能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
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鉢伏山 ブナの誕生

2010年06月09日 | 鉢伏山
これはブナの芽です。種から生えた新芽です。よく見ると下が双葉になっています。

まだまだ小さいですが、こんな大きな木になるまで何年かかるのでしょうか。

そっと見守り観察しています。

はじめて気が付いたのは5月中旬ごろでした。なんだか小さな芽がよく見ると林床にいっぱいありました。

もしやと思いながらよく探したら、殻をつけたままの芽を発見し、ブナであることが決定的になりました。
実はこれ、今年ならではの光景なのです。

昨年はブナの実の豊作年でした。去年の春はそこらじゅうブナの花盛りでした。
といっても地味であまり目立ちません。これが雄花(雄花序)、

これが雌花、風媒介による受粉です。

秋になると成熟して中にふたつの種ができます。

これがポロッと落ちてひと冬越して芽を出しました。

ところが今年の春先には新芽と同時に咲くブナの花をほとんど見ることができませんでした。
だから今年は不作です。
ブナは5~6年に一度豊作になる他はずっと不作になり、それが広範囲で同様に起こるのです。
もちろん鉢伏山は狭い分布域ですからすべてのブナが同調しています。
個体だけみていても絶対に分からない、種族全体の意志のようなものがあるのでしょうか。
不思議です。