ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

<岡山突き落とし>少年とアスペルガー症候群の報道 2

2008-04-30 19:59:18 | 番外
<岡山突き落とし>事件は、
少年がアスペルガー症候群だから、
おこったのでしょうか?

定型発達の子であれば、
おこらなかった事件なのでしょうか?

同じような事件は、どうすれば防げるのでしょう?

今回の事件の原因のひとつとも言える
アスペルガー症候群の子が、
進学したり就職したりする際の困難は、
どうすれば解決するのでしょう?

この事件には、悪意というより、
幼さや考えの足りなさ、
認知のゆがみ、
衝動性などが、恐ろしい結果に直結してしまったことからして、
「アスペルガー症候群の子が事件をおこしてしまった場合
どのような事件になるか?」
というひとつのサンプルにはなると思います。

でも、それならば、
「定型発達の子が事件をおこした場合は、
どのような事件になるか?」
というのも、考えてみなければなりません。
現在、普通の少年たち(少女も)による
凶悪な犯罪は後を絶ちません。
また、さまざまな詐欺事件に少年たちまで手を染めていることは、
多くの方が報道で目にする事実です。
それらは、アスペルガー症候群の子ならおそらくおこさないであろう
犯罪です。

そうしたことから判断すると、
犯罪のおこった背景を良く調べ、
どうすれば犯罪をおこさずにすんだのか?
今後の課題は何なのか?
ということを、
アスペルガー症候群の子のおこす問題に対しても、
定型発達の子のおこす問題に対しても、
しっかり考えていかねばならないことは 事実です。
でも、報道が、人の命が関わった事件を
ゴシップ記事のような取り上げ方で、
読者の興味をあおるのは いかがなものでしょうか?

学びたい、働きたい、という
健康に成長したものなら誰もが持つ願望に、
社会が適した場を提供していない場合、
それが犯罪の温床となることは、大いに考えられることです。
そうした基本的な要求が満たされないとき、
心が不安定になることは、
発達障害の有無に関わらず、
人間の性質です。

「アスペルガー症候群」という言葉が、
多くの方の注目を集めている今、
「アスペルガー症候群」の方々の就労について、
真剣に議論されることを望んでいます。

 
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<岡山突き落とし>少年とアスペルガー症候群の報道 1

2008-04-30 10:02:40 | 番外
JR岡山駅のホームで、3月25日夜、38歳の男性が18歳の少年によって、
ホームに突き落とされました。
捜査段階の簡易精神鑑定で、
事件を起した少年は「アスペルガー症候群」と
診断されていたそうです。

アスペルガー症候群は広汎性発達障害の一種で、
コミュニケーションや共感性などの対人面や社会性に困難があります。
また物事に固執する傾向もあります。
集中力や記憶力で優れた能力を発揮する人もおり、
犯罪傾向とは無関係とされています。

この犯罪傾向とは無関係!!
という部分、簡単にスルーされがちですが、
とても大切なポイントだと思います。
実際に身近にアスペルガー症候群の方と接している人は、
その人となりが、敬虔なクリスチャンや、自分の学問しか頭にない学者のような、
犯罪から縁遠い印象を受ける場合が多いと思います。
そして、現実にほとんどの方は、
独特の硬さや生きにくさを持ちながらも、
犯罪とは無縁で暮らしています。
それに、世間を騒がす事件を起してしまった人や子らも、
それまで外に向けて反社会的な行為をしてきたわけではありません。

その犯罪のおこり方は、
最近の自殺が周囲を巻き込んでしまうというケースにとても似ています。
自分のストレスを上手に発散できずに
追い込まれた子どもが、
自殺者の投げやりで自分しか見えない心理状態と似たような状態になって、
凶悪な犯罪に手を染めてしまう…という形です。

そこには、確かにアスペルガー症候群ゆえの、
ストレスを受けやすいという事情や、
ストレスの発散の仕方がわからず、むしろ一部に固執してストレスを増大させてしまう心のあり方や、
自分しか見えない状態になったときに、
どこまでも突き進んでしまう性質は、
多少なりともかかわっているとは思います。

しかしだからといって、アスペルガー症候群と犯罪を安易に結びつける
最近の報道のあり方はどうなのか…?
なんだか釈然としないものがあるのです。


長くなったので、次回に続きます。
 
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