「小さな政府(小泉構造改革)」=格差社会

格差問題を中心とした考察 ※コメント、トラックバックは受け付けません

「黒字亡国-対米黒字が日本経済を殺す」 ~三國陽夫氏

2009年01月13日 | 先見性のある人々

三國陽夫によれば、

輸出で稼いだ黒字を日本がドルで米国に預け、日本の利益ではなく米国の利益に貢献している限り、円高圧力もデフレ圧力も弱まることなく、政府・日銀がいくら財政支出や金融緩和というデフレ解消策を講じても、一向に持続性のある効果は現れない」という。

こうした先例として植民地時代のインドで説明されているが、これは大変理解しやすい。

当時、宗主国の英国民がインドからの輸入で生活を豊かにする一方、インドに支払われたポンドは英国に預金された歴史が説明されている。

その結果、英国が経済成長を謳歌した一方で、生産に勤しんだインドの方は慢性的なデフレに苦しんだのだという。

これはまさしくに現在の日米関係そのものである。

こうした先例を学べば、日本は貿易で稼いだドルを貯めずに、自国において使うことで円高圧力やデフレ圧力を避け、自国が豊かになっていけることがわかる。

ところが、貯金を美徳とする個人と同様に輸出企業の多くも貯蓄に励んでいるのが実態であり、馬鹿馬鹿しいことに日本は貧乏になっているのが実態だ。


(所 感)
輸出企業の多くが貯蓄に励んだとしても、現状は円高により大事な貯蓄が不良債権かもしくは目減りし、さらなる輸出攻勢を行うことで、結果としてさらなる円高を呼んでいる。

やはり日本経済にとって必要なことは、内需を振興することであろう。

ドルで預金、または為替介入してドルを溜め込み円高で損をするくらいなら、財政支出をしてでも日本を豊かにする方がマシである。