「お願い、私の愛を受け入れて!」「感謝の気持ちを込めてあなたにあげたいの」
今夜、娘のいる前で私が夫に並べた言葉。
夫はいぶかしげに「お前は何を言いたいのか」と問う。
「絶対怒らないでね。怒ったら私も怒るからね」と私。
なんということはない。私が夫の上着とズボンを買い、それを夫に渡す。ただそれだけのこと。
あー、たかがそれだけの事なのに、我が家ではそれは一大事。
夫は「おれはそんなものは要らん」と言って服など買おうとしない。
買ってくると機嫌が悪く「お金の無駄遣いだ。返してこい」と言う。
見るに見かねるような服を平気でとことん着る。
明日、夫が1泊2日で研修旅行同窓会(?)に出席する。
放っておくとどんな格好でいくか分からない。
もう10年以上服を作っていないのだからまともな服は持っていない。
しかし「買おう」と言えば夫は絶対拒否する。
もう強硬手段をとるしかない。
既成事実を作らねば・・・。
礼服だけは数年前作り替えたものがある。
それを持ってお店に行ってサイズを合わせて勝手に注文。
それを今日受け取ってきた。
普段あまり夫の顔色をうかがうことは無いのだが今夜は顔色をうかがい渡すタイミングをはかった。
そして「今だ!」とばかりに下手に出て・・・最後は脅して、買ったものを渡した。
案の定「そげんもんはいらんのに。服は持っちょる。返せ」と夫。
「ちょっと着てみて。あら、良く似合う」(ひるまぬ妻)
「どうしたんか。あれ、もう名前もはいっちょる」(夫)
「古希のプレゼントにするから受け取ってね。名前も入れてもらってるからもう返されんのよ」(強引な妻)
「お父さん、その服似合うよ。明日、それを着て行くと良いよ」(タイミングよく娘)
徐々に夫の頑なさがとれていく。
そしてしまいには照れくさそうに「あ・り・が・と・う」
ちょっと嬉しそう。
あー、夫の服を新調するのに我が家一騒動。
無事上着とズボンを引き渡すことができた。やれやれ。