「共存共栄」、
これは私が松下系の企業に入社した際に教えてもらった言葉である。
小泉構造改革が進む中で、日本社会からはこのような考えが失われてくこととなった。
具体的に例を挙げると
◆東京が発展すれば、地方が衰退しても構わない
◆資本力のある大企業が、資本力のない下請け企業を叩いても構わない
◆規制に守られた産業(勝ち組となる)と規制緩和された産業との格差が生まれても仕方がない
◆就職氷河期に正社員になりたくともなれなかった若者は努力が足りない。
など、 自分さえよければ良い、自分の組織さえ守ることができれば良い
という考えが蔓延してしまったのである。
このような考え方は、構造改革という名のもと、無理矢理に「不良債権処理」を進めた結果とも言えよう。
話を松下グループに戻す。
2003年~2004年にかけて、松下電器産業取締役社長中村邦夫は、関連会社を子会社化し電器産業本体の役員を子会社に送り込んだ上で、連結株主資本利益率5%を達成目標としたのである。
そして目標が達成できないとなると、子会社の中高年社員をどんどんリストラしていった。
特に石油ファンヒーターのリコール費用がかさむたびに、子会社のリストラは激しくなったと聞く。
「企業は人なり」
かつて、そう語った「松下幸之助」は天で泣いていることと思う。
もちろんリストラされた社員、親族などは、松下電器産業憎しであろう。
つまり彼らはアンチ松下になったであろう。
かく言う私も、アンチ松下となり東芝ファンになっている。
いつか松下電器産業は世間からしっぺ返しを喰らえばよいのである。
「偽装請負」や「プラズマ尼崎工場に関する兵庫県からの補助金搾取疑義」などの事実は、松下電器産業が掲げる「企業は公器」「企業の社会的責任」と相反するものである。
短期的な利益に目がくらみ、しかも「自分さえよければそれで良し」という考え方は、きっと長続きしない。
このような独りよがりな企業が他にもある。
それはリストラを先行して進めてきた「日産自動車」であり、この企業もまさに正念場を迎えている。
大幅なリストラ、下請け企業の整理、無茶なコストダウン、系列の破壊....。
ゴーン社長の下で短期的に利益を上げ、マスコミにも持ち上げられてきたが、いよいよコストダウンも限界になってきており利益も上がらなくなるに至り、マスコミも手のひらを返すように批判をはじめだした。
「日産自動車」からリストラされた方々、見放された下請けも、アンチ日産になっている可能性は大だと思う。
※「松下幸之助が述べた共存共栄の考え方」
万物がつながりあって成立しているこの社会で、ひとつのものだけが栄えることは、一時的にはありえても決して長続きするものではない。
すべてが共に栄える、共存共栄する、ということでなければ真の発展、繁栄はありえない。
偉大な人間ですよね。
彼の自伝からは何度も教わりました。