読売日本交響楽団のコンサートへ。東京芸術劇場。
指揮はゲルト・アルブレヒト。
曲はマーラーの交響曲第9番。
アルブレヒトの、「常任指揮者」としての最後のコンサート。本日3月31日はまさに任期満了の最終日。実り多かった在任9年間の掉尾を飾る、か。
曲がマーラーの9番だけに、「告別コンサート」的な思い入れたっぷりの演奏・・・にはなりません。そこはアルブレヒト、予想どおり速めのテンポにて、感傷を排し、明快に音響を組み立てていく。
特に弦楽器は、丁寧によく歌い、音の重なりの美しさや線の動きの面白さで曲の魅力を堪能させてくれた。終楽章に入って、合奏の精度と密度が一段と良くなった感あり、かなり感動した。
きらきらと、澱みなく豊かな水が流れるような、円満なマーラー。こういうのもいいなあ。
アルブレヒト&読響コンビの、到達した地点の高さをじゅうぶん実感。
アルブレヒトは「桂冠指揮者」という地位を与えられ、再来年以降も2年に1度この楽団を振りに来るそうだ。
で、この4月からの新・常任指揮者は、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ。幸せな楽団だ。
camera: Fuji NATURA BLACK F1.9 film: Fuji SUPERIA Venus800