入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「春」 (47)

2019年04月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうもいい天気だ。これで日の当たる場所に残る雪は大方が融ける。ツツピー、ツツピーと特徴のある野鳥の声がする。ヤマガラだろうか。他にもいろいろな鳥の声がするが、ただ声を聞いて楽しむだけでその主の姿までは分からない。今鳴いている鳥の声は、ギャ、ギャ、とおよそ他の鳥たちの声と同調できないと思っていたら、すぐそれをとりなすように、また別の声がしてきた。ウグイスの声もそれに混ざって聞こえてくる。それでも鳥たちは、予定の立て込んだ声楽家よろしく、しばらく歌うとやがてどこかへと舞台を移すようだ。
 こうして、毎朝鳥たちの美声に耳を傾けてはいても、野鳥について語れることは少ない。

 昨日の写真は上がってくる時に撮った弘妙寺の桜で、山室川の谷はこれからまだまだ美しくなる。荊口の桜がこんなふうに咲き、それから芝平まではどのくらいかかるのだろう。第1堰堤付近に「しだれが」咲いて、牧場に山桜が咲くのは5月中旬から下旬になる。里では落葉松が芽吹き出したし、これから春の躍動感とでもいったものが谷に溢れ、そこを伝いここまでゆっくりと上がってくる。合掌
 
 連休、ここを訪れたら、入笠山の山頂へ行くのもいいですが、とにかくこの辺りを歩いてみることをお勧めしたい。特に朝はいい。そういう山の楽しみ方も是非知ってほしい。

 大型連休、当山小屋、キャンプ場はまだ余裕あります。案内「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)を作りました。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。

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     ’18年「春」 (46)

2019年04月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今更ながらだが、太陽の力は本当に頼もしい。あれだけの雪が、小屋の周囲からわずか2,3日の間にもどんどんと融けている。今朝8時の気温は15度もある。
 昨夜は帰ってからもしきりと山道の雪のことが気になったが、今朝ここへ来る前に、入笠の登山口に通づる上の段の「大曲り」を見てきた。まだかなりの雪だが、人手を頼まなくても(と言って、下からの応援など期待できないが)連休前までには何とかなりそうだった。そうでなければ、ここへ車で来る人たちは、あそこで足止めされてしまう。たとえ一人でも、予約を受けた以上はそんなことはさせられない、責任がある。
 もう一つ今朝は、車でどうにか牧場まで来ることができた。昨日、驚いたことに1台の車が伊那側から上ってきて、帰る際にはその苦労した跡を目にしたが、きょう来る時はその荒れた轍に悩まされもし、いくらかは助けられた。まだ一般車はとても無理だが、行き帰りに少しづつ手をいれれば今週末の金曜日には、水回りの補修のために来るトラックくらいは何とかなるだろう。
 




 この写真ではよく分からないかも知れないが、奮闘5時間、ついに大曲りから入笠登山口までを開通させた。まだ車体の低い乗用車はきついが、連休が始まるまでには、どんな車でも通行可能にするつもりでいる。昨日帰っていったI坂君夫妻なら、この悪戦がどのくらいのものかきっと想像できるだろう。本当に、あればシャンパンぐらい開けたい心境だ。
 帰ってくると、二カ所ある流し場のうち、小屋の前にある昨日まで出なかった水道から、水の流れる音がした。凍結していたせいだろうが、原因はどうであれ、こういう他愛ないことがやたら嬉しい。小鳥の声が良く聞こえてくる。4,5種類はいる。ようやく、牧場に春が来た。
 KAKUさん、ありがとうございました。合掌

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     ’18年「春」 (45)

2019年04月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨夜は上に泊まる。今朝7時の気温8度、朝日は眩いが薄い雲がかかっている。気温はこれから次第に上昇し、懸命に雪を融かしてくれるものと期待している。夜間はかなり冷えたようで、雪は凍っていた。

 仕事初日となる昨日、5時半に起きて弁当を作り、6時半に家を出た。山道の残雪が緩まないうちに幾つかの難所を通過しようとしたのだが、前回9日に来た時と雪の状況はそれほど変わっていなかった。里にも降った10日の雪のせいだ。
 焼き合わせを過ぎると雪は一気に増えた。ド日陰は辛くも通過できたが、しかしその先の倒木は誰も手を付けず、放置されたままだった。とりあえずそれを処理して、轍のない雪道に強引に車を入れてみた。しかし、無理だった。雪の深い所は膝まで潜る始末で、諦めて車を100メートルほど下げ、そこに捨てた。ところが、歩き出してしばらく行くと雪の量が急に落ち、しばらくそういう状態が続くようだった。かなりの思案を重ねたが、結局は引き返し、核心部の雪掻きをすることにした。
 除雪作業にひと汗もふた汗もかき、それから車の向きを変えるのにも性悪の雪に手を焼いた。それからエンジンの回転をいっぱいに上げ、雪の悪路に挑むと、たちまち車輪は雪にとられ、車は不安定な走行を続けた。それをだまし、こらえ、苦闘の末に何とか難所を抜けることができた。
 しかしそれも束の間、さらなる難所が待ち構えていて、それ以上は無理と諦めるしかなかった。北門までは4,500メートルの距離だったろう。

 小屋に着く前に、真っ先に取水場へ行くと、なんと、あれだけ心配していた水は、小気味の良いゴボゴボ音を立てていた。2キロ近くを流れ下った水の圧力は充分に復活していた。安堵して管理棟に入り、部屋中の窓を開け放し、新しい春の大気を冬の間そこにあった古い空気と入れ替えた。そして同じことを、隣にある小屋でもした。
 13年目のささやかな小屋開きはそれでも、小鳥たちが聞き覚えのある声で歌ってくれ、祝ってくれた。

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     ’19年「春」 (44)

2019年04月19日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今年もまたイカリソウの花が咲いた。この花の寿命は短い。同じイカリソウでも白い花の方は咲き出すのが遅く、ようやく芽が出たばかりだ。近くにはヒトリシズカも咲き出したし、駄目だと諦めていたカタクリも、小さな芽がいつの間にか生えていた。しかしもう、これらの野草にはあまり目をかけてやれない。

   出でて去なば主なき宿と成りぬとも軒端の梅よ春をわするな   ー実朝ー

 明日から生活の中心が上に移る。それに際し、すでに大方梅の花も終わってしまった今、それでもなぜかこの歌が頭に浮かんできた。荒れ放題の陋屋だが、そこに残す草花に対する今の心境に近い。
 その梅の木、何人かに枝の剪定をやり過ぎだと言われ、枯れるぞとも脅された。ところが一昨日、北原のお師匠来宅の折に見て貰ったら、言下に大丈夫だと言われ安心した。それに加え、今年は梅の実は諦めてもらわねばとECG家には伝えておいたが、まだもう1本残ていたのに気が付いた。それを知ればきっと喜ぶだろう。

 一昨夜、酔っぱらって街から歩いて帰ってきて、何人かに心配をかけた。あの夜は些か度が過ぎたが、酔えば酔うほどに故郷への思いや人への情愛が募り、あるいは過ぎた日々の諸々が甦り、それら混沌、妄想を噛みしめ味わうにはやはり、天竜川の川音を聞きながら歩くのが一番だという考えは変わらない。
 昨日あたり、日中に行ってみれば、河原のヤナギやアカシアの芽吹きが始まり、土手草も春らしい色に変わりつつあった。川の音にも、水の色にも、そこはかとない安らぎ、親しみを感じた。
 冬ごもりが終わる。明日からはまた、上から。

 赤羽さん、活躍の春ですね。それにつけても、白岩から横岳、戸台となると、戻るのが大変ですが手立てはありますか。あの小黒川林道は新緑の中を歩いてもなかなかのものです。多少の案もあるし、もちろん協力はいたします。合掌

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     ’19年「春」 (43)

2019年04月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日の酒がまだ残る。宴は和やかに進むも、予定してなかった人間を呼んだのが大外れで、混乱迷走。またしても途中で不可解な怒りに火が点いたらしく、帰る、帰るなの応酬ですっかり座が白けた。高校時代の友人たちなら、この男が誰だか分かるだろう(と、かく注記するのはTDS君への配慮である)。
 Mの奥方が迎えの車を運転してきてくれ、それでお師匠を送りがてら、誘われて気分直しに街に出た。Mは百姓の真似事以外は一切合切を奥方に任せ、頼っているから、こういうことも簡単に言える。しかし本当は、食い散らかした後片付けをしなければならなかったのだ。
 まあ、それはそれとして、以前にも行ったことのある某酒場へいくと、客は誰もいなかった。そこで飲んでいるうちに、Mは消えてしまった。女将の相手だけでは足りず、この店の常連である後期発達障害の疑いがあるHを呼んだ。久しぶりだったが、あまり話は弾まず、8時ごろだか早じまいすると言うので一人で店を出た。途中でその日、天婦羅も何も食べずにいたことに気付き、某ラーメン屋へ。店主はFMZ君の同級生だったとか、そんな話を一言二言。ここでも餃子を食べつつビールをまた飲む。ピシっとスーツで決めた人物が来て挨拶を受けたが不明、確か入笠の名が出たような気がした。
 さあそれからだ。また悪い癖、客待ちのタクシーを尻目に、千鳥足で歩き始めた。天竜川の川風に吹かれているうちに酔いは覚めるだろうと思ったが、4キロだか5キロの距離をヨロヨロ、トボトボ、なかなか進まない。何しろ家では二人で日本酒1升、ビール半ダース、それにウイスキーまでいっている。そして某酒場でも、料金からすれば結構飲んだことになる。
 水神橋を渡り、「牧」、そして「野底」、集落の灯を遠くに見ながら、ついにたまらず天竜川の土手に横になる。山のビバークを思い出しつつ仮眠、1時間も寝たのか。寒くはなかった。それからまた歩き出し、気が付けば元来た道を家とは反対の方向に歩く始末、無駄をした。日に干したばかりの暖かい布団が呼んでいるというのに、何たることかと自分を叱る。
 それからも長かったが、ようやくHALに迎えられると、散々の長い一日が朦朧とした意識の中に溶けていった。合掌

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