ここ数年の訪日外国人観光客、いわゆるインバウンド需要の恩恵を最も受けた事業者が、京都市交通局ではないでしょうか。
10年ほど前は、財政健全化計画が言われていましたが、観光需要が増えて、この5年で50両もバスを増車しました。それでも、需要に追いつかず、混雑緩和のため、乗降方式の変更を検討することになりました。
具体的には均一系統のみ、前乗り運賃前払いの都営バスや名古屋市バスと同じ乗降方式にするようです。
前降りでは中ドアよりも後ろの乗客が、降車時に車内を通り抜けしにくいため、運賃前払い後降りの方がスムーズに降車できるためと言われており、昨年2017年10月に急行100系統で社会実験が行われ、その成果から混雑緩和に効果があると判断されたようです。運賃前払いだと、終点や降車が多いバス停で、前ドアと中ドアの両方を開けて、2つのドアから短時間で降車できるので、こちらの効果のほうが前乗り化の大きいかもしれません。
もう1点、嵯峨嵐山地区と修学院岩倉地区、上賀茂西賀茂地域が均一運賃化されたため、8系統や洛西地区からの系統を除いて、市中心部を走る整理券系統がほぼなくなったのも大きいと思われます。数年前なら5系統や28系統、93系統など均一区間を調整区間を走る整理券系統が、多く走っていたので均一系統の前乗りは導入自体が難しかったと思われます。
それで、2017年度の新車が3月に納車されましたが、これらはすべてこの前乗り構想に対応しており、側面の幕が中ドアの後ろから、前ドアと中ドアの間に移っています。
まずは多数派のエルガ、3485~3490・3495~3498・3503~3514・3518~3521・3528~3531・3535~3540の36両が烏丸営業所以外に導入されました。京都市伝統のセイフティウインドウも設置されています。
烏丸営業所には3年連続でエアロスターが入りました。3525~3527・3532~3534の6両で、こちらも幕は前ドアと中ドアにあります。
ところで、肝心の京都市バスの均一系統の前乗り化ですが、実施時期はまだ決まっていません。
撮影 京都駅前 2018年8月12日