トライアングルの部屋

シニア街道をゆっくり散歩中
本読んで
映画観て
時々おでかけの記録も
仙台在住で大の阪神ファン

ビンボーの女王 尾崎将也

2017-11-26 13:31:50 | 本 2017年

テレビ局のADとして働いていた立花麻衣子は
仕事のきつさと
厳しい上司の元で一生懸命働いていたが
一つのミスがきっかけで
衝動的に自分から辞めてしまった


クラッシャー上司
部下のミスを執拗に責めたり
暴言を吐いたりして
鬱による休職や退職に追い込むなど
その言動で部下を次々と潰してしまう上司のこと

女友達の家に
間借りしていたのだが
そこも友達が彼氏と一緒に住むことになったと
追い出される

さらにさらに
母親が書類を偽造して
勝手に麻衣子を
借金の連帯保証人にしていたため
督促にあう

金額は130万円だったが
せめて1万円でも返してほしいと
言われ
つい1万円だけ払ってしまうと
それで無権代理行為を追認
したことになってしまう

つまり母親が偽造した連帯保証を
認めたことになるってことだよね

ついやってしまいそう
無知とは怖い

そして
なけなしの持ち金から
20万も払ってしまい
友人の家を出てから
住みかとしていたウィークリーマンションも
いられなくなる

就職活動をしようにも
携帯の料金が払えず
電話が通じない



(しかし電話は止められてもWi-Fiがあれば
ネットやメールは使えるらしい)

ネットカフェでは
住所もない

蟻地獄の完成と表現されている

麻衣子はティッシュ配りをして
日当をもらい
それでネットカフェのお金を払って
なんとか暮らすことにした

明日はどうなるかわからない毎日

そのネットカフェで
人質たてこもり事件が起き
麻衣子が人質になってしまう

ところがその犯人が
麻衣子の身の上を聞き
同情して
立花麻衣子さんの
貧困問題をなんとかしろ
それが条件だとか言いだす

そんなこんなで
超有名人になってしまった麻衣子

しかしその後もいろいろあって
ホームレスとして
段ボールに住む身となってしまう

そこで麻衣子は
AD時代に学んだ撮影の技術を生かし
YouTubeに今の生活を投稿することにした

さてさて
今の生活から
抜け出すことはできるのか?


若者の貧困
いろんなケースがあると思うが
人質は特別として
いつ誰の身に起こってもおかしくない問題

電話がない
身分証明書がない
住所がない

いつも当たり前のようにあることが
なくなる恐怖

見えないところに貧困は隠れている


著者の尾崎将也さんは
「梅ちゃん先生」などの脚本も手掛けていて
これが初めての小説

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ゴッホ 最期の手紙 | トップ | ジャスティス・リーグ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本 2017年」カテゴリの最新記事