前々から奈良線の車窓から見えていて気になっていた国道24号線木津川にかかる泉大橋、この橋は現在では貴重になってきた下路カンチレバートラス橋です。
泉大橋は1950年にかけられていますが、現在でも現役の国道橋としてかなりの交通量があります。橋長383.6mで9径間で、当初から国道の橋として建設されたので一等橋で、2車線分あり、現在でも十分に通用しています。

カンチレバートラス橋とはゲルバートラス橋とも言い、片持ち橋の事で橋桁の接合部が橋脚にない構造のトラス橋のことです。
その中でも、独特の形を持つのがこの下路カンチレバートラスで、橋脚の上側に独特の突き出したトラス部分があります。

写真の色の変わった部分は、橋脚と接しない独立した橋桁になっていて、固定の橋桁から接続されています。

これはその中間部の橋桁の拡大。カンチレバー部分との接合が見られます。
カンチレバートラス橋は有名なフォース鉄道橋や港大橋のような大規模橋もみられ、一時期は盛んに作られましたが、現在は架替が進み国内では20橋ほどが残っているようです。
ところで、戦前からこのクラスのワーレントラス橋や、下路アーチ橋、下路ランガー橋などが建設されており、カンチレバートラス橋が選択されたのは、何らかの意図があったのかと思えます。
撮影 2012年3月24日
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