ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

元禄、そして九段下

2006年10月15日 | NATURA

国立劇場開場40周年記念「元禄忠臣蔵」(真山青果・作)。

全10篇の連作になる新歌舞伎の大作を、3ヶ月がかりで全編通し上演するという壮大な企画。
連作中の「御浜御殿綱豊卿」と「大石最後の一日」は単独でもしばしば上演されるが、その他は殆ど見る機会の無い演目。いちおう通し上演の形で出された前回は19年前、昭和62年4月歌舞伎座(当時私は大学生であったが、吉右衛門、富十郎、孝夫、歌右衛門らによる名舞台は今でも印象に残っている)。この時は昼の部夜の部通しての上演であったが、それでも全編出すのは時間的に無理で、10篇中6篇が舞台にかけられた。つまり19年前の歌舞伎座でも上演されなかった4篇、「第二の使者」「伏見撞木町」「吉良屋敷裏門」「泉岳寺」は私もまだ見たことがないわけで、今回のシリーズは大いに楽しみ。
そもそも今回は「史上初」全編通し上演と銘打たれてるわけで、戯曲が書かれてから(昭和9年~16年に発表)長い年月を経てのようやくの実現であると同時に、もう二度とこんな機会は無いかもしれぬほどの貴重な公演なのだ。
その期待感からか、忠臣蔵劇のファンのもとよりの多さからか、国立劇場にしては珍しく今月は連日満員、チケットすべて完売の盛況。

今月上演される場は「江戸城の刃傷」「第二の使者」「最後の大評定」、つまり松の廊下から城明け渡しまで。
大石内蔵助=中村吉右衛門、浅野内匠頭=中村梅玉、井関徳兵衛=中村富十郎と適役を配し(このお三方はさすがの上出来)、東蔵、彦三郎、歌六、歌昇、由次郎、桂三、松江あたりが二役受持っての奮闘(役者の人数より登場人物が多いので)。
真山青果劇と言えば、何よりも科白、科白、言葉の応酬、言葉の対決、言葉と言葉がぶつかり合って生み出す熱気、緊張、ドラマを動かす力。台本の一字一句が作者の熟考のすえに選ばれた動かし難い言葉であるからして、演じる方も見る方も気が抜けない。ときおり瑕疵があったとはいえ、全体的には観客にきちんとメッセージの伝わる、セリフの力による感動を与えられる、満足のいく出来だったと思う。

それにしても男ばかりの、男臭い芝居。女形は、科白のある役では内蔵助の妻と潮田又之丞の妻だけ。男達が人生を賭して主張しあい、真情を顕し、男泣きに泣く、号泣する。それを観客がもらい泣きする・・・。
あ、こんなこと記して、お涙頂戴の俗な芝居と誤解されるといけないな。
「元禄忠臣蔵」は読む戯曲としても大傑作だと思う。雄大なる構想。隙のない、周密な構成。全編を貫く重厚感、緊張感、迫力。珠玉というべき科白の格調。行き届いた時代考証による説得力。全編通してのテーマである、情と誠の純粋な形の追究(作品の書かれた時期もポイント。文学者としての時局への抵抗、叛逆の思想が確かにある、と恩師N教授からも伺ったことがある)。
時代劇や歴史小説などが好きでお暇な方は読んでみては如何。
岩波文庫版は入手も容易でしょう。

「元禄忠臣蔵 上巻」
「元禄忠臣蔵 下巻」


さて、終演後はお堀端を歩いて九段下へ。きりん舎が御馳走して下さるという。誕生日のお祝いとのことだ。ありがたや。
金大中拉致事件やドラフト会議やNゼミ謝恩会やニガイメ家披露宴のあった某ホテルにて、「夕食ブッフェ」つまり食べ放題、美味さに定評のあるホテルでのもろもろの料理が食べ放題だ。ついでにデザートも充実だ。幸せなことだ。


camera: Fuji NATURA BLACK F1.9  film: Fuji SUPERIA Venus400

土曜日だな

2006年10月14日 | Pentax K-mount

てきとうな土曜日。用事といえば服を受取りに街へ出た程度。
スーツはいつも池袋・都民共済プラザのイージー・オーダー。2万円でまともな背広が買える。かなりお買い得。寸法のデータは登録済みだからめんどくさくないし、安心。最近はそこでしか買っていない。

今季初すじこ。すじこは好物だ。鱒ではなく鮭が、醤油漬けではなく塩漬けが断然良い。
牛肉と茄子の炒め物も旨く、今日も大食い。


camera: Pentax K1000 + FA43mmF1.9 Limited  film: Fuji SUPER100

きのこる

2006年10月13日 | NIKON mini

昨日、今日と仕事は思わぬ停滞。ま、来週来週、と。

会社に来るお客さんから、キノコいただく。
ハナイグチなるものを下さるとのことだったが、どうやらそれはモノがなかったらしく、
恐縮しながら代わりのキノコを。
クリタケとキシメジ。それもまた良し。
クリタケは鶏肉と煮てみたらまことに美味なるだし汁となったので、うどんを投入して食らう。
キシメジは翌朝の味噌汁に。

キノコは調理法次第とも言える。特に天然物は。要勉強だな。


camera: Nikon AF600QD (Nikon mini)  film: Konica JX400

れくいえむ

2006年10月11日 | Pentax K-mount

飯守泰次郎指揮東京シティ・フィル、定期演奏会。オペラシティにて。
モーツァルト・イヤーってことで、「レクイエム」をやるぞ。
声楽入り大曲には特に強い飯守氏だけに(要は“燃える”わけだ)、これは楽しみ。
その前に交響曲第39番。よく透んだ、軽い弦の音で一曲を通した感じ。モーツァルトの晩年様式を意識したのか。飯守&シティのコンビにしては(といったら失礼か)、デリケートなニュアンスを楽しむべきタイプの演奏で、それは成功しており、好印象。
「レクイエム」は、予想どおりではあったが、交響曲から一転して振幅の大きい、主情的解釈を顕した演奏。といっても大味にはならず、ニュアンス付けやパート間のバランスへの配慮はかなり細かいものがあるようで、オケも合唱(いつもの東京シティ・コーアだ)もよくそれに対応できていた。踏み込みの深い、思い入れの強い表現をしても外枠の崩れない構築感が魅力。
独唱者も揃っていて良かった。特にソプラノの星川美保子。
今日のコンサートも“当たり”だったな。思うに私は飯守氏の作り出す音楽とは呼吸が合うんだろうな。

(写真は先日の満月を、ベランダから)


camera: Pentax MZ-3 + Sigma 15mmF2.8 EX Diagonal Fisheye  film: Konica CENTURIA SUPER100

快晴!

2006年10月09日 | Pentax K-mount

ほんとに雲ひとつ無いや。こんな日は散歩だ。
が、ちょっと暑かったし、プレーオフも気になるので、小一時間で帰宅。
プレーオフは点差がついちゃったからな、昨年一昨年のようには面白くなかった。もう後がないんだから、涌井、小野寺らをがんがん投入すべきだったよ、やっぱり。

今日もよく食った。キムチ鍋。


camera: Pentax MZ-3 + FA20-35mmF4  film: Fuji TREBI400

十月大歌舞伎

2006年10月07日 | μ2

歌舞伎座・夜の部。

「忠臣蔵、五~六段目」。仁左衛門の勘平が傑作。絶品。本日はこれに尽きる。
一見東京型のやり方のようだが、随所に独自の工夫がある。
五段目、きちんと糸に乗っ芝居運びが心地よく、かどかどをくっきり決めた形が美しい。かちっとした中に自ずとはんなりとした柔らかみが漂うのがこの人のとても良いところ。
六段目、若い。今まで見た勘平の中で最も若々しく見えた。お軽が菊之助であることとの相乗効果もあり、この物語が若い夫婦の若さゆえの悲劇だということが今回初めてはっきり実感できた。仁左衛門の演技はどの瞬間を切り取っても勘平そのものであり、心理がよくわかる。抗っても抗い切れずに自分を飲み込んでしまう運命の奔流のようなものさえ、その劇空間の背後に感じせしめる。
海老蔵の定九郎は、顔が実に立派。ニヒルなこの役は合ってるはずだが、動きがまだまだ、ね。菊之助のお軽は、女房らしさより娘っぽさが濃厚。今回の仁左衛門とは良いコンビに見えたけど。
仁左衛門の勘平は、1月の大阪に続いて今年2演目だが、意外なことにその前は昭和61年歌舞伎座、つまり20年ぶりとなるらしい。

もう一本が幸四郎初役の「髪結新三」。幸四郎には合わない役。新三には見えねぇ。結果、全体的に退屈。段四郎(源七)や門之助(忠七)は歌舞伎の世界の人になっていた。


camera: Olympus μ2  film: Agfa VISTA400

風雨

2006年10月06日 | T-PROOF

台風並み、らしい。
会社に籠もってネットで仕事のネタ(企画)探し。ネットで、ってのは安直だけど、でもけっこう面白げなものも見つかるのさ。
早めにまっすぐ帰宅。

好物の「岩塚の黒豆せんべい」、今年も新米ヴァージョンが出た。早速むさぼり食うぞ。


camera: Kyocera T-PROOF  film: Fuji SUPERIA Venus400

低調

2006年10月05日 | TC-1

低気圧の日は疲れやすい。
私のからだはそれが如実。
台風来てるのか?

(全然関係ないけど、写真は所沢市・滝の城址公園)


camera: Minolta TC-1  film: Fuji SUPERIA100

ヴァンスカ!

2006年10月04日 | NATURA

錦糸町のすみだトリフォニーホールへ。
オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティ交響楽団(フィンランド)。

ヴァンスカ&ラハティ響といえば、2003年10月、所も同じトリフォニーでのシベリウス「クレルヴォ交響曲」の圧倒的名演が思い出される(「音楽の友」誌でその年のコンサート・ベストテン総合1位になったそうだ)。あの感動を再び、か。
ヴァンスカの指揮は読売日響に客演した際にも何度か聞いているが、シベリウスやニルセン等、いずれもたいへん素晴らしく、私を夢中にさせる。
今回は曲目が凄い! 何が凄いのかってことは、北欧音楽好きでないとちょっと理解しがたいかもしれぬが。
アーチスト良し、プログラム良しで、とてもとても楽しみにしていた演奏会なのだ。

マデトヤ:交響詩「クレルヴォ」Op.15
シベリウス:交響詩「タピオラ」Op.112
ラウタヴァーラ:交響曲第7番「光の天使」(1994-95)

お国もののフィンランド音楽特集、といってしまえば簡単だが、いや、マデトヤやラウタヴァーラはまずめったにナマじゃ聞けないぞ。最もポピュラーなシベリウスでも、今回は案外日本の公演では演奏機会の少ない、しかし後期の大傑作である「タピオラ」だし。よくぞやってくれました、って感じ。主催者エライ!
「タピオラ」が本日の圧巻。厚化粧でない、本物のシベリウス。小ぶりの編成(弦は12-10-8-7-5か)で、あっさり目のテンポで進行し、一つ一つの音はわりと素朴な感じ、しかし、曲の隅々まで実に表現が深い。彼らの持ち味である、「極限のピアニッシモ」とも評されるほど美しい最弱音も出現! 感無量。
他の2曲はどちらも日頃はセーゲルスタム指揮のCDで親しんでいる曲。当然、同じ国の指揮者でも個性は違う。
マデトヤの「クレルヴォ」は、のめりこんでメリハリつけてくセーゲルスタムの方が曲の面白さが増すような。
「光の天使」(この曲、何度聞いても「光」「天使」というより「水」のイメージを感じてしまうのだが。私の場合。)は、セーゲルスタムが“後期ロマン派!”って感じの派手さでぐいぐい行くのに対し、ヴァンスカはシベリウスの延長線上のような清澄な響きでまとめてきて(柔らか味があったな)、とても興味深く聴けた。良い演奏だった。
アンコール2曲。どちらもシベリウスの劇音楽「テンペスト」から、「行列」と「ミランダ」。これらもわりと珍しい曲。そういえば、組曲版でないオリジナル全曲版の「テンペスト」もヴァンスカ&ラハティ響によって世界初録音されたのではなっかたかしら。

大満足の演奏会。
とにかくシベリウスの(フィンランドの、北欧全般の、といっても良いが)音楽において非常に良い仕事をするヴァンスカ氏らには感謝と、今後益々の期待とを!


camera: Fuji NATURA BLACK F1.9  film: Agfa VISTA400

消化試合

2006年10月03日 | Pentax K-mount

巨人×横浜。東京ドーム。
久しぶりに球場での野球観戦。いったい何年ぶりだ?
会社に出入りの業者さんから戴いた券で、横浜ファンの書店員さんを誘って。
内野席だ。1塁側か・・・。
空いてるなぁ。応援団の占めてる外野席以外はがらがらだ。巨人人気の凋落ぶりを実感。ま、空いている方が静かに観戦できるし、読売カラーの応援タオル(入口で配っていた)をふり回さずにいても気まずくないし(笑)。

いかにも消化試合っぽいゲーム内容。やる気あるのか、横浜!? 先発三浦が不調。拙攻、拙守。
巨5-1横。

今日の試合はアレだったにせよ、やっぱりナマで見るのは良いものだ。久しぶりに来て実感。
来年も時々は見に行くことにするかな。
東京ドームなら職場から歩いて数分、6時試合開始に間に合うし。


camera: Pentax MZ-3 + FA50mmF1.4  film: Konica SINBI200 (SRM)