入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     「冬ごもり」 (66)

2020年02月15日 | 入笠牧場からの星空

  「冬の大三角」         Photo by かんと氏(再録)

 昨夜はいつもより少し早め、10時ごろに散歩に出た。少しづつ月の昇る時間が遅くなってきていて、そのころなら冬の星空を眺めながら歩くことができると期待したからだ。入笠牧場とまではいかないが、天竜川の土手から仰ぐ夜空もなかなかの星夜で、そうなるとやはりオリオン座は冬の夜空を飾る代表的な星座であると得心させられた。それに加えて、堤防の上に立つと大きな北斗七星が行く手の北東の空に見え、柄杓の柄の先に微かな赤い点をかろうじて見付けることができた。牛飼座の主星アルクトゥールスである。
 北斗七星が柄杓の形をしていると教えられたのは子供のころだった。しかし、それがどうも英語のthe Dipperに由来しているのではないかということに気付いたのはそれからかなり後のことだ。もっとも今の子供たちには、柄杓などと言っても分からないかも知れない。神社の境内で手と口を清める時に使うぐらいしか用はなくなってしまっただろう。
 と、ここまで呟いて、ずっと和製の柄杓ばかりを思い描いていたのだが、実際は西洋というより米国の柄杓なわけで、西部劇でそんな物を目にしたことがあるような気がするが自信がない。それでも七つの星の並びが柄杓に似ていると言われ、素直にそう思ったわけだから、きっと和製であれ米国製であれそれほどの違いはないだろう。栓をひねれば水が出るような時代ではなかったころは、水瓶に水を貯え、その水を柄杓で汲んで使った。おおぐまざの北斗七星がthe Big Dipper、こぐま座の北斗七星の方ははthe Little Dipperになる。同じ英語圏でも英国ではthe Plough(Plow)が主流らしいが、意味は牛馬が引く「すき」のことで、しかしこれは柄杓ほどピッタリしない。
 この柄杓の椀の部分を延長した先に北極星があることはよく知られている。赤道儀を使う際は極軸望遠鏡をこの星に合わせなければならないが、そういう知識はあってもまだ自分ではやったことがない。かんとさんやT井さんに調整してもらい、三脚を据える目印を付けて、それで済ませている。
 そして、その反対の柄のその先にアルクトゥールスを主星とする我が牛飼座がある。それを知ったのは、多分本物の牛飼になってからのことだから・・・、もうそれもかれこれ13年にもなる。星々を眺めていると、不思議なくらい歳月の経過に思いが行く。

 来週は雪の予報も出ている。
 今年度の「冬季営業」の詳細については、下線部をクリックしてご覧ください。
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