追記:やっと動画をとったのでリンクをはっておきます。この次の記事(2023/1/15)にも曲の奏法について書きました。https://youtu.be/RKllkExwPXo
前回は、お知らせ欄に「伝統音楽とオリジナリティのバランス」という割と濃い内容を書いてしまいました。
続きを書こうと思いましたが、どちらが優れているというものでもなく、誤解なく丁寧に書こうとすると長くなるしどうしようかな~と思って今回はやめておくことにします。書きかけたのですが説明ばかり続き、退屈に思う人が多いかも...と思いまして
さて、レッスンで生徒さんにByss-calleビス・カレの31番を弾きたいと言われました。たまにはYoutubeにあげてみようかなと思っています。(先延ばししないよう、先に宣言...)
この曲は、Wilhelm Gelotte ヴィルヘルム・イェロット(1859-1950)というフィドルとクラリネット奏者が弾いていた曲で、Byss-calleの曲と言われています。スウェーデンでは、WはVの古い形です。ヴァーサ王のヴァーサは、旧式ではWasa(最近だとVasa)とつづります。だからWilhelmはヴィルヘルムと読みます。スウェーデン人っぽくない印象ですよね。元は、Wallon(Vallon)ヴァルーンです。海外からの移民で、17世紀に現在のベルギーにあたる地域から、製鉄関係の労働者がたくさんウップランド地方にやってきました。その後の子孫も鍛冶屋や製鉄所の労働者が多いです。ヴィルヘルムもそうです。庶民ですが、子どもの頃からフィドルが上手で、10歳で結婚式での演奏デビューをしたそうです。軍隊にいた頃はクラリネットを演奏していました。
Byss-Calleの楽譜集では31番目ですが、Anders Liljeforsの楽譜集(1929年)に書かれている曲です。年代からすると、Liljeforsの楽譜からとってきてByss-Calleの楽譜集に入れたのだと思います。
この曲は、弾いていると、フレーズが前に進まずその場で周回しているような?あれ?という感じがしてビスカレらしいです。ビスカレが本当にそう弾いていたのかはわかりませんが、1800年代にオルガニストやピアニストが採譜したビスカレの曲はなぜかそういう感じのものが多いのです。
先に演奏ポイントを言うと、こんな感じです。
・16分音符の滑舌の良さ、ところどころのドゥブル・グレップ(ダブルストップ)
・しっとりめの曲と受け取る人がいるかもしれませんが、ダンスチューンなので「オッタ・ストローク(8の字ボーイング)」と呼ぶスウィング感を消さないこと。
・スレングポルスカのような均等な曲だと思っても「実はポルスカ」感あり。※この曲に限らず、本当に均等なケースはそんなに多くないです。
今、子どもに「オッタ・ストローク」を教えていて、「なんか難しいな、コレ」とぼやきながら頑張っています。PumaのDVDでFriar visaを見て練習中。まだマスターしていない方、一緒に頑張りましょう!
12月中旬まで忙しく、今月中に動画を撮れたらいいなと思っています。
その次にやろうと思っていることがあり、以前、「スウェーデン伝統音楽用語集」というのを作ってウェブにアップしていたのですが、覚えている方はいますか?ジオシティーズのサービス終了に伴い、そのウェブも閉鎖していました(このgooブログもいつかサービス終了するのか!?)。データはどこかに残しているはずなので、どこかでまた公開できたらなと思っています。
お知らせ
12/10(土)lirica&michiko 阪神梅田本店 クリスマスマーケット 催事場 11時30分、14時30分、17時00分(各回20分)
※予定は変更になる可能性があります。