京都市バス独特の言い回しに「まで」があります。これらはいずれもそのバス停までの運行を意味していますが、数パターンがあります。
1.循環系統
循環系統の場合、起点終点は一応ありますが、多くは通しで運転されるため、途中で入庫する場合、幕に「まで」と表示しています。
この206系統の場合、北大路バスターミナル内にある烏丸営業所に入庫するため、このように「北大路バスターミナルまで」と表示しています。
これ以外にも201系統「みぶまで」、202系統207系統208系統「九条車庫まで」、203系統「錦林車庫まで」、204系統「北大路バスターミナルまで」などがあります。北8系統も200番台の系統と同じ循環系統で、入庫の場合は「北大路バスターミナルまで」と表示しています。北8系統の場合、北大路バスターミナルをまたいで循環する便の方が少なく、大半が北大路バスターミナル入庫だそうです。
206系統は、北大路バスターミナル~北大路通~東山通~京都駅~大宮通・千本通~北大路通~北大路バスターミナルというルートですが、東側と西側で乗客数に差があるため、利用客の多い東側の北大路バスターミナル~北大路通~東山通~京都駅の区間便が多数運転されています。京都駅は入庫ではないのですが、こちらも「京都駅まで」と表示しています。
ちなみに2014年の更新前の206系統の区間便の幕は、206の部分の色が反転していました。
2.循環系統以外
循環系統以外の入庫や、途中で折り返す場合も「まで」が使われます。
この81系統の場合、京都駅~中書島~横大路車庫の系統ですが、一部は中書島(正確には京阪中書島・伏見港公園行き)で折り返します。このように「中書島まで」と表示しています。区間便の場合も、循環系統の入庫と同じように「まで」が使われます。
このパターンには、5系統の「修学院道まで」や3系統の「京都外大まで」、急行104系統「京都駅まで」などの例があります。
3.例外その1
区間便で「まで」が使われた例のうち、2001年から2005年まで設定があった5A系統京都駅~銀閣寺の区間便、通称「青5」も「銀閣寺まで」と表示していました。
しかし、5A系統は銀閣寺で入庫せず、そのまま17系統になり、京都駅まで戻っていました。入庫や区間便ではない、「まで」は5A系統が唯一と思われます。
5A系統設定以前は、循環系統などの途中入庫や区間便は方向幕が「入庫」だったのですが、5A系統は入庫ではないので「まで」が採用され、それが循環系統などにも波及したらしいのです。
反対側の17系統は5A系統との連結運転をしていた時期は、幕に「銀閣寺」とだけ表示し、「まで」は無かったのですが、2005年以降5A系統との連結運転が解消された後は「銀閣寺錦林車庫まで」と表示して運行してました。誤乗防止のため、錦林車庫前より先に行く便が無いにも関わらず「まで」が表示されたわけです。
また5A系統を受け継いだ、57系統(2007年廃止)も「南禅寺永観堂錦林車庫まで」と17系統と同じように、区間便でないにも関わらず「まで」がありました。
2014年の方向幕を新調したときに17系統は「銀閣寺錦林車庫」が行き先表示なり、「まで」が無くなりました。
4.例外その2
こちらは「まで」が使われなかった例です。
南5系統は従来京都駅~師団街道~竹田駅の系統でしたが、一部が入出庫のた横大路車庫まで延長されました。以前は特81系統の区間便扱い(実はこれも幕には「竹田駅まで」と表示していた)だったのですが、南5系統の延長に変更されました。
ただ、幕は「稲荷大社・竹田駅」と「稲荷大社・竹田駅・中書島」で、竹田駅行きには「まで」はありません。竹田駅行きと入庫のため横大路車庫行きがある急行105系統も同様のようです。
従来の路線を入出庫のため横大路車庫まで伸ばした関係で、「まで」が付かなかったようです。
5.205系統
若干事情が異なるのが205系統。205系統は九条車庫~京都駅~河原町通~北大路バスターミナル~西大路通~京都駅~九条車庫のラケット形の運行となっています。九条車庫発着で、他の200番台の系統と異なり、完全な循環系統ではありません。京都駅の手前で「九条車庫まで」という幕を表示しますが、当然途中入庫ではなく、205系統は九条車庫よりも先に行く事はありません。他の循環系統の入庫に合わせて「まで」が使われいるようです。
205系統は九条営業所以外のバスも臨時便や代走として運転されることがあります。入庫のため九条車庫まで行く必要ないので、京都駅が終点になりますが、当然ながら「京都駅まで」と表示しています。九条車庫行きは河原町三条を出ると「京都駅」と表示していますので、「京都駅」と「京都駅まで」という間違い探しのような状況の幕になります。
なお、京都駅で折り返す205系統の代走や臨時便は、206系統と同様に「北大路バスターミナルまで」となるものもあります。