夕陽なのか夕日なのか（2021北海道no11）

　日の出はひとりだけでの鑑賞でしたが、今度はみんな揃って夕陽を眺めに出かけました。日の出に次いでまたまた絶景に出会えるのでした。

　今朝立ち寄った「時空翔」に再びやってきた。ちょうど黒曜石の慰霊碑のくぼみに夕日が落ちてゆくときでした。ここには三脚を構えたカメラマンと私たちだけの空間。カメラの男性から、ここから写しなさいとアドバイスいただいて写したこの写真。ぴったりはまりました。

 

　東京で個展も開くという島在住のカメラのひと。「こんな景色の時あまりないんですよ」とおっしゃる。時として色は違う、ほぼ毎日ここへ通うとのこと。撮影には根気が第一、もろもろの撮影術講義を無料で受けるのでした。少しはその術盗めたかな。

　この島出身の詩人麻生直子さんの詩があった。・・・「憶えていてください　青い潮風の浜辺の町で　すこやかな心とからだをもった人びとが　ていねいに生きていた一日一日を」・・・もう一節ここに写しおきたい・・・「一瞬の大地の鳴動が　破壊つくしたあの夜の津波の怖ろしさ　連れ去られた家族たち　悲しいその光景に失意して　未来を拒んだりしないでください」 そして「あなたの一日一日をこのままでは終わらせないでください」 と胸打たれるつづりが続きます。

 

　刻一刻と変わりゆく色と影。「この移ろいがいいんだ」とカメラマン氏。いろいろお話した。ニコンのカメラと一緒にご本人を写させてほしいとお願いしたら「わたしプロなんで」とお断りされてしまった。でもお名前は教えていただいた「宇苗満」さん。検索してみたら奥尻島のきれいな写真もいっぱい出てきた。

 

　もう太陽は海のあちらへ行ってしまった。