どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

てんのくぎをうちにいった はりっこ

2022年03月19日 | 絵本(日本)

     てんのくぎをうちにいった はりっこ/かんざわとしこ・さく ほりうちせいいち・え/福音館書店/1985年初出2003年

 

 「むかし むかし。大空が まだ、おなべを ふせたように、わたしたちの 頭の上に高くかかっていたころのこと」と、はじまります。


 ある晩、とつぜん、

 ぎー

 なにかの きしむ おと。

 つづいて、

 ぐゎら ぐゎら

 おそろしい 音が 響きわたりました。丸天井をささえていた 天の釘が ゆれて 釘が ぬけおちたら、この世は おわり。だれかが 天の釘を うたなければ!

 このとき 小さなハリネズミの はりっこが 名乗りをあげました。

 はりっこは 親を亡くし くまの ばあちゃんに 育てられ 「ひいひいじいさまが とんてん かんてん とんてんかん とんてん かんてん とんてんかん」と 釘を打った子守唄を聞いて 育っていたのです。

 はりっこは くまの ひいひいじいさまの 形見の 七つのハンマーのうち、いちばんちいさなハンマーをもって、おおかみに のびのり出発しました。

 めざす きたやまには 赤目のヘビが 口から火をふき はりっこの 行く手を はばみます。

 ヘビを退治し、荒れ狂うなか 天に続く はしごを のぼりはじめた はりっこは 釘が抜け落ちる前に ゆるんだ釘を 打ちはじめます。しかし、六度目をうったとき、手がしびれ 天から まっさかさ。海におちていった はりっこでしたが・・・。

 

 天の落下を防いだ 小さくても勇気ある はりっこの大冒険が 軽快なテンポで 進行します。
 ラストと裏表紙には 北極星が描かれているので、天の釘は 北極星に 打ちつけられているのかも!


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