ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

釜炊き三昧

2006年11月29日 | TC-1

今日はご飯がいい按配に炊けた。
やっぱ最初の強火がポイントのような気が。泡がいく筋も吹きこぼれてくるのを見届けてからおもむろに弱火へ。9分間。
あと、蒸らし時間。13分間確保。

米といえば、今年も新潟方面から新米をいただきました。お醤油も。どうもありがとうございました。


camera: Minolta TC-1  film: Kodak 400UC

今月は当り月

2006年11月28日 | Pentax K-mount

あえて今月はコンサート鑑賞を集中させてみた。芸術の秋か。極力安上がりで済む作戦を遂行したので、1回当たり平均数千円(アーノンクールやヤンソンス等の大物も含めてだ)、しかも前売りチケットを買うタイミングをひと月ずつずらしたりの工夫もしたので、別段財政難にも陥っていない。これで十分楽しめるのだ。

今宵もコンサート。今月6回目。さすがにこれで打ち止め(笑)。
所沢ミューズ・アークホールにて、オランダの名門ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、指揮はマリス・ヤンソンス。
このホールは音が良くて、かつ値段が安いから好き。今回のコンセルトヘボウ管の場合、S席でサントリーホールより8,000円も安い(尤も私の席はC席だが)。
ヤンソンス&コンセルトヘボウは一昨年のNHK音楽祭にて「ペトルーシュカ」&「悲愴」という重量級のプログラムを聞き、洗練さと鳴りっぷりの良さとが両立した、構えの大きい音楽にすっかり魅了されてしまい、以後ずっと気になっていたのだ。

本日はシンフォニー2本立て。「ベートーヴェン:交響曲第8番」&「マーラー:交響曲第1番」。直球勝負のプログラムが清々しいぞ。
雄渾。「雄大で勢いの良いこと。力強くよどみのないこと。」という辞書的な意味どおり、まさに雄渾。明るく良く鳴るオケで(指揮者がまた大きく強く鳴らしたがるようで)、ダイナミクスの幅も大きく、厚みと透明感を兼ね備えた響きも美しく、ホールで大オーケストラを聴く喜悦度からすれば満点レベル。基本的にはわかりやすい解釈で通し、つぎはこう来て欲しいという聴衆の期待に、期待どおりかそれ以上で応えてくれる(CDで聴くと飽きやすいかもしれないが・・・)。
ベートーヴェンの終楽章はユニークだった。このままハイスピードで突入するかとの予想に反し、落ち着いたテンポで開始、一音一音をザクッザクッと刻んでいく感じで。コーダでは入念にこねくり回した挙句、パッと軽く最後の一音を上空に飛ばした。そういう芝居っ気もあるということで。
マーラーはさらに雄大。しなやかによく歌わせながら(弦の音がきれいだなぁ)、大きく大きく世界を作っていく。
今回はアンコール無し。それも良かろう。おかげでマーラーの余韻に浸りながら、ふわふわと家路に。
指揮者の統率力の強さ、それに対するオケの反応の速さは特筆もの。これが世界トップランクの実力ですね。堪能しました。

それにしても、今月のコンサートは「当り」ばっかり! 良かったよかった、作戦成功だな。


camera: Pentax MZ-3 + FA20-35mmF4  film: Kodak MAX beauty400

念々今日

2006年11月26日 | NATURA

国立劇場3ヶ月連続公演『元禄忠臣蔵』、その第2部、本日千秋楽。
「伏見撞木町」「御浜御殿綱豊卿」「南部坂雪の別れ」の3本。
切腹や討入りなどの事実の再現ではなく、大石内蔵助と周囲の人物の内面のドラマを、廓ありの、徳川家のお浜遊びありのという変化に富んだ設定の中で活き活きと描きだした3篇。前後(先月と来月)の重厚な史劇とは別の趣を持っている。
今月の大石内蔵助役は坂田藤十郎。

「伏見撞木町」は28年ぶりの上演とのこと。もちろん私も初めて見る。藤十郎と秀太郎が絡むとたちまち新歌舞伎とは思えぬ上方風の濃厚さが出て、すぐに引きこまれた。亀鶴の不破数右衛門が上出来。内蔵助に「おっかない人」と言わしめるものがあった。立派になったなあ。それと愛之助の主税も良い。ともに成長株だ。
「御浜御殿綱豊卿」、これは頻繁に上演される。私も数々の舞台を見てきた。最も印象に残っているのは、昭和62年4月歌舞伎座での孝夫(今の仁左衛門)と富十郎の丁々発止、火花飛び散るような凄まじいセリフの応酬。今回は綱豊卿が梅玉、助右衛門が翫雀。配役を見たときに、なんだ翫雀かぁ・・・と少しがっかりしたのだが、正直すまんかった、これが望外の上出来。智太郎時代に時折見せていたような体当たり的熱演で、それが空回りせず、常に状況を全身全霊で受けとめている感じがする。変に田舎者くささを小器用に表現しようとしていない点が良い。本来助右衛門は頭の回転が速い者だと思う。
その翫雀を受ける梅玉がまた、良い。以前見たときより格段に大きい。一挙手一投足、間の取り方、綱豊その人を見事に現す。「対決」は劇的効果のためであり、そこに見え隠れする「真情」にこそ心打たれるのだ。
「南部坂雪の別れ」は、私は19年ぶり2度目。歌右衛門の瑤泉院を見たのだ。昭和62年では上演された泉岳寺境内が今回はカット。そのせいもあるのかどうか、何となく討入りへの「つなぎ」の場のような印象を抱いてしまった。意表をつくドラマティックな展開は無い。時蔵の瑤泉院は数奇な女性の雰囲気を上手く出し、藤十郎も幕切れの芝居が大きく、大歌舞伎を見た気分にはなったが。

シリーズ中、やはり「御浜御殿綱豊卿」は屈指の傑作である、と再認識。


camera: Fuji NATURA BLACK F1.9  film: Agfa OPTIMA PRESTIGE400

初冬

2006年11月25日 | Pentax K-mount

今日は買い物だ。靴など。
靴はこのところいつも同じ物を買っている。イトーヨーカドーの「FOOT SALOON」シリーズ。履きやすく、軽く、目下最も気に入っている。値段も手頃。


camera: Pentax MZ-M + M50mmF1.7  film: Konica JX100

バビ・ヤールに

2006年11月24日 | Pentax K-mount

記念碑はない。切りたつ崖が粗末な墓標だ。

サントリーホールへ。
ユーリー・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー(昔のレニングラード・フィルですね)。
「バビ・ヤール」やるぞ! これは聞き逃せまい。

リムスキー・コルサコフ:歌劇「見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語」序曲
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 Op.77(vn独奏:ワディム・レーピン)
ショスタコーヴィチ:交響曲第13番変ロ短調 Op.113「バビ・ヤール」
(独唱:セルゲイ・レイフェルクス(Br)、合唱:東京オペラシンガーズ )

前半のヴァイオリン協奏曲も楽しめた。レーピンといえば、良いとか巧いではなく「凄い」という次元に達しちゃってるヴァイオリニストなわけで、実際、唖然とするほど凄まじい骨太の超絶技巧が繰りひろげられた。怒濤のような拍手で場内騒然。
さて「バビ・ヤール」。旧ソ連においてはいわくつきの問題作(作曲家吉松隆氏のblogがおもしろい→)。テミルカーノフにはソ連時代にオリジナルの歌詞に戻して(初演後に歌詞の一部が差し替えられていた)の演奏を敢行し作曲者に喜ばれたという歴史的実績があるし、ムラヴィンスキー亡きあとのレニングラード・フィルを継承してすでに18年、知り尽くしたオケから引き出される〝本物の〟ショスタコ・サウンドへの期待が高まる。
初演者コンドラシンの録音等と較べると、柔軟でカラフルな印象であった。告発、恐怖、怒り・・・といった重々しいムードはさほど感じられず、むしろ語り手の心理や詩の中の登場人物が活き活きと表されていく感じ。がつんとテーマを突きつけられ問題意識を喚起させられるタイプの演奏ではなかったが、いわばオペラの名演奏を聴いた時に得られる感動に近いものがあった。オーケストレーションの面白さも味わえた。独唱のレイフェルクス(私には、ドミンゴの「オテロ」でイアーゴを歌う人という印象が強い)の美声による明確な表現、東京オペラシンガーズの自信に満ちた堂々たる歌いっぷりも好感触。
感動、満足。

ロシアのオケの来日公演は、たといAランクの団体であろうと、あまり積極的に聞きに行くことのない私だが(あ、マリインスキー管は何度も聴いたか)、それはプログラムが所謂「名曲」に偏重していて興味をそそられないことが要因としてあるのだ。今回のような企画なら大歓迎である。


camera: Pentax MZ-3 + FA35mmF2  film: Agfa PORTRAIT160

ぢざう

2006年11月23日 | Pentax K-mount

写真は秩父札所八番西善寺。04年11月撮影。
結局この秋は秩父へ行かなかったなあ。秩父三十四カ所を夫婦で巡礼する行程もまだ十八番までしか進んでいないし。
休日の度に歌舞伎やらオペラやらの予定を詰め込みすぎて、日程が取れなくなってしまったことも原因の一つだな。行けるとしたら今日だったのだが、この天気では、どうも・・・。

今日は来年の温泉計画(笑)を検討し、それだけで一日過ぎてしまった感じ。ちょっと良さげな宿をネットで見つけた。行くとしたらGW頃だろうな。


camera: Pentax MZ-3 + FA50mmF1.4  film: Kodak HD400

RIVER

2006年11月22日 | Pentax K-mount

「レコ芸」(今月も惰性で買ってしまった)にも紹介が出ていたが、ベンジャミン・ブリテンのオペラが軒並み再発売になる。Deccaレーベルに残された一連の自作自演録音が。没後30年記念なのだ。
ブリテンのオペラ15作のうち13作もが日本語対訳付きで。こいつはGJ!
大いに興味をそそられたけど、私の資金力には限りがあるしなあ。

ジャンルは全然ちがうけど、12月20日発売予定の一風堂のBOXセットもちょっと気になる。いや、かなり気になる。
2ndアルバムの「REAL」。この大好きだったアルバムをオリジナルの形で再び聞けるようになること、これが長年の念願だったのだ。
むしろバラ売りで出してくれた方が私にはありがたかったかも。資金の問題を思うとね(笑)。


camera: Pentax MZ-3 + FA20-35mmF4  film: Fuji REALA ACE100

花道

2006年11月19日 | TC-1

歌舞伎座の建替えも本決まりなので、こんな駄写真でも後年懐かしく思えるかもしれない。
地下食堂「花道」、利用したことないなぁ。幕間の食事はたいてい外でとるし。今日は490円のビーフカレー。

11月の歌舞伎座は「顔見世」。昼の部を観た。
「先代萩」の通し。「花水橋」から「対決・刃傷」まで。またか、って気もしたのだが、「竹の間」を入れての通しは10年ぶりになるし、配役をよく見るとかなり揃っている。
今月も仁左衛門が上々。八汐と勝元の2役。芝居の受け方つっこみ方が理想的に巧い。
それと「床下」の團十郎。この役について言われている、雲の上ふわふわあるくようにという口伝とはこのようなものかと初めてわかった感じ。あの立派な役者絵顔が大きく静かにゆったりと花道を進んでいく。何やら超常的なムード。健康もかなり復調しているようで一安心。
菊五郎の政岡は、「竹の間」が良かった。次々ふりかかる難儀を受けて立つきっぱりとした様が立派。「御殿」は飯炊き無しのやりかたで、そのことの是非はともかく、なんとなく情味が薄い印象。こちらが雀右衛門や坂田藤十郎等のより濃厚なものに馴染んでしまったせいもあるか。
頼兼が福助、栄御前が田之助、男之助が富十郎、外記左衛門が段四郎、等々顔見世大歌舞伎にふさわしい充実した配役で、それぞれの持ち味が出た、実にけっこうな先代萩だった。

他に、三津五郎の常磐津舞踊「源太」「願人坊主」。見ているこっちも乗せられてしまうような、三津五郎らしい楽しい踊り。


camera: Minolta TC-1  film: Agfa OPTIMA PRESTIGE400

11/17

2006年11月17日 | Pentax K-mount

業界の仲間と急に会うことになって、飲んだ飲んだ。前半は会社でいただいたビールを活用し、後半は極力安い店でちびちびやるというけちけち作戦で。話が盛り上がり、笑った笑った。
帰りが遅くなった。
土曜日は休養の日に充てよう。


camera: Pentax MZ-3 + FA20-35mmF4  film: Fuji REALA ACE100

アーノンクール

2006年11月16日 | R1s

NHK音楽祭にアーノンクール登場!
毎年秋にNHKホールにて開催されるオーケストラの祭典、NHK音楽祭も今年で4回目。大物アーチストを3階席のお安い料金で聞ける、とってもお得なイベントである。チケット入手もわりと容易だし。私もここ数年間で、シャイー/G.ヴェルディ響、マゼール/NYP、ヤンソンス/コンセルトヘボウ管等を楽しませてもらった。
今年のテーマは生誕250年のモーツァルト。4団体が参加する中でとりわけ話題性が高いのが本日のアーノンクールでしょう。
ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(Concentus Musicus Wien、以下CMWと略)&アルノルト・シェーンベルク合唱団、この組合せでの来日がまさかまさか実現するとは! アーノンクールおよびCMWは26年ぶりの来日となる。
3階席の前方半分がD席5000円、後方半分がE席3000円。このお値段で生アーノンクールが聞けるのですよ!!
古楽の小編成オケを聞くのには問題のあるホールだが、結局はホールの音響のことは殆ど気にならなかった。それだけ熱中して聴き入っていたのだ。素晴らしい演奏。

モーツァルトの宗教音楽を2曲。
ヴェスペレ(主日のための夕べの祈り)K.321と「レクイエム」。
ヴェスペレがコンサートプログラムに乗るのは珍しいだろう(実際の典礼を模して、各楽章の前後にグレゴリオ聖歌のアンティフォナが入った)。とにかく演奏の完成度の高さに感銘、器楽も声楽も、レベル高いわ。各パートの動きがしなやかな、心地よい演奏。
レクイエムでは、強弱の幅を大きくとり、時に独特な間を置いた、CDで聞き慣れているアーノンクール節が確かに感じられ、嬉しくなってしまった。が、彼らの演奏には録音からでは伝わらない要素がかなりあるぞ。それを実感できたことが何よりの収穫。
予想外に響きがやわらかくまろやか。ふっくらと大きな構え。常に器楽と声楽の融合された全体像としての響きが緻密に設計され、全体像として曲想の変化に敏捷に対応しつつ、実に多様なニュアンスが表現されていく。響きの総体を築き上げるために、あらゆるパートが常に緩みなく機能している。そんな感じ。CDの音は個々のパートがくっきり前面に出すぎなのかも。
指揮者の曲への読解の深さ、伝達し統率する力、それに正確に応じるメンバーの技術。古楽の道50年のアーノンクール&CMWの真価を存分に味わった。魔法にかかったように魅せられてしまった。
A.シェーンベルク合唱団も期待どおりの巧さ、独唱陣の若手もよく揃っていた。


camera: Ricoh R1s  film: Agfa VISTA400