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笑いと健康の医学 №175

2013-03-07 15:49:01 | インポート
 日経新聞(3月3日付け)に笑いと健康の関係についての記事が掲載されていました。近年、医学や脳科学の観点から健康維持に役立つ理由を探る研究も活発になっていますが、その作用の仕組みはまだ明確には分からず、信頼性の高い調査も少ないのが事実のようです。
 記事では、笑いが医療に取り入れられた端緒は、米国の雑誌編集長だったノーマン・カズンズ氏が強直性脊椎炎という難病にかかり、笑いを取り入れた治療で完治した経験を著名な医学雑誌に報告した1976年のことだとあります。
 ユーモア小説を読んだり喜劇映画を見たりして大笑いすると痛みが和らいでぐっすり眠れるようになり、数カ月後には職場復帰できたことをきっかけに、カズンズ氏はその後、カリフォルニア大学医学部教授に転じ、笑いの治癒力を説くようになったそうです。
 これを機に笑いの効用を科学的に解き明かそうとする研究が始まり、日本でも1994年に初めて、笑いが免疫機能を高める可能性を示す実験が報告され研究が増えてきたということです。
 免疫機能の向上やストレスの軽減など短時間で一過性の効果は確かめられても、それが長期間の健康維持にどう役立っているのか、本当に元気で長生きにつながっているのかが調べられていない。効果をもたらす仕組みも不明なため、笑うと健康になるのか、健康だからよく笑うのか、因果関係をつかむ議論はいつも堂々巡りになっているようです。
 現時点で信頼できる笑いの医学的な効用について、福島県立医科大学の大平教授は「運動とストレスの解消」の2点を指摘しています。
 声を出して大笑いした後は腹筋が痛くなる。笑い方にもよりますが、笑いは運動と同様に筋肉を使いカロリーを消費することは確かなようです。
 ストレス解消という点では、笑いが脳内の血流を増やしたり自律神経を安定にしたりする作用は認められていますが、これは音楽鑑賞や旅行、趣味などに熱中した時などにも見られ、笑いに限った現象ではないようです。
 大平教授は「よく笑っている人は、人と話す機会が多い。社会とのつながりがあるかどうかも重要な指標」と解説しています。
 人は自分の間違いを笑うというのが、現在の学説のようです。自分の思いこみが外れたときに笑うということですが、そのためには、自分のことを客観視、相対化していないと笑えないわけですから、かなり高度な知性が必要となります。ということは、よく笑う人は頭がいいということになります。頭がよくないと自分のミステイクに気付かないからです。
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