日本を代表するフィンランドのカンテレ奏者、あらひろこさんがお亡くなりになり、ショックで言葉もありません...。
90年代から活躍していたそうですが、私があらさんの存在を知ったのはスウェーデンから帰国後。「あらさんのように集客できるなら」ということを方々で聞き、どんなすごい人なんだろう?っと思いネットで調べたのが最初。カンテレは音も小さく控えめで派手さがあまりない楽器。どうやったらそんなに集客できるんだろう?と不思議に思ったのを覚えています。同時に、あらさんと共演した方からは「それはそれはとてもお美しい方で」と聞いていました。「所作や立ち振る舞い、話し方、演奏、全てが美しい」のだと。
段々と分かってきたのは、あらさんはカンテレを通して自分自信を表現をしていて、そして常に自分らしくあり、その上品で優しい人柄が音の一粒一粒にあらわれてファンや共演する人を魅了していたのだと。
その後、SNSでつながってからは気軽にコメントをいただいて、会ったことがあるかのような距離感を感じていました。実際にお会いしたのは三田の音楽祭と去年の11月。個人的にお話がちゃんとできたのは去年1度きりなのに、ずっと前から知っているような雰囲気をまとった方でした。最初に聞いていた「所作も何もかもが美しい方」もその通り。あの時は、10年以上ぶりに再会したSunnivaとはしゃいでしまいましたが、次の機会にあらさんとゆっくりお話ししたいなと思っていたのに。
日本の北欧音楽の第一人者でもあり、この音楽に関わる方や、私よりもっと濃いお付き合いをされていた方は、皆さん一様に大きな穴があいた気持ちになっていると思います。
小さいころは身内が亡くなると、お葬式をして、法事で集まっては故人を偲んで少しずつ少しずつ残された家族と心を整理をつけて、そうして一歩ずつ進んでいました。
大きくなり、親友を亡くしたり、こうした身内じゃない方が亡くなると、ご家族とはお付き合いがないので、法事などで故人を偲んだり集まる場もなく、心の整理を一人でつけないといけなくなってしまいました。残された家族に伝えることができませんが、すぐに前を向いて気持ちを切り替えることもできないし、ふと手をとめると思い出します。このブログの性質上、宣伝をしたり、違う話題を書いたりしますが、本当は次々と発信する記事のように心は切り替えられません。
今はただ、ずっと忘れない、と言うことしかできそうにありません。