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スーパースターフォース

2018-11-25 22:30:47 | ゲーム


 近代シューティングの頂点である『ゼビウス』と現代シューティングの原点である『スターフォース』は私の中で対になっています。どちらもファミコンに移植され、名作であることは疑いありません。そしてファミコンに『スーパーゼビウス ガンプの謎』が発売されたのとほとんど同時に、本作『スーパースターフォース』も発売されました。サブタイトルは「時空暦の秘密」。そんなこともあって、両シリーズの「対」のイメージはさらに強化されたのでした。



 本作はシューティングに謎解き要素を加えたもので、その点でも『ガンプの謎』と共通しています。ただし、あちらのシステムはシューティングそのものであったのに対し、本作ではシューティングパートとアドベンチャーパートからなり、シューティングで稼いだタイム(スコア)によってアドベンチャーパートでの活動限界が決まるというマルチなシステムなのでした。シューティングのステージは無限にループし、ワープゾーンを介して歴史をさかのぼることでステージを進めます。そして過去に干渉することで未来を改変させて謎解きに必要なアイテムを集め、時空暦元年にいるゴーデスを倒すという壮大なゲームなのです。



 シューティングパートの各ステージで地上に降りるとアクションRPGのような画面になり、稼いだタイムがそのまま体力とお金を兼ねたパラメータとなります。敵の攻撃を受けたり買い物したりするとタイムが減り、ゼロになると強制的にシューティングパートに引き戻されます。地上では情報やアイテムを集めるのが目的ですが、爆弾を入手すると隠されたショップ等の入り口が現れる場合があります。地上にはノルムと呼ばれる異星人の商人がいます。彼らの協力を受けてゴーデスを倒す方法を探します。



 謎解きを無視してどんどん先の(過去の)ステージに向かうことも可能で、そこでいきなりゴーデスを倒すこともできちゃったりします。



 ところがその場合にはゴーデスが発生する以前の時空に干渉することはできずに、未来に戻されてしまいます。「時の秘石」とやらを7つ集めなければならないようです。謎解きとしては、ある時点での怪獣の卵を破壊しておくと、それから未来において怪獣に自然が破壊されることなく地上に降りられるようになる、というものです。



 こんな感じで謎解きを進めていければいいのですが、あるステージで地上に降りると「オアネスの封印」というアイテムが手に入ります。これを4つ集める必要がありそうなのですが、同じ要領で探しても全く見つからないのです。これを集めるには、どこかのステージの地上に隠れている入り口を爆弾で探し当てる必要があるのです。しかも場所はノーヒントだし、「入り口を爆弾で探し当てろ」というヒントもありません。これは普通では解けませんよ……。



 なんとか頑張って4つの「オアネスの封印」を手に入れ7つの「時の秘石」を集めることができました。ゴーデスをブッ倒しに行きましょう!



 ゴーデスをさくっと倒すと、さらに過去への時空間移動をすることになります。そしてその過去の時代とは……。



 それは西暦2137年の地球でした! ステージの奥にいる謎の構造物を倒してみると……。





 なんとバッドエンド! 地球がゴーデスによって破壊され、浮遊大陸になるという歴史が明らかにされ、悲劇はそのまま続いていくのでした。まあ、このバッドエンドこそスターフォースにつながる正史とも言えますが。そしてこのバッドエンドを前提にしてゴーデスの封印を維持する方法を探ります。



 とあるステージで秘密アイテム「クレオパトラ」を手に入れ、西暦2137年で地上に降りると、ある建物の中に入れます。ここでは敵は出てこないのですが、所持タイム以内に迷路状のマップを突破すると、封印らしき装置があります。ここに到達するとようやくグッドエンドです!



 というわけで、さらっとクリアしたように書かれていますが、実際は何度も壁にぶつかってネット上の攻略情報に頼りっぱなしになってしまいました。はっきり言って理不尽な謎解きです! 特に以下の点が厳しいです。

・オアネスの封印の場所を手探りで見つけなければならないこと
・秘密アイテム「クレオパトラ」の存在と入手条件を知る由もないこと
・最終マップのつながりがデタラメで、自力クリアには常軌を逸した回数の試行が必要なこと
・そして何より、パスワードもセーブもないため全ての手順を1プレイでしなければならないこと

 アイテムや状況を維持したままコンティニューはできますが、電源切ったら終わりでまた最初からやり直しです。私はレトロフリーク環境でプレイしていたからいつでもコンティニュー状態だったので楽でしたが、当時の実機で自力クリアできた人は一人でもいたのでしょうかというくらい理不尽です。

 グラフィックはファミコン的に描きこまれていながら見づらくなく、音楽もノリがいいものばかり。システムは複雑ながらすっきりとしていますし、プレイヤーの動作も軽快です。シューティングバートでは結構な数の敵弾によって、いい緊張感が生まれます。このようにいいところが数多くあるけれど、上記の理不尽な謎解きがプレイしづらくなっているのが惜しいです。

 それと謎そのものに関して、前作スターフォースの戦いそのものがなかったことになりかねないグッドエンドはどうなのでしょう。まあ前作の戦いがあったればこそ今回の戦いが成立したとも言えますが。それと個人的にはアーケード版の『ファイナルスターフォース』はなかったことにしてもいいかな……(好きな人ゴメンナサイ)。

スーパーゼビウス ガンプの謎

2018-09-22 21:53:16 | ゲーム


 ゼビウスには多くの続編がありますが、ファミコンの名移植の続編がこの『スーパーゼビウス ガンプの謎』です。アーケード版にもスーバーゼビウスがありますが、そちらは単なる難易度アップ版ですが、本作とはファントムつながりでもあります。

 ゼビウスの魅力とは、ドライながら実在感のあるグラフィック、意味ありげな敵の種類や行動パターン、まだ何か隠されているんじゃないかと思わせる神秘性などでしょう。これらを発展させて、シューティングに謎解き要素を加えたのが本作の特徴です。

 各エリアにはそれぞれ謎が設定されていて、ある条件を満たさないと次のエリアに進めなくなっています。条件を満たすまで同じエリアをループさせられますが、4ループしてしまうと燃料切れで墜落してしまうという設定。ある条件とは普通に特定の敵を倒すとか味方機と合体するなどわかりやすいものも多いのですが、幾つかのエリアではやや難しい条件が設定されており、そこでつまずく人もいそうです。他にも裏ルートがあって、隠しパワーアップができるといった秘密もあり。

 シューティングとしての難易度はそこそこで、謎解きがなければプレイしやすいでしょう。バックザッパー、ワイドプラスター、バリアのパワーアップがあり、前作と比べて自機が飛躍的に強くなっています。さらに隠しパワーアップでスーパーザッパーがあり、あのバキュラも一発で破壊できるというゼビウスファンの夢がかないます。ただし通常ザッパーでも破壊可能なようです。もう「256発も撃つのは不可能だ」と嘆く必要もありません。そもそもデマだし。



 エリア1では前作をイメージさせる背景ですが、人工構造物がより込み入ったものになっていて、敵ゼビウス軍の進化を感じます。隠れキャラのソルも健在。ただし本作では謎解きには関わってこないのが有難いような残念なような。ソルを8本破壊する、なんていう条件があってもよさそうなものですけどね。



 エリア1の途中には雲が漂っており、この雲のいずれかに突入するというのが最初の謎解きになります。雲の裏側には敵機が隠れていたりするのがゼビウスとしては新しい要素。当たりの雲に突入すると上空シーンがしばらく続いて、敵機に牽引されるファントムが出現します。これを救助して合体すると、その後のエリアでパワーアップアイテムを出してくれるようになります。アイテムは同時に3個落としますが、うまくかぶりつくと全部回収できます。少なくとも2個は取りたいところ。



 アンドアジェネシスももちろん登場。ワイドブラスターを装備していたら楽勝です。画面のスクロールが止まるのも、もう気にしません。



 アンドアジェネシスを倒すとコアの中に進入。前作に出てきたタルケンが配置されているほか、隠れキャラで上の写真のようにジアラが一機出現します。どうでもいいですが、敵要塞に進入するゲームってよくありますが、こういうふうに要塞の見た目と中身の大きさが異なるのって個人的にはイマイチなのです。ゲームにする上では当然なのでしょうけれど、私としては大きさを合わせて欲しいのです……。



 あるエリアで条件を満たすと、なぜか夜になってパワーアップするという裏ルートに進みます。写真では前作にも出てきた味方機のシオナイトと合体しており、これがクリア条件になっています。合体方法は写真を見たらおおよそ想像つくかもしれませんが、前作をやり込んだプレイヤーほど「シオナイトは特になにもしないキャラだ」という固定観念があるため、合体方法に気づきにくいに違いありません。



 もちろんスペシャルフラッグも隠されています。前作からの恒例で水辺にあることが多いようです。ちなみにエリア1ではスペシャルフラッグとは別の旗が隠されています。ある程度ゼビウス慣れしていると、ここに何かあるだろうという勘が働きますので、クリア条件をすぐに満たさずに何ループかしてみるといいでしょう。スコアも稼げて残機も増えるので、それだけクリアに余裕ができます。



 最終ボスは分裂した4機からの攻撃。地上物なのでブラスターでしか破壊できません。動きをパターン化するのが良いでしょう。写真ではスーパーザッパーを装備しており、自機の形状が変わっています。



 クリアするとエンディングの字幕が流れますが、字幕をスプライトで表示するという強引な技を繰り出しているため、大変なチラツキになっています。別にBG画面に字幕を書いてスクロールさせればいいと思うのですが……。エンディング中にスタートボタンを押すと2周目がスタートしますが、実はそこまでクリアしていません。いずれプレイするかもしれません。

 全体的に難易度がうまく設定されており、嫌気がささないうちにクリアすることができました。カートリッジは金メッキが施されてなかなか高級感があり、当時は結構大々的に売り出していた記憶がありますが、私の周囲では誰も持っていませんでした。謎解き要素が邪魔くさく感じられたからでしょうか。ただ単にゼビウスやりすぎて飽きてしまったからでしょうか。あるいはゼビウスの神秘は神秘のままであって欲しく、それを暴くゲームというのが無粋に感じられたからでしょうか。

 地下洞窟や火山地帯など前作ゼビウスとは異なる湿っぽいテイストのエリアもあり、変化に富んではおりますが、そういう具体性の高い舞台も神秘性を薄めてしまったのかもしれません。初代ゼビウスに入れ込んだ人ほどひょっとしたら本作に抵抗があったような気がします。ゲームとしてしまった以上、この「ガンプの謎」はゼビウスの唯一の正解であり、ゼビウスがそれ以上でもそれ以下でもなくなってしまったと感じた人がいても不思議ではありません。そういう人にとっては、本作はゼビウスの「楽屋裏」に見えたことでしょう。その気持ちはなんとなくわかります。

 ただ、私のゼビウス歴はPCからスタートしているためプログラミング技術的な興味が強く、あまり神秘性にこだわっていなかったという面があります。シューティング+謎解きというのも普通に面白そうだと思っておりました。今になってプレイし、クリアしてみて、十分に楽しい作品であったのは揺るぎません。

 でも気づいてしまったのです。私のゲーム歴はゼビウスの時代をカバーしていていも、人類が初めてゼビウスを目にした時の熱狂を共有していなかったことになります。漫画『ゲームセンターあらし』が連載終了したのも「ゼビウスでゲームが独自のストーリーを持つようになって漫画にしづらくなったから」と作者のすがやみつる氏が語っています。このような衝撃が私にはなかったわけで、まあゼビウス発売当時にアホ小学生だった私にはゲームを見る洞察力などありはしなかったのですが、なにか今になってすごくMOTTAINAI感が湧いてきましたよ。

バーズテイル

2018-09-17 21:12:40 | ゲーム
 

 日本国内ではあまりメジャーではありませんが、世界3大RPGに数えられることもたまにあるのが『バーズテイル』です。PC用のRPGで、製作者がウィザードリィやウルティマとも関わりがあるようで、「ホークウインド」や「スカラ・ブレイ」などの固有名詞が両作品と共通になっています。ファミコン版はシステムやマップが簡略化された移植のようです。

 バード(bard)とは吟遊詩人のことで、RPGにおいては歌によって味方を鼓舞する役割であるのはご存知の通り。魔力を使わずに魔法同等の効果が得られる歌のほか、魔法は別に使えたり、未熟ながらも盗賊技能を持っていたりすることもあり、多彩なスキルでゲーム序盤で重宝する職業というイメージがあります。

 そんなバードをタイトルに掲げた本作ですが、実はそれほど重要な役回りではなく、いなくてもクリアできるようです。けれども、本作ではダンジョンから瞬時に街に戻ったり敵の魔法を封じたりするのは吟遊詩人の歌でしかできないので、やはりメンバーに入れたほうがいいでしょう。奏でられた音楽は効果が続く限りそのままBGMになるというのもちょっと面白い特徴です。

 パーティーは6人編成。ファミコン版では、ウォーリア(ほとんどの武具を装備可能)、ローグ(宝箱の罠を外す)、ナイト(防御力より攻撃力を重視、WIZでいうサムライ)、バード(ビールを飲んで歌う力を回復)、ソーサラー(幻影を操る魔導士、クセが強い)、ワーロック(物質を操る魔導士、治療はこちら)の職業が選べます。まあそれぞれ一人ずつで編成すると良いと思います。早速キャラ作成をしてみると……。

     

 各職業で顔は固定されているのですが、全員ヒゲのおっさんです! だがそれがいいのです。本場のRPGのイメージはこのようなものでしょう。ローグの飄々とした格好とワーロックの胡散臭さが特にいいですね。



 基本的はシステムはウィザードリィのような3Dダンジョン形式で、街の中も3D表示で移動します。舞台も一つの街の中のみで、なんとなく『ザ・ブラックオニキス』を思い起こしました。冒険者ギルドの近く以外では街と言えどモンスターが出現するので注意です。ゲームの目的は街を氷で閉ざした魔導士マンガーを倒すこと。奴は街の中の塔にいるようです。



 本作では経験を積んだ後にレベルアップするには評議会で審査してもらうことになります。でもそんな冒険者達を上から目線で審査するくらいの実力者ならば、「お前らがマンガー倒せよ」と言いたくならなくもないです。新たな魔法の習得もここで可能。



 冒険者達がマンガーの塔に行く前に、幾つかのダンジョンや城をクリアしなければなりません。最初のダンジョンは酒場の地下のワイン倉庫。グラフィックは各ダンジョンの雰囲気に合わせたものになっています。



 戦闘シーンもウィザードリィと同様のタイプ。ただ少し違うのは、パーティーのうち前衛を3人から6人まで自由に設定できること。魔法使いなどを後衛に回すと敵からの直接攻撃を受けることは少なくなりますが、こちらからの直接攻撃もできなくなります。魔法使いでも攻撃力は戦士系職業と大きな差がなかったので、私の場合は6人全員前衛にして攻撃力を稼ぎました。それに前衛でも後半のポジションは比較的攻撃を受けにくいようでしたので。



 本作の珍しい特徴として、味方を攻撃するコマンドがあることです。これを実行すると「仲間割れを始めた」と表示されますが、本当は仲間に取り憑いたドッペルゲンガーを倒すためのコマンドです。放置するとドッペルゲンガーはパーティーにダメージを与え続けるので、速やかに倒しましょう。倒すには殺すつもりで攻撃する必要がありますけど(その後、体力1で復帰)。



 モンスターのグラフィックはかっこいいものも多く、このビホルダーもなかなかの描写です。ところでビホルダーといえば権利関係が厳しいという噂を聞いたことがありますが、そのへんは大丈夫なんでしょうか。鈴木土下座ェ門ではないですが……。



 そうこうしているうちにマンガーの塔最上階に到達。マンガーとの決戦です。レベルは最高の36(半端だな)。ここで敵の魔法を封じる吟遊詩人が大活躍! ワーロックは毎ターン治療の呪文を唱え、他のメンバーは(ソーサラーも含め)物理攻撃。数ターンで勝利することができました。



 というわけでクリア。アイテムも全種類店の在庫にし、全員最強装備にしましたので、完全クリアとしましょう。実はクリアまでに数十年ぶりに手書きでマッピングをしました。16×16マスのマップを16枚作成。もちろん攻略サイトなんかにはマップも掲載されているのですが、せっかくだから久しぶりに自分で作ってみようと考えました。全てのマスを確認するために結構時間をかけましたが、それだけにクリアして不要になっても捨てられないものになってしまいました。また我が家にゴミが増えたよ……。

サーガイア

2018-07-08 23:23:31 | ゲーム
 ゲーム音楽の中で最も偉大なものは? という問いがあったならば、私は「ダライアスのメインテーマ『Chaos』である」と答えるでしょう。



 そこにはノリの良いリズムも、キャッチーなメロディも、耳に心地よいコード進行もありません。轟音と静寂の交錯、不安定な変拍子、楽曲というよりは音響という趣で、聴き手に媚びずに圧倒してきます。そして、吹き荒れるエネルギー、虚無の空間、そこに潜む巨大な生命体の影、などを聴き取ることができるでしょう。これがまさにダライアスのイメージであり、ダライアスという存在自体であると言っても言い過ぎではありません。

 ダライアスが発売された1987年当時はPCM音源の普及によってゲーム音楽が大きく進化し始める時期です。その時にすでに、というよりはその時だからこそ、究極とも言える作品が生まれたに違いありません。



 前置きが長くなりましたが、ゲームボーイで発売された本作『サーガイア』はダライアスのアレンジ移植です。サーガイアというのはダライアスIIの海外版の名前です。本作の最大の特徴は、ダライアスの音楽が驚異のレベルで再現されていることです。サウンドディレクターとしてダライアスのOGR氏こと小倉久佳氏みずから参加しており、少ない発声数ではありますが、それゆえに曲の骨格がよく見えるという価値もあるでしょう。上記のメインテーマ『Chaos』を再現するのは困難であったでしょうが、矩形波のピコピコサウンドが逆に宇宙との交信を思わせ、これはこれで面白い作品になっています。もちろん緻密な音作りを可能にした高性能なサウンドドライバーの功績も大きいでしょう。



 さてゲームとしては純粋に初代ダライアスの延長にあります。初代において、敵の攻撃はある決まったパターンが繰り返されるという大雑把なものでした。初代は横3画面を持つ巨大なスクリーンが特徴でしたから、あまりに作り込まれた攻撃パターンだとこじんまりとした印象となるかもしれず、大雑把であることに不満を感じることはありませんでした。本作ではもちろん横1画面ですが、大雑把さがダライアスらしさと手頃な難易度に結びついており、ついつい何度もクリアしたくなります。

 ちなみに画面の上下は1画面以上あって、自機の動きに合わせて上下に若干スクロールします。ひょっとしたら本作はシリーズで最も画面が縦に長いダライアスかもしれません。画面はモノクロ4階調ですが、背景が細かくアニメーションしている部分もあって、世界の奥行きを感じさせます。



 主に初代から参戦しているボスたちも見事な描き込みです。攻撃はコンパクトになっていますが、巨大な雰囲気は残っています。さらに、ボス戦では本作ならではの特徴を強く味わえます。初代においてパワーアップしてレーザーやウェーブ装備になるとボスを貫通してしまうため、それらが画面外に消えるまで次を発射することができませんでした。本作ではレーザーもウェーブも耐久力のある敵を貫通しないため、ボスに接近したら超連射でガリガリとダメージを与えることができてなかなか爽快。ウェーブは地形も貫通しなくなりましたが、発射後に上下に当たり判定が若干拡大するため、地形の陰に隠れた砲台を狙えるようになり、テクニカルなプレイができるようになりました。一方、ボムは4方向のマルチボムは弾切れが激しくなり、2方向のツインボムの方が使い勝手はいいかもしれません。とはいってもマルチボムに助けられる場面も多く、一概にどちらが強いかは言えません。



 難易度の低さに関しては上記の大雑把さの他に、その場復活であること、残機が結構増えやすいことなどが挙げられます。残機の増加については、1UPアイテムがいくつも仕込まれていて、ノーミスだとクリア時には10機以上残っていることでしょう。



 オリジナルボスは2体。上の写真はそのうち1体のマンボウ。なかなかのでかさとデザインです。また、シリーズには珍しくボスラッシュステージがあります。全8面で、そのうち4面と8面はボスラッシュ。4面では1〜3面のボスがパワーアップして登場した後に4面のボス戦、8面は5〜7面のパワーアップボスの後に最終ボス戦となります。



 最終ボスはもちろんクジラですが、本作ではある程度ダメージを与えると攻撃パターンが変わるという2段がまえになっているのが新鮮。ボスの攻撃パターンの変化はダライアスIIから広く実装されるようになったもので、初代では3面ボスのザリガニに片鱗が見られるのみでした。



 クジラを倒すとエンディングで、難易度によって一枚絵が変化します。難易度EASYだと女性パイロット(ティアット?)。



 難易度NORMALだと男性パイロット(プロコ?)。



 難易度HARDでシルバーホークです。スタッフロールには小倉久佳氏がクレジットされています。

 私の初プレイは難易度NORMALでいきなりノーコンティニュークリアでした。その後EASYでもクリア。HARDでは何回かやり直したけどすぐにノーコンティニュークリアできました。特にシリーズに慣れている必要もないと思われまして、誰でもちょっと練習すればクリアは簡単でしょう。1プレイは意外と長いですが、何度でも通しプレイしたくなるような「撃つ手応え」のある作品でありました。

テトリス

2018-04-22 22:34:38 | ゲーム
 なぜ今さらテトリスなのか? それには2つの極めて個人的な理由がありました。

 1つは中古ゲーム屋に来たからには安いソフトをいっぱい買って心豊かに帰りたい、というコレクタースピリッツ。目安はおよそ500円。まあテトリスなんて無料でも遊べるご時世ですけどね。プレステの『ザ・テトリス』も持ってるし。



 ファミコン版のテトリスはBPSによって移植されました。ググったところ、1988年の12月発売のようですね。同時期にセガ製アーケード版のテトリスも発売されています。11月にはBPSから各種PC版が出ていますが、私はX68000版をプレイしたことがあります。

 BPS版とセガ版は操作性が異なります。セガ版ではボタンでブロック回転、レバー下で任意の位置まで加速落下。一方BPS版はコントローラ下でブロック回転、ボタンで一番下まで落下、となっています。私のテトリス入門はセガ版だったので、X68000ではうまくプレイできませんでした。



 だからファミコン版も苦労するかなと思っていたけど、慣れたらそんなに問題ありませんでした。ただ積み上がって焦ると、ブロックを回転させるつもりで落下させてしまったりしますけど。



 BPS版はアーケードと違って面クリア型になっています。25ライン消すとステージクリアで、次のステージではスピードが少し上がります。ステージ0から始まり、ステージ9をクリアすると、上の写真のようなコサックダンスのデモが流れ、少し積み上がった状態から始まる次のラウンドに進みます。ラウンドは0から5まで。ゲームスタート時には全てのラウンド、ステージから開始することができます。



 ラウンド5では写真のようにかなり上からスタートするので、後半ステージからのスタートはかなり不利。同ラウンドではステージクリアの状態が引き継がれるので、まだ速度が遅い中盤ステージあたりから始めて積み上がっていない状態をキープすると楽でしょう。



 ラウンドが進むごとにコサックダンスのデモは大人数になります。といってもラウンド5が最大で11人。



 その後花火が上がるデモがあり、ラウンド5のステージ0からループ。まあ意外と操作には対応できたし、速度もそれほど上がるわけではないので、難易度は低いと言えるでしょう。

 さてテトリスといえば旧ソ連製のゲームとして有名で、BPS版ではロシアのイメージをなぜか前面に出しています。BGMも「カリンカ」「トロイカ」、コサックダンスデモの「カチューシャ」などの鉄板ロシア民謡。それに混ざってTECHNOTRISというオリジナル曲が収録されていました。私がこのテトリスを買ったもう1つの理由は、このTECHNOTRISを聴きたかったからなのでした。

 ある時突然なんかのパズルゲームの音楽が頭の中で流れ出し、この曲は一体なんだっけとしばし思い出していたら、X68000版のテトリスの時に聴いていたTECHNOTRISだったのです。この曲はYMOの「テクノポリス」のような曲想に、ブルクミュラーの「アラベスク」の断片が絡むという、ちょっと通な曲です。で、それをYouTubeで検索してみたら見つけたのが以下の動画。



 TECHNOTRISをアレンジして弦楽四重奏で演奏しています。しかもアラベスク成分増しでさらに通っぽくなっていますね。この動画を見つけて以来頻繁に視聴していて、実のところこの記事もこの動画を貼りたいだけだったのでした。ちなみに1:57あたりからがアラベスクを盛った部分。

 というわけでTECHNOTRISを十分堪能できて満足。数百円という安い買い物でした。