物処理法の基本方針に適合する「地域計画」を策定して国(環境省)の承認を受けることになります。

そこで、今日は1市2村が「地域計画」を策定する場合の中北組合の選択肢と「広域計画」の違いを表にまとめてみました。

なお、溶融炉を休止して焼却灰の民間委託処分を行っている中北組合のごみ処理計画は廃棄物処理法の基本方針に適合しないごみ処理計画になっているため、「広域計画」を策定する前に見直す必要があります。

という前提で下の画像をご覧下さい。

 

原寸大の画像

上の画像のAは、中北組合が何の措置も講じずにこのまま「地域計画」を策定する場合の計画の概要です。中北組合は廃棄物処理法の基本方針に従って焼却炉と溶融炉の長寿命化を行っていないため、第1次計画で休止している溶融炉を再稼動して焼却炉と共に長寿命化を行うことになります。そして、第2次計画として広域施設を建設することになります。ただし、中北組合の溶融炉は事故や故障等のリスクの高い特殊な溶融炉であり国内では稼動している事例や長寿命化が行われた事例がありません。したがって、浦添市としては受け入れられない計画になると考えています。中北組合もできれば溶融炉の再稼動は回避したいと考えているはずです。

ちなみに、広域組合が溶融炉を休止したまま焼却灰の民間委託処分を続けることはできません。

上の画像のBは、「地域計画」を策定する前に、補助金を返還して中北組合のごみ処理施設(青葉苑)を廃止する計画です。こうすれば、理論上は焼却炉と溶融炉の長寿命化を行わなくても広域施設を建設することができます。ただし、中城村と北中城村は廃止した焼却炉と建物を民間に無償譲渡して可燃ごみの焼却と焼却灰の処理を委託することになるので、浦添市や国(環境省)がどう考えるかは分かりません。その前に、中北組合としては補助金を返還しなければならないので、議会の承認が必要になります。したがって、この計画は簡単には策定できないと考えています。

ちなみに、外部委託に関するリスクは広域組合のリスクになります。

上の画像のCは、このブログの管理者が地方自治体が地方自治法の規定に従って最小の経費で最大の効果を挙げるために最も効果的な計画になると考えているものです。広域組合にとっては青葉苑の焼却炉は必要な施設ですが溶融炉はない方がよい施設です。また、中北組合にとっては補助金の返還はない方がよいに決まっています。したがって、「地域計画」を策定する前に中北組合において廃棄物処理法の基本方針に適合する代替措置を講じて溶融炉を廃止することがベターでありベストな選択肢になると考えます。

ちなみに、代替措置を講じた場合は青葉苑の焼却炉と建物を広域組合においてそのまま引き継ぐことができます。

なお、中北組合は今年度中にごみ処理計画の見直しを行うことになりますが、今回の見直しに当たっては浦添市と相談せずに勝手に行うことはできません。なぜなら、中北組合の選択肢は1つではなく、選択肢によって「地域計画」の内容が大きく変るからです。

ちなみに、浦添市は焼却炉と溶融炉の長寿命化を行っているのでごみ処理計画の見直しを行う必要はありません。

※地方自治法の規定により市町村は法令に違反して事務処理を行うことはできません。また、廃棄物処理法の規定により市町村は自ら定めたごみ処理計画に従って事務処理を行わなければなりません。しかし、中北組合のごみ処理計画は広域処理を検討課題にはしていない(浦添市は検討課題にしている)ので、見直しを行わないと広域処理に関する覚書の締結等を行うことができないことになります。後で見直すこともできますが、市町村の事務処理としては法律の規定を尊重していない事務処理になり、結果的に議会や住民のことを尊重していない事務処理になるので、広域処理に対する事務処理に弊害が生じる恐れがあります。