入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ボイジャー1号その後

2013年09月13日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

         
 
  天気:晴れ、気温:25度C(昼)

 牧人と星空は切っても切れない関係にある。そのハシクレとあらば、この入笠牧場の恵まれた天体観測の環境を一人で喜んでいるだけでなく、もっと多くの同好の士にも伝えたい。星が取り持つ縁もある。

 今日某放送局が、ボイジャーが太陽圏を脱したことを大きく取り上げていた。すでにこの件に関する論議は1年以上前から行われていたが(今でも異論・反論はある)、NASAがこの事実を正式に発表したのは今回が初めてだと思う。
 これまでボイジャーは、言ってみれば「冷房の効いていた部屋(=太陽圏)から、冷房の効いてない暑い部屋へ移動する過程の、冷気と熱気の入り混じった出入口にいたのだが、ようやく冷房の影響のない暑い部屋に入ったのだ」と、ある科学者は説明している。この比喩が上手いかどうか分からない。が、ともかくもボイジャー1号は太陽圏から恒星間宇宙に出た「最初の人類の作った物体」、ということになる。
 
 今宵はこのことを祝い、カールセーガンの「コスモス」に流れるテーマ曲でも聞きながら、例の「一日を閉じる祭」をしようと考えつつ記事を読んでいた。なにしろ地球一周の大航海、人類による初の月面着陸、などにも匹敵すると言う人もいるほどだ。

 ところが先にも触れたが、境界線であるヘリオポーズを脱したか否かを決める太陽風,磁場、宇宙線の観測データ等々がどうたれこうたれと、いまだに専門家の間で議論されているらしい。
 しかし、このことはさて措いて(当然手におえない)、ある人曰くより厳密に定義するならば、太陽から遥か遠く離れた彗星も太陽系内に入るわけで、この太陽系最遠のあたりにまでボイジャーが達するには、なんとまだ3万年もかかるのだと! 
 そうだろうよ、ボイジャー1号の速度はおよそ秒速17キロ、一方光は30万キロだ。最も太陽に近い恒星に達するにも、光の速さをもってしても4.3年かかる。ボイジャー1号なら7万年以上にもなるだろう。
 
・・・宇宙はあまりにも広すぎる。ただ意味もなくこれほどだだっ広いのだろうか?

 それにしても、牛の草や水の心配をしていれば済むはずが、なぜこんな途方もない宇宙のことまで気になるのだろう。若いころは、何か哀しい苦しいこと(incl:失恋)があるたびに「宇宙に帰ろう」などと言って、そのことを忘れようとした。しかしもう、本当に若くはない。まぁ、羊飼いとか牛飼いは古今東西、奇人変人が多いらしい。仕方なし、か。
 長々と読んでいただき、ありがとうございました。
 
 
コメント
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