おいせまいり わんころう/あおきひろえ・文 長谷川善史・絵/ブロンズ新社/2019年
すごろくじたての わんころうの伊勢参り。
ふりだしは、大阪船場の米問屋「すごろくや」。
米俵をかついだまんま しりもち ついて腰を痛めただんなさんの回復祈願のため、娘のこいちゃんにたのまれて、わんころうは ほな、いてさんじますと伊勢へと出発。
おいせまいりのめじるしは ひしゃく。首には銅銭、巾着の中には、こいちゃんのつくってくれたおまもりと準備万端。
くらがりとおげをこえ、ふるいちのやど青銅屋で一息。
お伊勢参りの一行と歩いて歩いて・・・。
森の中で わんこうのおしっこが しちどぎつねの あたまにかかったから、さあたいへん。肥溜めに落ちるわ、がいこつにおわれるわ、うわばみ、ろくろ首、大入道がでてるわとえらいめにあいながらも こいちゃんのためにと 先を急ぐわんころう。
くしだがわでは、川に落っこちた備前屋のぼんを ひっしのパッチで助け、ごちそうやおどりでもてなしをうけた わんころう。
やっと伊勢神宮についたとおもったら、犬畜生は通せないと門番にとおせんぼされたわんころうの前に、あまてらすおおみのかみがあらあれ、やっと、参詣ができ・・・。
舟で大阪に着くと、こいちゃんのにおい。みんながそろって おでむかえ。米問屋「すごろくや」の だんなさんも わんころうのげんきなすがたをみたくて、すっくとたちあがりましたから、腰もよくなっていました。
表と裏の見返しの、出発前とお伊勢参りから帰ったわんころうの姿にも注目です。
いくまえ「そんなこといわれても・・」「なんぎやなあー」
かえってきたとき「あー やれやれ」「はー しんど」
こっちが本音かな?