どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

アナトールパリの空をとぶ

2024年08月12日 | 絵本(外国)

   アナトール パリの空をとぶ/イブ・タイタス・作 ポール・ガルドン・絵 石津 ちひろ・訳/好学社/2024年

 今年の六月の出版ですが、パリオリンピックを意識したのでしょうか。ただ、原書は1961年で、カラーは ねずみ(衣装をふくめ)と凧。それ以外はモノクロ。

 「パリの空をとぶ」とあるので、あちこちの名所が出てくるかと期待したのですが、エッフェル塔だけ。

 ねずみのアナトールが拾ってきた凧を直して絵を描いていたら、ライオンのうなり声のような風で、上へ上へ とんでいきました。
 凧には、五人のこどもたち、妻のドーセット、友人のガストン。子どもたちが泣きはじめ、アナトールもドーセットも、パパといれば安心といいますが、内心は、きつい風や、はげしい雨におそわれるか、心配です。

 ガストンから、「すぐれた直観力と アイディアで、これまでもみごとに切りぬけてきたんだから、今回もうまくいくさ」といわれ、アナトールは、とんでいく鳥たちに注目します。

 子どもたちが持っている菓子で、タロウタドリのボナパルト(ナポレオン?)に ひっぱてもらうことに成功。しかし、ボナパルトは、エッフェル塔までくると、凧を 塔のてっぺんに ほうりだしてしまいます。妻から声をかけられ、アナトールは大胆なことを思いつきました。パラシュートをつくったのです。

 ねずみたちは、エッフェル塔のレストランの そばを通って、下りていきました。うすぐらいから誰も気づかれないと思っていたら、ニンゲンのおじさんにみつかり、「火星人よ、火星にもどれーフランスは フランス人のものだ!」とさけばれてしまいます。「なに いってるの!」と、おじさんの妻。「ただの ねずみたちじゃない!」。大騒ぎになったレストランから地上にちかづいて、冒険もおわりと思ったら、オオカミのような風に おそわれ・・。

 アナトールは、妻からたよりにされ、子どもたちに自慢されるーかしこい、かっこいい、ゆうかん!!-なねずみでした。

 青、白、赤のフランス国旗の三色が効果的。