ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

掉尾を飾る

2007年03月31日 | NATURA

読売日本交響楽団のコンサートへ。東京芸術劇場。
指揮はゲルト・アルブレヒト。
曲はマーラーの交響曲第9番。

アルブレヒトの、「常任指揮者」としての最後のコンサート。本日3月31日はまさに任期満了の最終日。実り多かった在任9年間の掉尾を飾る、か。
曲がマーラーの9番だけに、「告別コンサート」的な思い入れたっぷりの演奏・・・にはなりません。そこはアルブレヒト、予想どおり速めのテンポにて、感傷を排し、明快に音響を組み立てていく。
特に弦楽器は、丁寧によく歌い、音の重なりの美しさや線の動きの面白さで曲の魅力を堪能させてくれた。終楽章に入って、合奏の精度と密度が一段と良くなった感あり、かなり感動した。
きらきらと、澱みなく豊かな水が流れるような、円満なマーラー。こういうのもいいなあ。
アルブレヒト&読響コンビの、到達した地点の高さをじゅうぶん実感。

アルブレヒトは「桂冠指揮者」という地位を与えられ、再来年以降も2年に1度この楽団を振りに来るそうだ。
で、この4月からの新・常任指揮者は、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ。幸せな楽団だ。


camera: Fuji NATURA BLACK F1.9  film: Fuji SUPERIA Venus800

3/27

2007年03月27日 | NATURA

あ、ブログのタイトルが日付のみの時は、ネタがないときですから。 ~ ニガイメ記の法則。

とりあえずマジメにこつこつ働いております。


camera: Fuji NATURA BLACK F1.9  film: Kodak MAX beauty400

すし屋

2007年03月24日 | TC-1

墓参り(お寺は文京区本郷に)をしてから、歌舞伎座へ。
「義経千本桜」の通し、夜の部は、「木の実・小金吾討死~すし屋」と「川連法眼館・奥庭」。

仁左衛門の権太が、感動を与えるという点では、最高の出来。情味の厚い、泣かせる権太。かなり細かく心理を見せる演技だが、例えば引っ立てられていく妻子と眼で交わす芝居なども底割れにならず、現代人にもよく伝わる家族愛のリアリティーを上手く表出。悪人ぶりも、手強さ十分、リアルで面白く、しかも決まりの型が実に“粋”である。要所での“悪”を効かせながらも、根は善人、という感じをはっきり出して作り上げていくのが仁左衛門らしいし、それは成功していた。家族愛を希求して満たされず、「いがみ」になってしまった権太像が浮き彫りに。
「木の実」での、秀太郎の小せんがさすが絶品、この場にて権太の“家庭”が明瞭に見えることで、後の「すし屋」での感動がふくらむ。扇雀の小金吾も収穫。
「すし屋」は隙のない配役で稀にみる充実したものとなった。孝太郎のお里は、独特の野暮ったさを活かした熱演で成功、進歩である。他、時蔵(弥助実は維盛)、左團次(弥左衛門)、竹三郎(お米)、我當(景時)、東蔵(若葉内侍)、秀太郎(小せん)、もう全員○印!

「川連館」、忠信は昼の部から通して菊五郎。少しお疲れのご様子も(笑)。本物の人間の忠信に、さすが説得力あり。法眼夫婦に彦三郎・田之助を配し、しっかり「大歌舞伎」を見せてくれて嬉しかった。梅玉の義経、福助の静、ともに良し。
今回は最後に「奥庭」が出て、幸四郎が横川覚範でおつきあい。

終演後、久しぶりに「うまい鮨勘」へ。
本拠地の仙台では回転寿司タイプの店舗も展開する庶民的なチェーン店のようだが、銀座二丁目店は場所柄相応の格。といってもバカみたいに高価なわけではなく、ネタも良いのでかつてはたまに利用していた。
数年ぶりに入ってみたら「塩」や「炙り」といった新系統のメニューも加わっていて、お薦めの旬の物も旨く、チョットつまむつもりがけっこうな満腹に(笑)。


camera: Minolta TC-1  film: Fuji NATURA1600

春の土

2007年03月23日 | Pentax K-mount

最近、牛乳に弱くなったと実感。お腹がごろごろする。

さて本日は、都内某女子大での学会へ。著者が講演をするので聞きに行ったのだ。懇親会にも参加。新たな出会いとまさかの再会(笑)。世間狭し。


camera: Pentax K1000 + FA35mmF2  film: Konica CENTURIA SUPER100

春分

2007年03月21日 | NATURA

休日は珈琲を淹れる。そして、がぶ飲みする。頂き物のコーヒーメーカー大活躍。
結局、AGFかな。MAXIM「モカ・ブレンド」を好む。毎度同じでは飽きるので、今はやはりMAXIMの「キリマンジャロ・ブレンド」。近所のスーパーで買える範囲ででは、いろいろなブランドの物を一通り試したが、AGF・MAXIMシリーズが無難。専門店にはもっと良いモノがあまたあるのでしょうけど。

暖冬の影響でイワシが大漁!って話をちらっと聞いたが、近所で見たら確かに安くなっている。一匹あたり9円の目刺しを焼いて食ったが、旨かったなあ。


camera: Fuji NATURA BLACK F1.9  film: Kodak HD400

ろぼす

2007年03月19日 | R1s

激安BRILLIANTが中古店に出てさらに激安、6枚組1800円にて購入、ヴィラ=ロボス(ブラジルの大作曲家。1887~1959)の「弦楽四重奏曲全集・全17曲」。

ヴィラ=ロボスといえば「ブラジル風バッハ」シリーズ等の有名曲くらいしか知らなかったのだが(あ、ホルショフスキのライブ盤にも何曲か入ってたな)、このたびクァルテットの全曲に接し、いやはや参りました。予想以上に面白い!
HMVのサイトの紹介文を引用させていただきますと、
《17曲のすべてが異なる特徴を備えており、ヴィラ=ロボスの創作活動の中でもきわめて重要な位置を占める傑作が揃った曲種としてすでに高い評価を得ています。 そのスタイルは実にさまざまで、バッハやベートーヴェンへのオマージュを思わせるものから、ブラジル民謡、タンゴ、印象主義、無調など、とにかく幅広くオモシロイことこの上なし。》
と、ありますが、これみなホント!
ラテンアメリカ四重奏団による演奏も素晴らしく、上手い。これも世評どおり。
このところ連日連夜聴いている。もう17曲通して3回は聴いた。好みの曲はぞろぞろあって上げてもきりがないが、強いて1曲だけ上げるなら、現時点では第16番かな。7番や12番もマイ・ベストの候補。4番、5番、13番、17番あたりも良いなあ・・・


camera: Ricoh R1s  film: Konica CENTURIA PORTRAIT400

恋と忠義は

2007年03月17日 | TC-1

歌舞伎座、暖房効きすぎ。眠くなります(笑)。
今月は「義経千本桜」の通し。
昼の部の「鳥居前」「渡海屋・大物浦」「道行初音の旅」を見物。

菊五郎の忠信が良く、特に「道行」が楽しめた。キマリを丁寧に、すっきりとした踊りから何ともいえぬ風情ただよう。古風な見栄えの芝翫とのバランスが案外に良く、イキがぴたりと合っていた。ベテラン同士の味。藤太が仁左衛門とは、なんとも贅沢な御馳走。
「鳥居前」でも菊五郎が良かった。周りが、梅玉(義経)、福助(静)、左團次(弁慶)とは、考えてみりゃ豪華配役なのだが、感銘度は、まあ普通、さすがと唸らせるものに乏しかったのは何故だろう。
「渡海屋・大物浦」、義太夫狂言屈指の傑作ではあるが、よほど上手くやらないと隙ができてしまう難物。幸四郎の知盛は、柄の大きさや押出しからして視覚的には不満はないし、余計なことをしていないのは良いが、引きこまれるほどの魅力は感じなかった。要所要所で肚が伝わってこない。例えば安徳帝の、今より自分を供奉するのは義経だ、との台詞をどう受け、そしてその内面をどう幕切れに至るまでの表現につなげるか、そのあたりを掘り下げるだけで説得力がかなり増すと思われ。お柳・典侍局は坂田藤十郎。さすがに義太夫物を知悉している感あり、一々説得力のある演技。


camera: Minolta TC-1  film: Konica CENTURIA PORTRAIT400