「小さな政府(小泉構造改革)」=格差社会

格差問題を中心とした考察 ※コメント、トラックバックは受け付けません

偽装、犯罪、事故、自殺多発 ~小泉構造改革の結末~

2007年07月22日 | 小泉構造改革

小泉政権下(2001年~2006年)の構造改革の結果として、さまざまな社会問題が表面化している。

安全性より経済性を優先し、労働者のことより大企業を優先した当然の結果といえるだろう。

よくよく考えると短絡的な規制緩和は、結局、規制強化に繋がるとともにコストは余計にかかるのである。

「改革が成功した」だとか、「小泉人気は相変わらず凄い」など、マスコミは何時になったら、こういった負の結果を認め、軌道修正するのだろうか。

一番の被害者である20~30代の若者が相変わらず小泉を支持しているのもマスコミの影響によるところが大であろう。
それにしても安倍総理の「美しい国、日本」を叫ぶ姿が痛々しい。

耐震偽装問題(2005年) 

→ 阪神震災で多くのビルが倒壊し、建築確認の強化が行われるべきとこ
     ろを、 逆に規制緩和(建築確認 機関の民営化)したことにより起こった
     偽装事件である。
     事件の背景には、バブル崩壊後の不良債権の処理を急いだことにある
      と、経済コラムマガジンの管理人さんもおっしゃっているとおりだと思う。

      生き残りをかけてマンション建設に参入した、地方の建設業者が事件
      の主役である。


偽装牛肉・偽装表示問題(2002年、2007年)

→ 不良債権の処理を急ぐあまりに、より厳しくなったデフレ経済。これに追
     い打ちをかけるようにBSE騒動が起きた。
     雪印食品はもとより、日本ハムといったトップメーカーでさえもが、偽装
      を行い、補助金をだまし取ろうとした悲しい事件であった。 これも企業が
      生き残りを賭けた偽装事件だった。 もちろん、このころ「ミートホープ
      社」はどこ吹く風で絶好調だったのだろう。  
     また最近、大阪において「中国米」「屑米」をブランド米として袋詰めす
      る女社長も登場した。


偽装請負・派遣(2004年~)

→ 日本経団連が「規制改革委員会」「経済財政諮問会議」を活用して推進
     を図った若年労働力の商品化施策。  
    この結末が偽装請負・派遣である。 御用学者「八代尚宏」などは、国際
     競争力を理由に派遣・請負制度を是認する前に、円高を阻止するよう
     な規制緩和を推進しなければならないのに、日本経団連に肩入れし、
     安易なリストラ、日雇い派遣の活用を推進した。


全国初の「PFI方式」刑務所開所(2007年5月地元の山口県美祢市で!)

→ 仕事を奪われ犯罪を犯す人が激増し、刑務所が足りない状況がある。。  
     一方で、工業団地を造成し工場誘致をするものの、円高と構造改革不
      況に泣く自治体が地元にある。   

    こうしたことが全国初の民間ノウハウを活用した刑務所の誕生となっ
      てしまった。   
    罪を犯して刑務所に入った方が良いと考える者が如何に多いことか。  
    治安は悪くなる一方で、警察法の改正や警察官の増員も必要となっ
      てきている。


経済性を優先した為に起きた各種事故  

◆大阪万博公園ジェットコースター事故(2006年5月)   
   理由はただ単に利益を優先したから! 

◆シンドラー社エレベータ事故(2006年06月)  
  行政や公共機関の施設に多いシンドラー社エレベータは「安かろう悪か
  ろう」の典型ではないのか。行政は性能より価格を優先した入札を
  求められていることが問題。    
  橋梁やトンネルも、価格を優先した入札により、実は危険が一杯なので
     はないか! 

◆JR尼崎脱線事故(2005年4月)  
  安全より利益を優先したことは間違いないだろう。過密ダイヤで儲ける
  ためにはカーブでも減速は出来ないのだろう。   
  過疎地の赤字を都市部の利益で埋めるため、過密ダイヤは醜く なった
   のだろう。 

◆埼玉市営大井プール事故(2006年7月)  
  財政再建を求められる自治体は多くの施設を「指定管理者制度」等によ
     り民間委託する例が多くなっている。  
   この事故も、価格を優先した入札により、「安かろう悪かろう」の管理と
     なった結果と言えよう。  
  当該事故を引き起こした業者は、委託の委託、つまり再委託をしていた
     のである。


小泉構造改革の理論的誤り

2007年07月17日 | リチャード・クー氏

リチャード・クー氏は著書の中で、小泉・竹中コンビ構造改革(供給サイドの改革)を推進する上で参考にした1980年代アメリカと、日本との経済環境の違いを分かり易く説明している。

要約すると次のとおりとなる。

【当時の米国の状況】 → 短期金利22%、30年国債利回り14%
(需要>供給でインフレ)  貿易収支は大幅な赤字、ドルは暴落寸前

日本経済の状況】      →  10年国債利回りでさえ1%台という状況
(需要<供給でデフレ)    貿易収支は大幅な黒字、円は常に円高
                                   基調
 

このように当時のアメリカやイギリスと正反対の状況下にあった日本において、小泉・竹中コンビは、需要を大きくするのではなく、供給側を絞っていく暴挙に出た。
これが構造改革の理論的誤りである。

このことに多くの日本人は気がついていない。
経済学者でさえこの誤りを指摘できないのであるから、仕方ないことであろう。


ただ、過去の歴史が語るように、国民の多く何か(この場合「改革」)に熱狂している場合は間違った方向に進んでいることが多いものである。

また、このとき国民を間違った方向に導くのはマスコミ(大新聞、中央テレビ局)である。

例としては 第二次世界大戦」
        「日米安保闘争」
               「石油ショック時の買い占め」
               「金融機関(不良債権)処理」
               「短絡的な規制緩和」
        「郵政民営化」 

などが上げられる。

マスコミは、国民に歯止めをかけるなど役割を果たすどころか国民を煽っていた。


リチャード・クー氏は、「小泉氏の構造改革には恐ろしく非効率な土地利用を是正することは含まれていない」としている。

クー氏によれば、「大胆に土地の有効利用を促進することが今の日本の需要不足を解消する最善策」となるのである。

有効利用を促進する真の構造改革として「建ぺい率・容積率制限」「日照権の問題」「借地借家法」などの規制緩和が挙げている。

確かにこういった真の構造改革がなされていれば、日本は超円高に悩まされることもなく、海外への工場移転や偽装請負といった格差を生み出すような方向へは進んでいなかった可能性が高い。

 「第一章 日本経済が陥っているバランスシート不況より p26~28」


総理大臣になって欲しい政治家~「麻生太郎氏」~ その2

2007年07月10日 | 麻生太郎

麻生氏が説明するマクロ経済学は、リチャード・クー氏「デフレとバランスシート不況の経済学」と同様であるが「合成の誤謬」の説明などは、麻生氏独特の表現方法である。

総理大臣になって、こういった語り口で国民に語りかけていただきたいものである。


麻生太郎オフィシャルウェブサイトの論文
(2007年3月号『資産デフレ不況(二)』)
より引用すると  

◆企業が金を借りず、返済を優先する。これを経済界の用語では「利益
   の最大化をはからず、債務の最小化をはかる」といいます。つまり企
   業は貸出し金利が限りなくゼロに近いくらいに低くても、銀行から金を

   借りて設備投資をしない。利益が出たら、これまでの借入金の返済
   を優先させたということです。結果、何が起こったか。壮大な「合成の
   誤謬」
が発生しました。

合成の誤謬・・・あまり聞き慣れない言葉だと存じます。
   簡単に言えば、よいことだからといって、皆で一斉にやったら、結果
   は必ずしもよいことにはならないという意味です。

   麻生太郎が酒も煙草もゴルフも選挙もヤメタとします。医者もほめる
    し私の体も喜ぶ。妻も赤飯炊いて喜ぶでしょう。
    しかし同じことを日本人が全員でやったらどうなるか。

   全国の酒屋、煙草屋、ゴルフ場、飲み屋、歓楽街が軒並みツブレル
   ことは確実で、失業者は溢れ、結果として不況になる。一人でやる
   ことは問題なくよいことでも、1億2千万人が一斉にやったら大問題
   です。

◆企業が借入金を銀行に返済するのは当然ですが、全企業が一斉に
   借入れより返済を優先
したら、まず金融業は成り立たなくなる。借り
   手の主たる企業が金を借りず、預金する個人が今まで通りだったら、

   銀行商売は成り立ちません。企業の借入金返済が年間20兆も25
   兆円も行われ、個人預金が5兆も10兆も入ってきたら、その25兆か
   ら35兆円がデフレ圧力となるわけです。そうなれば30兆円前後の

   金を借りてくれる人がいなければ、デフレによる大恐慌になります。
   1920年代末にアメリカで起きた大恐慌も、昭和初期の高橋是清蔵
   相下の大不況もデフレ下の不況だったんです。

◆ 今回の場合は、政府がその30兆円の金を国債として借りて来られ
    たから、日本の不況はこの程度で済み、GDPもこれだけのデフレ不
    況下で500兆円を維持できました。

マスコミが何と言おうと、国債で民間資金を年間30兆円吸い上げ続
    けたのは正しい選択だった・・・と後世の経済学者は書くと思います
    が、今現在、こんな異論を言っているのは私の他はあまり知りませ 
    ん。

◆ 今の経済状況は極めて難しいハンドル操作を求められているので
    す。
    安易に財政再建を優先させて、国債の借入れを単純に減額すれば
    景気上昇が持続するなんて単純な話ではないことを「異論」として申
     し上げます。


総理大臣になって欲しい政治家 ~「麻生太郎氏」~

2007年07月09日 | 麻生太郎

先日、外務大臣「麻生太郎氏」のホームページを拝見していて、やはり氏は日本経済の分析と運営が行える数少ない政治家だと確信した。

麻生氏は飾り気がなく、官僚にも人気のある政治家であるらしいが、マクロ経済を理解し、なおかつその説明が分かり易い本音で語れる数少ない政治家である。

ここ最近「構造改革なくして成長なし」など、ワンフレーズ政治が受けまたが、麻生氏のように誰でも理解できるような説明をしてもらわないと、時の総理が本当は何をしたいのか、どういう世の中を目指しているのかは分からないのではないだろうか。


麻生太郎オフィシャルウェブサイトの論文
(2007年3月号『資産デフレ不況』)
より引用すると
 
◆日本の景気回復は「イザナギ景気」を越えて、...そんなのは机上
の話
で現実は厳しい。

◆今回の不況を振り返ってみると、1985年プラザ合意に始まる対ドル
交換為替が240円から120円まで、暴落したのに始まります。

◆当時の日本人の多くは、その金を土地と株に投資したんです。結果
   として土地価格は暴騰し、株価も日経平均38915円まで上がった

   のが1989年12月29日でした。翌年から株は下り始めたんです
   が、土地価格は更に上がり続けました。そこで土地に関する融資の

   規制策が大蔵省によって取られ1991年を境に地価は暴落したんで
   す。これが総量規制という名の、天下の悪法だったと私は確信して
   います。  

◆よくいわれた不良資産、貸しシブリ、貸しはがし、etc。全ての元凶
    この土地価格の暴落に端を発したと私は思っています。

◆そこに竹中平蔵という経済現場の解っていない人の、銀行の不良資
   産一掃策が追い打ちをかけました。結果、多くの銀行は預かってい

   る担保の土地を安くても売却し、企業は資金繰りがつかなくなり、や
   はり安い値段でも資産を売却して債務返済に努めました。

◆この15年余り、多くの企業は借金返済に専念し、利益は銀行返済
   に廻し続け、ついに担保不足による債務超過から脱却したのが一昨

   年末くらいでしょうか。利益を銀行返済に廻さなくてよくなり、 新たな
   設備投資に廻せるようになったんです。

◆こんな前提で経済学を学んだ人も本を書いた人もいません。敗戦後
   初めて異常な形でのデフレ不況が起きているという前提に立って、不

   況対策をやっていないんですから、対策が功を奏さなかったのは当
   然です。


デフレとバランスシート不況の経済学(リチャード・クー著)

2007年07月08日 | リチャード・クー氏

2003年10月31日に初版された、リチャード・クー氏のビジネス書である。

この著を読むことは、大学の講義でマクロ経済に関する授業を学ぶよりも為になること間違いない。

ケインズ経済を学んできた私には人生最高の教科書となった。


著名人等の本書に対する評価(ライナーノーツから)

ソニー会長(CEO) 出水伸之
「本書は、景気後退という日本を長年苦しめてきた重い病に対する画期的な診断書である。リチャード・クーは、日本経済、そして同じ症状に苦しむ国々の経済を独自の角度で解剖してみせる。」


前FRB議長  ホール・ボルカー

「リチャード・クーは強い危機感を持って、日本経済の将来をめぐる積年の議論に斬新かつ不可欠の視点を提供している。」


元内閣総理大臣中曽根康弘

「本書が指摘するように、日本は歴史的な経済実験を挙行しており、その成功は一国のみならず全世界の利益につながる。バランスシート不況に対するクー氏の洞察はまことに深く、未曾有の不況のさなか、この実験を放棄することの危険を政府と国民に訴えるその勇気は大いなる賞賛に値する。」


元ニューヨーク連銀総裁、元米国財務省次官 アンソニー・M・ソロモン

「世界的なバランスシートの毀損-そして90年代のゼロ成長期におけるその重要な役割-」に対するリチャード・クーの分析は、挑発的でありながら説得力に富む。日本の金融システムおよび経済全般の現況を”バランスシート不況”という概念で切り取ったその手際は、あまたのマクロ経済的解釈と明確な一線を画している。氏の分析は、とかく批判に曝されがちな日本政府の財政政策に、興味深いお墨付きを与えることになるだろう。」


『DIE ZEIT』紙(2003年41号)書評
「リチャード・クー氏の今回の著作は、これまで日本経済について書かれた本のなかでも数少ない説得力にあふれた分析の一つになっている。デフレ、マーストリヒト条約、需要政策などをめぐるヨーロッパの議論にとっても時宜にかなった著作である。マクロ経済を勉強するあらゆる人に必読である。」


税源の偏在是正 ~ 「ふるさと納税」に関連して ~

2007年07月07日 | 格差問題

7月4日、読売新聞に「福井県知事 西川一誠氏」の論文が載っていた。


一部を抜き出すと、

「地方圏では、若い人材を育てようと教育や医療、子育てなどに力を入れ、高校卒業までに1人当たり約1800万円の予算を使っている。

だが、育てた子どもたちの多くは進学や就職を機に都会に移り、税金は都会の自治体に納める。生涯の中で行政サービスを受ける場所と税を負担する場所が異なっている。

このままでは、ふるさとの自治体は生き残れず、都会に出て活躍する人材もいなくなる。1人当たり税収額でみた格差は最高の東京都と最低の沖縄県で3.2倍に広がった。

東京都と区には1.4兆円の財源超過あり、福井県の税収の14倍。豊かな財源を
使った東京の福祉サービスの水準は驚くほど高い。.....」


以上の主張は私が「出生率にも地域格差が生じている ~少子化対策~」で記したことを、行政機関からの立場から実感に基づいて説明している。

これに対し、「公共サービスの受益者がその対価として居住する自治体に納税をする受益者負担の原則」に反すると、怒り狂ったのが石原慎太郎都知事である。

確かに「税源の偏在是正」を行うには「ふるさと納税」というシステムではお話しにならないと思うので、私も反対なのであるが、石原慎太郎都知事の場合、そもそもが自分さえ良ければよいというご発想

国政に関与してきた政治家とは思えない、一経営者レベルの人間なのである。

「共存共栄」という言葉を忘れた松下電器産業の経営者と同じレベルである。

「東京さえ発展すればよい(東京だけが発展出来る)」と考えているこのご老体も、日本をダメにした人の一人として後世に名を残すのだろう。


「共存共栄」 ~ 日本人が忘れた考え方

2007年07月06日 | 小泉構造改革

「共存共栄」、
これは私が松下系の企業に入社した際に教えてもらった言葉である。
小泉構造改革が進む中で、日本社会からはこのような考えが失われてくこととなった。

具体的に例を挙げると

 ◆東京が発展すれば、地方が衰退しても構わない
 ◆資本力のある大企業が、資本力のない下請け企業を叩いても構わない
 ◆規制に守られた産業(勝ち組となる)と規制緩和された産業との格差が生まれても仕方がない
 ◆就職氷河期に正社員になりたくともなれなかった若者は努力が足りない。

  など、 自分さえよければ良い、自分の組織さえ守ることができれば良い

 という考えが蔓延してしまったのである。

このような考え方は、構造改革という名のもと、無理矢理に「不良債権処理」を進めた結果とも言えよう。


話を松下グループに戻す。

2003年~2004年にかけて、松下電器産業取締役社長中村邦夫は、関連会社を子会社化し電器産業本体の役員を子会社に送り込んだ上で、連結株主資本利益率5%を達成目標としたのである。

そして目標が達成できないとなると、子会社の中高年社員をどんどんリストラしていった。

特に石油ファンヒーターのリコール費用がかさむたびに、子会社のリストラは激しくなったと聞く。

「企業は人なり」
かつて、そう語った「松下幸之助」は天で泣いていることと思う。
もちろんリストラされた社員、親族などは、松下電器産業憎しであろう。
つまり彼らはアンチ松下になったであろう。

かく言う私も、アンチ松下となり東芝ファンになっている。
いつか松下電器産業は世間からしっぺ返しを喰らえばよいのである。

「偽装請負」や「プラズマ尼崎工場に関する兵庫県からの補助金搾取疑義」などの事実は、松下電器産業が掲げる「企業は公器」「企業の社会的責任」と相反するものである。

短期的な利益に目がくらみ、しかも「自分さえよければそれで良し」という考え方は、きっと長続きしない。

このような独りよがりな企業が他にもある。
それはリストラを先行して進めてきた「日産自動車」であり、この企業もまさに正念場を迎えている。


大幅なリストラ、下請け企業の整理、無茶なコストダウン、系列の破壊....。

ゴーン社長の下で短期的に利益を上げ、マスコミにも持ち上げられてきたが、いよいよコストダウンも限界になってきており利益も上がらなくなるに至り、マスコミも手のひらを返すように批判をはじめだした。

「日産自動車」からリストラされた方々、見放された下請けも、アンチ日産になっている可能性は大だと思う。


   
※「松下幸之助が述べた共存共栄の考え方」

万物がつながりあって成立しているこの社会で、ひとつのものだけが栄えることは、一時的にはありえても決して長続きするものではない。
すべてが共に栄える、共存共栄する、ということでなければ真の発展、繁栄はありえない。


尾身幸次財務相 レベルの低い政治家

2007年07月05日 | 日本をダメにする(した)人々

4月6日に開かれた経済財政諮問会議で、完全週休2日制や有給休暇の完全取得など休暇促進案の実現を求めた民間議員に対し、尾身幸次財務相が「日本をキリギリスの国にしてしまう」と反発していたことが、発表された議事要旨で分かった。

財務相は「みんなが働かないことがいいという考え方は自由主義に反する。国が衰退する原因になる」と述べたらしい。

相変わらず、経済バカの大臣である。未だによくも図々しく経済閣僚をやっていると呆れてしまう。

働いて働いてモノを作っても売れなければ、外国に売るしかないのである。

そして、いずれは円高による輸出産業の海外移転(かつての電化製品、例えばビデオデッキ、ブラウン管TV、オーディオ)、やリストラ、賃下げが行われ、国は衰退という流れが未だ理解できないのか、尾身幸次殿!

東北地方に行って、工場移転により過疎化が進んだ地域の実態を勉強してきたらいかがか。

日本経済の問題点は、リチャード・クー氏が主張するように20兆円を超える需要不足にある。
需要を生むのは企業の投資と国民の消費である。

企業の投資も刺激しなければならないが、需要の多くを生む国民の消費を刺激することが重要なのである。

先進国日本で国民の消費が期待できる分野は、旅行などサービス分野とモノで言うと贅沢品(例えばレジャーボート)。

どっちにしても、お金プラスまとまった余暇があってこそ、はじめて遊ぼう、買おうという気になるもの

休暇促進案を一蹴するなんて、「私はバカです!」といっているようなものである。

甘利明経済産業相も「働くことが生きがい、喜びだという質にも目を向けたらどうか」と言ったようであるが、安倍内閣もろくな閣僚がいない...