さじかげんだと思うわけッ!

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『風景ルルル』

2008-12-20 20:37:33 | 
今日は久しぶりに美術館の話をしましょう。
そろそろ秋の企画展が終わる時期なので、じょじょにまとめていきたいと思います。
今日は、静岡県立美術館の秋期企画展『風景ルルル』です。

静岡県立美術館はオーギュスト・ロダン(1840~1917)の作品が多く収蔵されていることでも知られていますし、伊藤若冲(1716~1800)の幻の大作『樹花鳥獣図屏風』が収められていることでも有名です。
しかし、開館時からの基本方針として、17世紀以降の洋の東西を問わない、さまざまな地域の風景画を収集しているそうです。
山梨県立美術館は、ミレー(1814~1875)を中心としたバルビゾン派の作品を収集していますね。
そういうわけで、企画展として風景画を取り上げることは、それはごく自然なことなわけですね。しかも、まだ第一線で活躍中の現代作家8人の作品を集められました。

正直な話、わたし抽象画が苦手なんです。
抽象画は考えて見るものではないと思うのですが、しかし考えずにはいられないんです。
基本的に「感じる」ことが苦手な人間なんです。
だから、造形がしっかりしている風景画などの方が、好きです。基本的には。
しかし、そこは多様化が進む現代美術です。
中には、抽象と具象の中間のような作品もあり、ニュータイプ風にいえば「神経がザラザラする」感じのものもありました。
いえ。否定とかではなくて、そういう感触もまた楽しからずやといった感じですね。

キャプションはありませんので、さくさく見進めることが出来ます。
キャプションを読むことで集中力を使うことはありませんので、映像作品も楽しく見ることが出来ました。
最近、現代作家の作品は映像が多くなりましたよね。
今回の企画展も映像作品は、二作品が展示されていました。
映像による作品は、非常に現代らしい作品の一つですだと思いました。
何と言っても、絵は一枚ですが、映像は連続です。
つまり、起があって結があるんです。承転はこの際必要ないと思います。
また映像には必ず音がつきます。音がなければ、映像としての魅力は半減してしまいます。
多くの情報を詰め込むことができる反面、作るのに大変な労力が必要なんですよね。

それから、現代作家の展覧会ということで、作家さんを招いた多くのイベントが行われたようです。
すばらしいことだと思います。
ということで、この企画展は明日までだそうです。
興味のある方はぜひ、行ってみてください。