さじかげんだと思うわけッ!

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美濃探訪記(4)

2008-08-22 21:30:08 | 旅行記

電話の主は、誰あろう我がゼミのエース…大垣のSでした。
K曰く、「お前ら、どこおるん?」
「え、美濃市の○○(コンビニ)だけど」
「じゃあ行くから、ちょっとまっとれ」
というようなやりとりだったようです。やってきたSの言うことには、Sの母方の実家が美濃市で盆の送り日だったこともあって、こちらにやってきていたそうです。
夕方には精霊流しをやったなんて話をしつつ、宿に戻ります。当然ながら、Sは車ですのでお酒は飲めません。
Sから衝撃的な告白を受けたり、つもる話をしながら、また布団の上でプロレスをするなど子どももびっくりの悪ふざけを散々して、Sは帰って行きました。
そういえば、美濃名物の巨峰を供え物からくすねて、また大垣名物・水まんじゅうを買ってきてくれました。
すでに満腹状態で、しかも双方ともに保存が利かない生ものですから、すっかり困窮してしまったのですが、Kはぶどうが嫌いだというし、じゃあとわたしは巨峰をモリモリと食べました。KとOは水まんじゅうをつるりと食べ、残りは明日にしようと冷蔵庫にしまっておくことにしました。
しかし、この水まんじゅうがまたしても悲劇を招くことになろうとは、知るよしはありませんでした。

翌日。
これまたすばらしくおいしい朝ご飯を頂き、まずは長良川鉄道梅山駅に向かいます。
本日から合流する磐田のMを迎えに行くのです。
運転は、日頃はばりばりのライダーで、車に関しては実に二年ぶりに運転をするという、平塚のOが担当します。
二年ぶりとはいえ、危なげない運転で、無事に梅山駅に到着。遠路遙々、磐田から美濃梅山までやってきたMを迎えることができました。
それから、昨晩、Sと合流したコンビニに行き、一晩ぶりにSと合流。
これで、この旅の仲間が勢揃いしました。
まったく予定通りに、メインの郡上八幡に向かいます。
本当は郡上八幡に宿が取れればよかったんですが、何せこの時期は広く知られた郡上踊りのまっただ中。しかも、13日から続く徹夜踊りの最中ですから、言うなれば一番混雑する時期なわけです。

美濃市から郡上市まではおよそ30㎞。近い距離ではありませんし、峠道ですから、決して近いとはいえません。
釣り人が無数に散らばる川沿いを北上し、一路、郡上市へと向かいます。
本日最初の目的地は郡上八幡城です。
え? 意外と地味? そんなことはありませんよ。岐阜城ほどではありませんが、今日の郡上八幡の基礎となった立派な城です。近年でいえば、功名が辻で著名となった山内一豊夫人(千代、と言われていますが、実はわからぬそうです) の生家とも言われています。
築城は、1559年。奥美濃の国人領主であった遠藤氏が築きました。と、同時に、この遠藤氏が千代の生家でもあります。
しかし、まもなく城を追われ、同じ国人領主であった不破氏へと身を寄せます。この時期に空気を敏感に感じ取る力を養ったようですね。

さて、先述の通り、おそらく今が一番混雑する時期です。
郡上といえば、郡上踊り。しかも、盆の時期に行われる徹夜踊りは、毎晩場所を変えながら、踊り明かすそうですから、大変です。立て看板によれば、夜の8時から朝5時までかかるそうですから、そのエネルギーたるやかなりのものですね。
裏を返せば、午前中は充電の時間なのでしょうか。町は意外にも静かな印象を受けました。
Sの車のカーナビを頼りに、郡上八幡城に向かいます。
郡上八幡城も、立派な山城です。金華山のように険しい山ではありませんが、それはしっかりと天守への道が舗装されているからかも知れません。
本当は頂上まで車で行けるのですが、止められる台数も少なく、止められなかったら難儀だというので、山の中腹にある駐車場に車を止め、城までは徒歩で向かいます。
車道もあるのですが、うねうねと連続するカーブで遠回りになってしまう。そこで、歩行者用にショートカットコースがあり、そこをふざけながら歩いていきます。
10分も歩けばもう城です。

城門の前には売店などもあり、けっこうな賑わいです。
早速、入場料を払って、入城します。
実はこの郡上八幡城、再建した木造模擬天守としては日本最古のもので、市の有形文化財に登録されているそうです。
中はやはりちょっとした資料館です。展示の中心は、歴代城主である遠藤氏・金森氏・青山氏などのゆかりのあるもの。また、山内千代の内助の功ですね。
それから、この城のある郡上八幡は、美濃の山奥にある狭い土地ですが、それゆえに歴史的事件がありました。歴史の教科書にも載っていましたし、映画化もされた、郡上一揆の舞台でもあります。
ここでも書きますが、お城のメインは天守からのその大絶景なのです。
岐阜城からの眺めは濃尾平野を広々と見渡せる、まれに見る大パノラマ風景でしたが、郡上八幡城は川の流れを見つめる風景です。
郡上は古くから名水の郷。町の中央を流れる川は豊かな水をたたえ、浅瀬には釣り人が見えます。山間を縫うように流れ、やがて長良川に合流するわけですね。
岐阜城のような平野の風景は天下人の気分を味わえますが、このような田舎の風景はその土地の殿様気分になります。
そんな殿様気分を満喫して、下界に下ります。
そして、車はそのままにして今度は町中散策です。本日のメインイベント会場へと向かいます。

今日は「郡上八幡眺望」。
なんかほっとすると思ったら、まるで都留市みたいです。