「小さな政府(小泉構造改革)」=格差社会

格差問題を中心とした考察 ※コメント、トラックバックは受け付けません

堺屋太一氏の『「ベルサイユ化」抜け出せ』

2007年08月17日 | 安倍内閣

8月17日の読売新聞朝刊1面に、堺屋太一氏の『「ベルサイユ化」抜け出せ』というインタビュー記事が掲載されました。

安倍内閣は小泉内閣とも読み替えても良いと思いました。


要旨は

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安倍(小泉)内閣は能力不足で同時に時代感覚が乏しい。この内閣の体質的な欠点は「ベルサイユ化」だ、つまり「裸の王様」だということでしょう。

ベルサイユ宮殿には王様と取り巻きの貴族や官僚が集まって、贅を尽くした生活を送っていた。庶民の生活のことなど、頭の片隅にもなかった
ここ6年間の自民党政権はこれと同じ状況ということです。

安倍(小泉)内閣は2世3世議員が多く、そのほとんどが、地方に住んだ経験のない東京生まれ、東京育ち

いま、世界中で、最も変わっていない時代遅れの場所は東京で、土地の値段もそこそこ高いし、若い人は集まっている。だから地方都市のシャッター通りや高齢化なんかの実感がない

安倍内閣の再生のポイントは、ベルサイユから出ること。
安倍(小泉)内閣は、世界の文明の変化からも地方の衰退からも孤立している。

日本は大変なお金と権力で東京に集中させているこれをやめなければならない。

族議員はそれぞれの官庁を監視していたが、小泉が族議員を辞めさせてしまった。ゆえに、官僚主導となってしまった。
官僚は官僚機構のための官僚であって、首相のための官僚ではない。

まず官僚依存をやめ、医療、財政、税制等々にそれぞれ詳しい政治家を育てていかなければならない。                               

というものでした。

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最近の読売新聞は「竹中平蔵の代弁」新聞かと思っていましたが、そろそろ自社の「ベルサイユ化」に気づいたのかな、という記事でした。

さて、私自身、安倍内閣の再生のポイントは「ベルサイユ化」(小泉構造改革)から抜け出すことを宣言し、経済ブレーンとして「堺屋太一」氏や「リチャード・クー」氏を任用することだと思います。
(まぁ、これは安倍内閣の成り立ちや、今回の選挙前後の動きからして、到底、望めないことではありますが。)


「地方もバカじゃない」ということ

2007年08月15日 | 安倍内閣

「改革」って何だ、地方の切り捨てか?
改革って言ったって、ろくな世の中になっていないじゃないか。

郵便局は無くなっていくし、役場もなくなり、人も居なくなる。
おまけにいい加減な年金運営。何が成長だ、美しい国だ。

こうした政治を5年も続けてくれば、さすがにお人好しの爺ちゃん、婆ちゃんも自民党を見限ることは当然だった。

「地方もバカじゃない」ということである。
むしろ国の政策の善し悪しが如実に現れるのが地方であって、政治に対する見方については、地方の爺ちゃん、婆ちゃんの方が都会のインテリよりしっかりしているのではないかと思う。

さて、参院選での自民惨敗、特に1人区での大敗を受けて、自民党議員からは「政策面での議論が行われていない」として、次のような反省の弁が出ている。

やっと、このような議論が出るようになったか、というのが率直な感想である。

地方活性化や格差是正のための具体策を検討していくべき

◆「安倍政権が進める規制緩和などの構造改革は行き過ぎだ」などの意見が噴出

◆参院選で惨敗した理由として、「『格差』というものに対する地方の認識と首相の認識にギャップがあった」

◆「改革の見直しというか、共通してみんながもっているのは、市場原理主義がちょっと行きすぎた可能性がある。具体的な政策でどう埋めていくかということを議論しないといけない」

◆「『改革』と聞いただけで、虫酸(むしず)が走る人が地方にはいる。もうちょっと柔軟に、きめ細かく360度の視野で取り組まなければならない」