飯守泰次郎&東京シティpoの定期。オペラシティにて。
今年度はベートーヴェンの交響曲全曲シリーズだ。10年前、彼らは日本人演奏家としては初の「ベーレンライター新版」によるベートーヴェン交響曲チクルス&全集CD制作を成し遂げたが(このCD、かなり内容は良いのだが、あまり知られていなくて残念)、そのピリオド奏法寄りのアプローチからは一転して、今回は20世紀の名匠イゴール・マルケヴィチの校訂出版した「マルケヴィッチ版」を用いるというのがポイント。全曲マルケヴィッチ版によるチクルスは“世界初”の試みらしい。で、このマルケヴィッチ版がいかなるものかは、飯守氏自身が記したものを見る方が早いでしょう(笑)、ここ(→●)とか、ここ(→●)とか。
本日第1回目は、4番と7番。
珍しいエディションだからといって特別風変わりな演奏になるべくもなく(もちろん所々に“違い”は確認できるが)、結局は飯守氏ならではの、エネルギー噴出し、疾走する、熱い演奏。ちょっと「?」な箇所も無かったわけではないけど(ここでは割愛するが)、お馴染み名曲を一音一音細部まで洗い直し、徹底吟味した上で再現せんとする気魄や集中力、それらは十分に伝わってきたので私としては満足な演奏会だった。
毎回は無理にしても、今後もこのシリーズには足を運びたいものだ。あ、本日はシティフィルの定期にしてはかなり客入りが良かったので、興味をもたれた方は前売り券を購入することをお薦めしておきます(笑)。
camera: Minolta TC-1 film: Fuji SUPERIA PREMIUM400
このオケへは3回目となる鈴木雅明氏の客演も楽しみですね。まさかマーラーを振るとは。