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能登でココロもどる旅

ぶなの森エコツアーのスタッフブログです。
能登の海・山・里で日本の原風景に帰る旅を楽しみましょう。

徳保の千本椿 

2010年03月16日 | 能登 旅の目
珠洲市の外浦側には岬自然遊歩道があり、禄剛崎まで11km続いています。
西の入口に近い木ノ浦岬付近には「千本椿」と呼ばれるヤブツバキの群落があります。

この時期、葉を落とさない常緑樹のツバキは濃い緑色に見えるので分かりやすいです。
1月から3月頃までが見頃です。あっちにパラパラッ、こっちにパラパラッと咲いています。

「千本椿」はその名の通りたくさんのツバキがあるのですが驚くのはその大きさと密度です。

天をつくようなツバキの大木や複雑な枝ぶりの小木が覆う、うっそうとした森です。
徳保神社の神域なので自生するヤブツバキが守られました。

他にもタブノキの大木がキングギドラのような圧倒的な存在感で君臨していました。

ツバキやタブノキは常緑広葉樹林(南の森)の代表的な構成木ですが、
ここにはケヤキなどの落葉広葉樹も混在しています。
複雑な植生を持つ能登の海岸の森の特徴です。

猿山灯台の道

2010年03月10日 | 能登 旅の目
駐車場から猿山灯台と雪割り草群生地までは片道10分の整備された歩道です。

猿山はケヤキ・シナノキの森が特徴的です。
北海道から奥羽地方の日本海の海岸岩壁にできるもので石川県ではここだけ、
これより西にはありません。枝が山側にばかり伸びているのも冬の季節風のためです。

橋の近くに奇妙な木が。エノキでしょうか、へぱりつくようです。

モンスターズインクのランドールみたいです(マニアックすぎたか)。


「逢瀬の谷・悟れじの水」という伝説もあります。

白亜の猿山岬灯台は200メートルの崖上にあります。
そのすぐ先の斜面に雪割草群生地があります。

猿山岬を経由して吉浦から深見まで5キロほどの猿山自然歩道が通っています。
能登半島地震以来、荒れ始めているのが気になりますがすばらしい海の森の道です。

能登の雪割り草

2010年03月08日 | 能登 旅の目
能登半島の外浦の猿山岬には雪割り草の群生地があります。
例年3月下旬が見頃です(この写真は去年の3月18日のものです)。

キンポウゲ科の「スハマソウ」です(オオミスミソウもあるかも)。
小さな花を林床に散らしたように咲く様は可憐です。

群落地はこじんまりとした広さですが小さな花なので見ごたえがあります。

繊細な春の植物。遊歩道から眺めましょう。

ここは断崖上の森です。真下の海から潮騒が聞こえてきます。

今年は3月20~21日に「雪割草まつり」が行われる予定です。
http://www.city.wajima.ishikawa.jp/kankou/yukiwarisoumaturi.htm

門前から皆月へと抜けたら海岸線の道を猿山岬へ進み、道を上りきったら駐車場。
その先の遊歩道を歩いて10分ほどで雪割草群生地へ着きます。
入口で環境協力金として300円を納めます。歩道の整備や盗掘の監視などに使われるそうです。

イカ釣り船の休息地

2010年02月24日 | 能登 旅の目
週末を境に季節が動いたような陽気。ココロもカラダもゆるみます。
海沿いはうららかに春めいていました。


「小木」は日本海全域を漁場とするイカ釣り大型船の母港です。
海が荒れる今の時期、船は港内にイカリを下ろして修理やお色直しをしながら休んでいます。

隣接する九十九湾は天然の良港ですが、たくさんの船が並ぶのはこの時期ならではの光景です。

ウグイの群れのように船が顔をそろえて並んでいます。

レトロな小舟。カッコいい!


シロウトの私でも絵ごころを誘われるような・・・

能登の港町の「異」日常風景でした。

能登柳田の冬景色

2010年02月15日 | 能登 旅の目
能登・柳田はほんとに能登の豪雪地帯でした。
どうやら標高50メートルくらいのところに積雪ラインがあるみたいで
宇出津の沿岸部で雨でもこちらでは確実に雪となります。

雪の里・柳田の冬の美しさを一堂にご紹介。

雪が降るからこそ出会える風景です。

能登事務所の窓から、大箱の冬景色。


黒川付近。


白山神社周辺。


重年・日詰脇付近。



天坂。


笹川。

家の正面、毎朝見る風景。

私はこういう景色の中で日常を過ごせることがとても贅沢だと思っています。
なぜならかつての都会生活では望んでも決して叶えられなかったことだからです。

垂水の滝

2010年02月12日 | 能登 旅の目
真冬の外浦の続き、垂水(たるみ)の滝です。

崖上から直接海に注ぐこの滝は荒海日本海・能登の風物詩です。すなわち・・・

強風によって吹きあがるのです。このように流れがだんだん細くなりついには・・・

本流が霧氷となって崖上に消えてしまいました。
そんな寒風にさらされて撮影していた私は、車というシェルターに逃げ込みましたが
あまりの寒さに暖房全開にしても5分間は動けませんでした。

ここは波の花の名所でもあります。

大量発生していました。波の「泡」状態です。

なんでも植物プランクトンがどうのこうのという発生理由だそうですが、私としては
海草の豊富な能登の海が強烈な波で撹拌されて、海草のヌメヌメが泡と化していると
理解した方が感覚的に合っています。

美しい夏の海と厳しい冬の海。外浦はすごい。能登はすごい。

真冬の外浦

2010年02月10日 | 能登 旅の目
最強の寒気団が入り込んだ冬真っ最中の外浦の姿です。

予報で「波高7メートル以上」の海。丘が盛り上がるように波が押し寄せてきます。

後から後から果てがありません。海風が面で圧っしてきて息がしずらいです。

曽々木海岸の景勝地 窓岩。

南氷洋の捕鯨船か戦艦大和の雄姿のよう。

ついに見た波の花。

ほとんど白の世界で一体化していますが
奥が白い海・途中が積雪・手前が波の花です。
波の花は雪に比べるとちょっとクリーム色です。
泡なので雪だるまのように転がりながら飛んでいきます。

氷のように冷たい烈風が刺し、外に1分といられません。

たしかに荒れた日の冬の外浦は人が暮らすには厳しいところです。
将来「波の花ツアー」を考えていましたが、この寒さでは成立しないかも。

のと鉄道とこどもたち

2010年02月07日 | 能登 旅の目
のと鉄道で穴水から七尾まで小旅行しました。娘の同級生と一緒です。

能登の子ですがのと鉄道に乗るのは初めて!ドキドキしながら切符を買います。

無くさないようにみんなで同じようにズボンの右ポケットに入れました。

先頭を陣取ります。意外にスピードが早くて驚きの歓声が上がりました。

今年はたくさん雪がふりました。冬らしいのと鉄道の車窓風景です。



車掌の山際さんのキビキビした運転の様子。
のと鉄道が好きで東京から移住し運転手になった情熱の人です。

子供達への気遣いも好印象でした。

七尾で街歩き。食祭市場や一本杉通りをぶらりと散策しました。
一本杉通りの入り口のステキな壁画。


高澤ろうそく店。子供達も美しい伝統の和ろうそくに見入っていました。

穴水から柳田へ車で帰る途中でボラ待ち櫓の人に声をかけましたが
真剣に魚影を探しているようで返事をしてくれませんでした(笑)。

さきちゃん、しょうなちゃん、くるみちゃん、るなちゃんで電車ごっこです。

ふらっとベーカリーに立ち寄ってソファでくつろいで”お茶”しました。

おいしいパンとおいしいアイスココアと

楽しい会話。そろそろ「私の好きな人」が話題になる年頃です。

能登で生まれしこどもたちよ、能登で育つこどもたちよ。
能登で遊ぼう!能登を楽しもう!

合鹿椀

2010年01月19日 | 能登 旅の目
能登の漆塗りは輪島だけではありません。
能登の山里の合鹿椀。質実剛健なふだん使いの器です。

能登町(旧柳田村)に在住の木彫刻家・大宮静時さんの作品です。
http://www.ne.jp/asahi/woodcarving/oomiya/
直径14cmx高さ10cmくらいのお椀で高台が大きく分厚く存在感があります。
ご飯はもちろん雑煮も汁物もどんぶりもOK。これひとつで何にでも使えます。
どっしりと手に収まりますが、木からできた器=漆器なので思ったよりも軽い感じです。

これはもう二十年以上も使いこんでいるそうです。
漆器は陶器のように割れて粉々になりませんから修理して使い続けることができます。
素朴な配色・力強い塗り。能登の人の心を映します。


合鹿椀は輪島塗の角偉三郎により評価され脚光を浴びた奥能登の生活の器です。
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2007/0708/index.html

雪が降る

2010年01月15日 | 能登 旅の目
「こんな降り続くがもないわ」
近年は雪が少なかった能登でしたが、今回は地元の方も驚くほどの大雪になりました。
火曜日から降り始めた雪は実質4日間降り続けています。

事務所前の窓の下の積雪は測ってみたら1.1メートルありました。

1階の窓の下まで雪が積もっています。

能登の脊梁を通る主要幹線「珠洲道路」の冬の難所は桜峠付近です。


たのもしい除雪車がフル稼働して幹線道路の交通を守っています。
事務所の前も除雪してくれます。除雪した後はとても走りやすくなります。


それでもこの雪はひたすら降り続けます。そして除雪も雪かきも続きます。

柳田のそば打ち体験

2010年01月07日 | 能登 旅の目
能登町柳田の山間部・黒川にあるセミナーハウス「山びこ」でソバづくり体験しました。
(半年前の6月下旬の話ですから半袖です)


支配人からご指導頂きました。
そば粉8・つなぎの小麦粉2の割合、二八そばです。

ここからスタートです。

そば粉に水を加えて手早くかき混ぜます。水は数回に分けて入れます。
指先にペタペタつきますが構わず素早く!

生地がまとまったらこねます。外から集めて内側へ押しつける、を繰り返します。
「空気を生地から追い出すように」こねるのは陶芸づくりもパンづくりも同じ要領ですね。

それからのします。薄く大きく、丸形から四角形へ。
長いのし棒を上手に回転させながら適度な力を加えて均一に伸ばすのが大事です。

子どもたちにはちょっと難しいので先生が仕上げてくれました。

広げた生地を四つ折りにして細く切ります。

生地を広げるところと麺を切るところは麺の味やのどごしに直結するので丁寧に。
さすが主婦の底力、上手に切りそろえました。

さてお楽しみ。打ち立てそばをその場で頂きました。
大きな漆塗りのお椀に冷たい汁と冷たいそばを入れたシンプルな食べ方。
この辺りでは「ござれそば」と言われています。ツルンとしたのどごしのおいしいおそばでした。

セミナーハウス「山びこ」でのそば打ち体験では吟味されたよい道具を使えることは評価できる点でした。


そば打ちの設備は落ち着ける十分な体験スペースがあるだけでなく製粉機まであって驚きました。
これならばプログラムを工夫して、例えば経験者向けに時間を費やした本格的なそば打ち体験なども可能です。

「ここでしかできないそば打ち体験」を皆さんとご一緒に工夫して実現できればと思いました。

五友宿の住人

2010年01月04日 | 能登 旅の目
抒情書家の室谷さんご一家が正月三賀日、和倉温泉の加賀屋で展示会を行いました。

そのためお住まいの五友宿を空けることとなり、私が代わって住人たちに「エサやり」しました。

住人の松(ショウ)と梅(バイ)です。寒い中でも犬は元気です。


ご主人さまがいなくてさみしかったようで、たいへんなじゃれつきようでした。

他にも住人がおりました。さあおたべ。

展示会は成功裏に終えられたようで何よりです。猫くんたちもひと安心です。


室谷さんご一家の展示会「正月の室礼(しつらえ)展」は引き続き能登空港にて
1月9日~2月4日まで見ることができます。
http://www.noto-airport.jp/notosypher/www/event/detail.jsp?id=762

お正月

2010年01月01日 | 能登 旅の目
あけましておめでとうございます。
今年もよい年でありますように。

さて、わたくし事ではありますが、よい家に巡り会ったので年末年始に引っ越しました。
これまでいた柳田のすぐ隣の笹川というところです。

まだ荷物が散らかっている新居ですが、お正月らしくお酒を頂きお雑煮を食べました。
お酒は「能登純米」http://www.kazuma.co.jp/product/33
宇出津にある数馬酒造の「竹葉(ちくは)」ブランドの銘柄です。
能登に来て竹葉を頂いてから心底「酒が旨い」と思うようになりました。

のし餅(丸餅)は「むらのもちや」http://www.groovy-net.co.jp/noto-omise/mochiya/index.html
素材に徹底的にこだわっていて添加物一切なしで安心、しかも杵つきです。
かわいらしいだけでなくものすごくうまいです。隠し味のかすかな塩味もよい。

やっぱりお餅は昔ながらのストーブで焼くのが一番!

おいしそうなお雑煮になりました。

いただきまーす!

能登の古民家に移ったばかりの我が家のお正月風景でした。

能登 多様な冬

2009年12月31日 | 能登 旅の目
年末年始に雪が降りました。
ほとんどとけていた雪も装いを新たにお色直しです。

能登町の内陸部、柳田の道は圧雪の雪道と化しました。

しかし同日に輪島市門前の外浦を走ると・・・このように全く雪が積もっていません!

そのかわりに風が強くて海は大荒れでした。

能登では相対的に温かい海によって海沿いは積雪せず、一方で山を隔てた内陸部は積雪します。
それもほんのわずかな距離の違いで多様な冬の姿を見ることができるのです。
ちなみに主要道はよほどの大雪でない限りは除雪されています。


外浦の富来の町中でかわいらしい家を見つけました。
きっと家族が帰省してにぎやかなことでしょう。






能登 冬の海沿い 2

2009年12月28日 | 能登 旅の目
ずっと関東地方で育ってきた私にとって、冬は毎日晴天でした。
対照的に北陸など日本海側の冬は雲りが多いことを知っていましたが、
能登で暮らしてそれを生活実感しています。確かに11月半ば過ぎから曇る日が多くなりました。

晩秋の内浦。能登町の恋路海岸と羽根。

曇りの日もまた、自然は美しい。

冬の外浦。輪島市の袖ヶ浜。

海の彼方からやってきた北西の季節風がはじめて陸にぶつかるのが外浦です。
風の強い日は痛いほど冷たい。

冬の内浦。能登町の波並。

海からもうもうと水蒸気が立ち上る「けあらし」が見られます。

北陸の冬は関東のそれと比べてはるかに人の心に密接に影響します。
北陸の人は天候をより敏感に意識しながら暮らしています。
それは自然への感受性を高めているに違いありません。

晴天ばかりであまり制約を感じさせない冬を過ごしている都会の人に、ぜひ北陸へ来て頂きたいと思います。
北陸の自然や暮らしを通して「冬」の多様で豊かな価値に気づく体験となるでしょう。