性格の不一致というパラドックス

　離婚の原因でよく語られるのが、「性格の不一致」という言葉です。一緒に生活しているうちに、パートナーのある種の癖や行動に我慢できなくなってきたと語られることが多いように思います。
　しかし、もともと異性を好きになるということは、自分にはない繊細さを持っている人とか、自分にはないたくましさを感じさせる人だからではないでしょうか。性格が不一致だからこそ魅力を感じたのではないでしょうか。
　それが、いつの間にか、何かにつけて細かく口うるさい人になり、自分勝手な押しつけがましい人になってしまうのはどうしてなのでしょうか。おそらく、お互いの我慢や思いやりの気持ちが薄らぐことが原因ではないでしょうか。もっと自分は相手に認められべきだ、もっとリスペクトされるべきだという思いが強くなり、相手を許せなくなってしまうのでしょう。それが高じると、もともと自分にはない相手の性格が疎ましくり、この人とはやっていけないとなるのでしょう。
　だからといって、自分と同じ性格の人を好きになる人がいるとも思えないのですが、いかがでしょうか。