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モッチリ遅いコメの距離感

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音響処理と意匠の兼ね合いについて

2021-03-24 13:06:13 | オーディオ
久々に論文を少し漁ってみた。
英文を読むほどのモチベはなかったので去年の和文

音響性能を備えた意匠ディテール
青木 亜美, 司馬 義英, 中川 浩一, 井上 瑞紀
日本音響学会 2020 年 76 巻 9 号 p. 488-494

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/76/9/76_488/_pdf/-char/ja


基本的にはホールのような大空間が主だが、望ましい音響処理をしつつ建築的に優れた意匠を持つ建築に関しての実例を解説している。

一通り見て改めて思うのが、音響処理を行うための内装部分が壁から少し内側にあり、若干の隙間を作っている実例が多いことである。
壁への反射前と反射後の2回影響を与えてくれるので効果が高く、波長の長い低域にも影響を及ぼしやすいからなのだろう。壁自体の処理というより壁付近での処理というのが良い感だと個人的にも思う。
その分室内空間が狭くなるが、うまく折り合いが付けられないかと思う。



前回も書いたように天井の音響処理としてヒントになりそうなものを考えており、そのヒントが現実的に実現した実例がいくつかあったのでピックアップ



天井にコーブ照明を階段状に複数設置し、凹みの部分に吸音材を入れている実例。
間接照明として照明効果が高いだけでなく、階段状になっているためフラッターの起こる周波数が分散してくれる。
そして吸音材も入っているので反射率を抑えられる。
実用性は高そうであるが拡散性はフラッター抑制程度で高くはないか。
天井部分のため大変ではあるが吸音材の着脱は可能なので吸音率を完成後に変更もできる。



天井に木束を多数設置し、それが構造体でありつつ、拡散体でありつつ、照明の一部にしている実例。浮遮音天井が前提の構造体?なので一般住宅にそのままコピーは難しいかもしれないが、拡散体の厚みが大きいのでその分広い周波数での拡散が期待できる。
照明もオシャレではあるが小さいダウンライトで少し眩しくはないか心配になる。
あとは耐震性的に少し不安か。

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