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だから、ここに来た!

いらっしゃいませ! 英国旅行記の他、映画や音楽、テレビドラマ、演劇のレビューを中心にお贈りしております!

「コリオレイナス」NT Live @Kensington

2014-07-20 | 2014年、英国の旅
■1月30日 続き■

バンケティング・ハウスを見た後、昼食と一休みを兼ねて、
トラファルガー広場近くの"The Lord Moon of The Mall"というパブに。



観光客の利用が多いのか、メニューに各国語の注文の仕方が書いてありました。
このパブは広いので、テーブルナンバーを伝えて料理を注文するようになってます、確か。



私はベタにフィッシュ&チップス、
Sさんの頼んだのは渡英前にオススメされたという"Bangers and Mash"
…ソーセージとマッシュポテトにグレービーソースがかかった、こちらも英国の定番料理です。
飲み物はサイダー。銘柄はLongbow、だったかな。
控えめに見えますが、例によってお腹一杯になります。

この店は地下にトイレがあって、廊下にさっきまで見てきたバンケティング・ハウスや
ホワイトホール周辺の建物の絵が色々飾ってありました。
写真がうまく撮れなかったので、ここには載せられませんが。

この後は、オデオン・シネマ・ケンジントンで2日前に見た「コリオレイナス」の生中継を見る予定。
舞台でも見ているとはいえ、2階からの眺めだったので、
役者の顔がはっきり見られる映画館上映が楽しみで、すっかり興奮していました。

2時間ほどまったりして、17時頃、映画館のあるケンジントンに向かう事に。
トラファルガー・ホテル前からハマースミス行きバスに乗って移動。
ロンドンに何度か来るようになってから、出来るだけバスを活用しようと躍起になる私。
ラッキーなことに、まだ乗った事がなかった新型車両に乗車出来ました。テンション上がったぁ。



イルミネーションに彩られたハロッズをちらり眺めながら、
20分程度でハイストリート・ケンジントンに到着。



駅から西へ、画材屋さんやスーパー等を覗きながら大通りをのんびり歩いていくと、
公園傍の、人通りが静かになってきたところに、オデオン・シネマがありました。



ちゃんとトムヒのポスターも貼ってあります!
劇場をどこにするのか、日本にいる間も散々悩んだのですが、
古い雰囲気のある劇場よりも、とにかくスクリーンが大きそうな劇場を選びました。
この劇場は約400席、ロンドンの最中心部からは少し離れているので、
ギリギリまで悩んでも、余裕を持って席を選べました。



「コリオレイナス」NT Liveは日本でも上映されたので、
雰囲気はご存知の方もいらっしゃると思いますが、
ケンジントンで見た時は、年配のお客さんが多かったです。
てっきりトムヒ目当ての若者が多いのかと思っていましたが、土地柄でしょうか。
キャパシティも大きいにも関わらずほとんど埋まっていて、
NT Liveの上映が世代に関わらず浸透していることに驚きました。

開場後はパンフレットにも載っていたリハーサル写真がスライドショーのように映し出されていて、
ニヤニヤしながら上映を待ちます。



実際映像で「コリオレイナス」を見てみると、生で観るのとでは全く印象が違いました。
前半の、戦闘中の炎や黒い塵が落ちてきたりする演出は、映像では分かりにくくてもったいないですね。
でも役者の微かな表情の変化まではっきりと分かり、
トムヒの演技涙までも、はっきりと確認出来てよかったです。
血糊の量も、舞台の時より多かったような。ライヴ上映用のサービスでしょうか(笑)。

我らがマーク・ゲイティスは、私たちがその前に生で見た時には声があまり出ていない感じがしていたのですが、
NT Liveで見た時は、いつもより頑張って出しているように見えました。
一時期、出演者の中で風邪も流行っていたみたいなので、コントロールが大変ですよね…。
数日前に映画"Victor Frankenstein"の撮影のために剃っていた髭も、
この上映の頃では復活しかけていて「早く生えてこいっ!」と祈ったりして。
(髭面マークが好きだから・笑)

こんな感じで。…あんまり髭見えないですが。

それに、映像だとよりハドリー・フレイザーの発声の安定感にホッとされられました。
あの人はやっぱり声が全然違う…。

劇場で見た時よりも、客席からの笑い声は大きく上がっていた気がします。
生で見ていると観客全体も劇場の空気の中の一つとなってしまいますが、
映画館で見る限りは、役者に影響を与えることはないですから、
いい意味で緊張感がなくて自由に楽しめるかもしれませんね。

上映後は、余韻に浸りながら、あまり乗り馴れていない地下鉄ディストリクト線を使ってホテルへ。
芝居の後、という雰囲気のせいか、
なんとなく下北沢で電車を待っている時のような、切ない気分になってしまった。(笑)



次の日は"2つのベイカー街"と、雨のロンドン名所めぐりです。
コメント (4)
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バンケティング・ハウスでチャールズ一世追悼

2014-07-20 | 2014年、英国の旅
■2014年1月30日 続き■

バッキンガム宮殿からセント・ジェームズ・パークを抜けて、
ホースガーズを通るとバンケティング・ハウスがあります。

前回も書いたように、1月30日はチャールズ一世の命日。
彼は最後の一晩を過ごしたセント・ジェームズ宮殿から処刑場であるバンケティング・ハウスまでの道を、
今回の私たちのように歩いてきたはずです。

ちなみに、私、2012年秋にチャールズ一世の最後の55日を描いた芝居"55 Days"を見に渡英した際、
自転車散歩中に道に迷ってしまい、辿り着いたのがセント・ジェームズ宮殿でした。


↑その時に撮った写真。

その旅でもチャールズ一世にまつわるものを見て回っていたのですが、
宮殿を見るつもりはなく、全く自覚がないままいつのまにか宮殿に行ってたみたい。
陛下の魂に呼ばれたのかもしれませんね。

2012年の秋もバンケティング・ハウスには来ていたのですが、
(その時の記事はこちら。)
今回は命日ということもあり、追悼行事があるということで、もう一度中に入ることにしました。



玄関には柵や入口の上に花が備えられています。
やはりいつもとはちょっと違う様子ですね。



まさに処刑された場所から見上げる窓。

バンケティング・ハウスの入場料は大人£6.60。
15歳以下は無料、学生料金やシニア料金もあるみたいですね。

ショップでお兄さんに入場料を払って、まず地下のビデオ上映を見に地下へ。



一昨年来た時は修理中だったトイレがめちゃくちゃキレイになってた。

ビデオ上映を見た後、音声ガイドをもらうのを忘れたので、
上に向かう前にもう一度売店に寄ったら、スタッフが女性に変わっていて、
ぶっきらぼうにガイドを渡されながら、しばらくは使わないでくれと言われたので、
(ああ、上でちょうど何かやっているんだろうか)
階段を上り、2階の扉を開けると、厳粛な雰囲気で追悼行事が行われていました。

少し扉を開けたところで、中のおばさんから今は入るなと扉をぴしゃりと閉められ、
すっかり心が折れてしまった時、後から来たご夫婦?が同じ様に断られながらも、
中に入れるよう交渉していて、その結果、私たちも行事の最中ではありましたが、
一緒に入れてもらえることになりました。感謝。



部屋に入るとKing Charles the Martyr協会の男性が上のようなしおりを渡してくれました。
中には説教や聖歌の歌詞が書かれています。
観光客に公開されている時間は窓側のベンチのみが置かれていますが、
この日は白い椅子がいくつも並べてあり、
正装した方もいれば、普段着の方もいましたが、協会の人たちが静かに聖歌隊の声に耳を傾けていました。

王権神授説を訴え続け処刑されてしまったチャールズ一世ですが、
やがて、王政復古を迎えることになり、殉教者として捉えられているんですよね。
その英国国教会のクリスチャンとして死ぬという、最後の言葉がしおりの始めにも記されています。

厳かな追悼式が行われているだろうことは知っていたのに、何故か浮かれたニットの帽子を被って行った私は、
かなり場違いな感じになってしまいました。
まさか追悼式中に中に入れるとは思ってもみませんでしたから。



13時半頃まで式典は続き、終了した後は割と早々に解散をされるようで、
聖職者の方々がいくらか残って立ち話をしています。



映像も撮影していたみたいですが、ネット上で見かけたことはないので、協会の記録用でしょうか。



普段は王座が置かれている場所に、祭壇が置かれています。
式典後、この十字架が無造作に袋の中にガサッと入れられていたのが衝撃でした(笑)。



式典で使われていた旗。王冠と斧と一緒に描かれているものが分かりません。
ご存知の方がいればご一報ください…。
この旗も後でヒーターの傍に丸めて置かれていて、意外と雑な扱いをされているのに吃驚。



それにしても、ルーベンスの絵には毎度感動させられます。
バンケティング・ハウスはいくつも部屋があるわけではないので、
見る所といえばこの部屋くらいですが、
それでも、1・2時間いても退屈しないのはこの絵のお陰といっても過言ではないでしょう。



↑天井の絵の周りを飾る花模様のレプリカ。
見上げると小さく見えますが、近くでみると大きい。
音声ガイドを聞きながら、時の流れを感じているうちに時間が立ってしまいます。



1時間近く絵を眺めたり、建物自体を観察したりした後、
階段に飾られた陛下の絵にさよならしてバンケティング・ハウスを後にしました。



外に出たら、さっきの旗や燭台を持ったおじさまがタクシー待ちしてました。
雨で傘も差さずにぽつりと一人車待ってて気になったので、乗り込むまで観察してました(笑)。

次回は、「コリオレイナス」のNT Live上映について。

続く…


【おまけ】
バンケティング・ハウスそばのホワイトホール・プレイスという道には、
ロンドン警視庁本部の最初の所在地を示すブループラークが付いています。
スコットランド・ヤードという呼び方は、
この反対側の道、グレート・スコットランド・ヤードに面していることから付けられたものですよね。
現在のこの場所は、エネルギー・気候変動省になっています。
現在のスコットランド・ヤードはこちら

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