モッチリ遅いコメの距離感

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ルームチューニングのシンプルな部分の理屈

2019-12-11 08:24:03 | オーディオ
 どうもルームチューニングのやり方を間違っていたようだ。

 ふと思ったのがボーカルに付帯音というかエコーがかった感じの濁りがあるなということ
試しに正面のパネルを撤去してみたら一気に澄んだ音になった。調音パネルが逆に悪影響になっていたようだ。
そのパネルをスピーカー側面に設置したところさらにすっきりした感じになった。





 それならばと実験的に背面にもシアター側で使っていたパネルと試しに置いてみた。するとまた最初のような音に濁りを生じることになった。



 ルームチューニングは定在波だったり残響特性であったり、吸音遮音の周波数であったりと様々な理論が存在し、それを否定するつもりもないが、少なくとも自分にとってはそれよりも優先すべきもっとシンプルな理屈が存在するのではないか、そういう考えに至っている。

 部屋の壁は吸音壁でない限りスピーカーからの音を反射している。
つまるところ、壁自体が振動板となってそれぞれの壁がスピーカーの様に音を出している。
吸音させたり拡散させるということは壁の出音機能をなくしたり、その性質を変えることになる。
拡散系のアクセサリーを沢山置いたり、壁から十分距離を離すと音に奥行きが出るのは、正面の壁から発する音が実際に遠くなったり、拡散によって1次反射ではなく何度も反射して残響成分になってしまっているからである。スピーカーが遠くなったようなものなのだから、確かに奥行きが出るのは当然だ。
だからスピーカー背面の壁、つまり正面の壁面をそもそも拡散するべきか、どれくらいするかは好みによるところが大きい。
奥行きをつ付けすぎれば良い物ではないと思うし、近い音の方が好きな人もいる。コンサートホールの前席が好きな人もいるというのと同じだ。
そして拡散するなら扱いは慎重にしないといけない。反射の回数が少ないと、残響成分にならず、直接音の濁りになってしまう可能性がある(自分はその過ちをやってしまっていたようだ)。
逆に反射の回数があまりに多すぎると、それは消音器になってしまい、吸音壁と変わらなくなってしまう。
そもそも残響を作り出すことは正面の壁面でなくてもできるので積極的に正面の壁で拡散させるべきなのかは(少なくとも自分の好みのサウンドを作り上げる過程の中では)その必要性が少し疑問に思う。あえて、定位が敏感で扱いの難しい正面でなくても側面背面で積極的に拡散する方がより理に適っている気もする。
元々スピーカー側はデッドにしたい場合や正面の壁があまりオーディオ向きでは無い中空の壁でその悪影響を排除したい場合などに利用する分には良いのだろうが。

 それならばリスナーの眼前の壁面だけをチューンすれば良いかというと実験的にもそうではないようだ。
音波は距離とともに減弱するのでスピーカーに一番近い背面の壁が一番反射する音波が大きい。そしてその壁面は左右とも存在するので、反射音も左右で音像をステレオフォニックに結ぶ。
スピーカー背面の反射音も結果的に正面から出ている音の様に聞こえるのだ。



 側面の壁はというと正面の壁の様に直接音にあまり影響してくる感じがない。
四角い部屋の場合ではあるのだが、リスナーの方向に向いていないこと、左右の壁が向かい合っていることからか理屈は明確では無いが、素直に反射しても聴覚的に窮屈さを感じるだけで、それなりの面積を消音や拡散させてしまった方が部屋が大きくない場合良いような気もする。
自分は縦長に部屋を使っているというのと、部屋がそこまで大きくないからなおさらなのかもしれない。側面を積極的に反射させてサウンドを作れる資格がない自分としては、拡散効果のあるパネルを置いたところ良い方向に働いたようだ。

 ということで自分の中では正面の壁は素直に反射させたい。その反射音は他よりもより配慮したものにしたいという気持ちになった。
壁は石井式の石膏ボード2枚と突板のボード1枚の組み合わせでコスパが良く、なおかつそれなりの剛性があるのだが、厚い板でさらに補強すれば硬さはもう少し改善できそうだ。正面の壁だけでも施工すれば澄んだ反射音になり、音の鮮度の向上に期待できるかもしれない。
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