モッチリ遅いコメの距離感

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室内音響かいつまみ

2020-08-07 12:54:39 | オーディオ
飯田 一博氏の学位論文
音像の空間的性質の評価に関する研究

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/thesis/d1/D1001220.pdf


古めの論文ではあるし学位論文ではあるが、かなりダイレクトな内容で実験もしっかりしている。この人は室内音響学の専門家として千葉工業大学で教授になっているようだ。
かなり長い論文だし、分からないところも多いのだが後々のtipsとして使うため、使えそうなところをかいつまみしてメモしておくのが今回の記事。第一筆の時点では完全に読めていないので適宜加筆予定。

第一波面の法則
1~30msの遅れによる間接音は直接音と区別ができない。ASWや音の厚み、コムフィルタ効果によるカラーリングなどに関与はしているが、早期反射音は30ms以内で考えればいいのだろうか。30msは10m程度である。遅れが10m以内の反射音を処理してしまえばRefrection Free Zoneを作れるということか。

ASWは反射音の大きさによっても変化する。
見かけ上の音像の幅(見かけ上の音場の幅もあり区別されているようだが区別が理解できていない。後で読み直す予定)は早期反射音の遅れの程度や両耳間相関関数などによって変わるが、音量の大きさによっても変化する。
 →つまり、一次反射面を半分反射半分吸音の様な構造にすることによってもASWの大きさを調整できる。

ASWの幅は反射音の入射角には依存せず両耳間相関関数のみに依存する。
結局ステレオ再生上は入射角が変わると両耳間相関関数が変化するので、反射音の角度に依存しているということになりそうな気がするのだが、後で再読して確認するためメモしておく。

ASWは周波数依存性があり、低域の寄与度は低い。
ASWの幅は反射音の両耳間相関関数のみに依存する、ということから自ずと分かることではあるが、
低域は回り込みやすく波長が長い分位相が変わりにくいので左右の耳で同じようにい聞こえてしまう。そのため音像の幅に低域が寄与する要素は比較的少ない
それを応用すれば、ASWだけを考慮して反射吸音拡散などの壁面処理をする場合、低域まで処理する必要がないということになる。つまり馬鹿でかい反射吸音拡散の装置を置かなくても効果は期待できることになる。

まだ理解がさっぱり追いついていないのだがこの人の他の論文や著書、同じ部屋の人の論文、参考文献などをあたると欲しい情報が入手できるのかなとは期待している。
コメント
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