たまうら－玉占ー 星乃あかり

橋のたもとに
神出鬼没に現れる老婆

どんな望みもかなえてくれるという占い師

そばには
大福餅のようにまるまると太った白猫と
青い模様の描かれた白い大きな壺

壺の中にはいろんな玉が入っている


☆思いを寄せる男に縁談が来た
諦めきれないおみつが老婆からもらったのは
えにし玉

☆一膳めしやで働くおこうは
働き者なのに縁がなく
お店では一番の年増になってしまった
占い老婆に好かれ玉をもらった途端
いろんな男に声をかけられるようになった

☆俵兵衛が仕える若殿が好いた相手には
許婚がいた
なんとかならないかと
占い師のところへ行くよう命じられたが
老婆は俵平衛に肝っ玉を渡す

☆小間物屋の一人息子正太は
商売人の息子でありながら
物覚えが悪く
お得意様の名前や家など
大事なことをことごとく忘れてしまう

その日も届け物の途中で道がわからなくなり
迷っていると
占い老婆に出会い
覚え玉をもらう

その日から
正太の記憶力は素晴らしいものになる

☆団子屋の手伝いをして
何とか生計を立てている老婆のトメ

偶然出会った占い老婆から
あきあき玉をもらう

持っていれば
あきあきするくらい金が入るという玉

それからトメの元には
面白いように金が入ってきた


占い老婆から玉をもらうと
いい思いもするけれども
結局は玉の力を借りずに
自分にとって本当に大事なことは何なのかを
気付かされる

もらうと書いたけれども
正確には貸してくれる
成功した場合の金額が半端ではないのだ

評判がよく
大金で貸すのに
なぜか身なりはいつもボロボロ

極楽にも行けず地獄にも行けず？
不思議な占い老婆・・・