入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「冬」(2)

2022年01月02日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 写真は貴婦人の丘を少し過ぎた場所で、例年であれば、まだここを難なく車で通ることができる。この写真から雪の量を想像できるだろうか。奥に写っているのが入笠山になる。
 
 こうして振り返ると、越年のためとはいえ実にご苦労なことをしたと思う。車ならここからなら5分ほどで小屋に着くことができるが、山スキーを履いていてもこの雪の中を進むとなればまだ1時間以上が必要となる。
 以前に、第1堰堤から上まで6時間もかかったと呟いたことがあって、自分でも記憶違いかと思ったりもしたが、今回歩いてそれが間違いではなかったことが分かった。あの時は出発地からオオダオ(芝平峠)までの3キロと、峠からさらに約1キロを加えた距離、計4キロが余分にあった。それで6時間だから、むしろ早いと言ってもいいくらいだろう。

 明けて2022年、驚くばかりの快晴。いつの間にか、朝焼けの雲は消えていた。清浄無垢、真っ白な雪が太陽の光を反射して、周囲は溢れんばかりに輝き、眩しい。新年早々、古臭い小屋の中でやることもなく、酒で気を紛らせて沈殿していてはつまらない。外の輝く雪原や森が、早く出て来いと誘ってくる。
 ここが悩ましいところだが、気楽に長靴を履いて出掛けるというわけにはいかない。面倒くさいそれなりの身支度が必要だし、特にあの纏足用の木靴に等しいようなスキー靴もどきを履くとなると、靴擦れのできた足が喜ばない。
 前夜のすき焼きもどきに手を入れ、この独り言をしながら考えていたこと、迷っていたことがあった。とにかく、小屋の中で新年早々、笑いばかりを強制されるようなテレビなど見るくらいなら、いくら億劫でも、足が痛いと言っても、外にでる。その点だけは、はっきりとしていた。
 いつもの正月なら、林道を行く人の明るい声も聞こえてきたりするのだが、全く人声などしない。観光や遊び半分で来たり、あるいはスノーシューズやアイゼンを初体験したいとかいう人たちには、この雪は少々荷が重いかも知れない。いや、入笠山の山頂でご来光を拝み、今ごろは暖かい小屋で、その話題に盛り上がっているかも分からない。
 
 時間は徒に過ぎていく。実は少し前から、山を下りようかと考えていたのだ。折角苦労してきてたった1泊で帰るのは、何とももったいない話だが、そうすればこの絶好の快晴を逃すことなく、雪山を楽しみ、満足もして里に帰ることができそうな気がした。もっとそこにいたい、という未練を振り切り帰れば、それが次回に繋がるという言い訳は何度も山や旅でしてきたことだ。
 一度は10時頃にそんな気になった。そして昼近くまで決断しかね、いよいよ気持ちが固まった。(つづく)
 明日は少し用具や、法華道との比較など呟いてみたい。本日はこの辺で。
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