どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

屁ふりじっこ・・青森

2024年08月07日 | 昔話(北海道・東北)

   青森のむかし話/青森県小学校国語研究会・青森児童文学研究会/日本標準/1975年

 「鳥のみじい」に 似たような話。

 燃やす木がなくなったので、じっこが となりのももの木をきっていると、「だれだ おら家のももの木 きっているのあ」と、となりのおどさまがいうたど。

 「まめの、まめの、屁ふりじっこ」とじっこが、こたえると、「そんだら、屁ふってみせろ」と、おどさま。そこでじっこ、着物をしりまくりして、「にしきさらさら、ごようのまつ、ぴりん、ぐわりん、どん!!」って 屁ふると、おどさまびっくりして、「なんぼ、じょうずな屁だ。もう一回、ふって見せろ。」と、いう。もういちど、屁ふってみせると、となりのおどさま、感心して、「ほうびにいいものやる。重たいのがいいか軽いのがいいか。」というので、じっこは、「わしは としよりだで、軽いかごでいい」と、軽いかごをもらって、家であけてみると、あたらしい赤い着物が四枚。お盆に一枚、正月に一枚着るべと、ばばと話していた。

 赤い着物に目をつけたとなりのとなりの欲たがればさまが、欲たれじっこを、ももの木を切りにやった。となりのおどさまから、屁ふってみせろといわれ、「にしきさらさら、ごようのまつ、ぴりん、がりん、スー!!」と、屁ふると、おどさま「かわった音の屁だな。よし、ほうびに重いかごと軽いかごの、どっちがいい?」という。重いかごをもらって家に帰ると、ばさまが、はだかでいたど。ばさまは、いい着物もらってくるべと、着ていたもの、みんな焼いてしまっていたど。
 

 欲たれじっこが、かごのふたを取ってみると、中に、へびだの、むかでだの、かまきりだの、かえるがはいっていたど。ばさまは、着るものがなくて、かぜひいてしまったど。