19日(木):
東京シティ・フィルの定期公演。
指揮は鈴木雅明。このオケへは06年11月以来2度目の登場。その前回の公演の印象は強烈だった(参照→
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モダン・オケを振る際にピリオド寄りの解釈、奏法をとることは予想の内だが、スケールの大きさ、表出力の強さ激しさ・・・は、BCJを率いる古楽の泰斗としてのMasaaki Suzukiとはまた別の顔を見るようだ。
今回も大いに期待し、そして期待どおりの満足感が得られた。
ヘンデルの合奏協奏曲ト短調(Op.6-6)、ハイドンの交響曲第90番、メンデルゾーンの交響曲第4番「イタリア」。
ハイドンのフィナーレでの大胆な演出(曲が終ったと見せかけて客を騙す仕掛けの所で、指揮者が拍手を浴びながら一旦退場、続きを弾き始めるオケに促されて慌てて再登場)には笑った。「イタリア」は、ピリオド系の指揮者らしく常にクリアで引き締った響きを一貫させる中、ここぞという時の疾走感とパッションの噴出に圧倒的な感銘を受けた。
シティ・フィルへの客演は今後ぜひ恒例化して欲しいなあ。
20日(金):
春分の日。仕事仲間と中野区の「フレッシュ名曲コンサート」へ。
宮本文昭指揮、東京交響楽団。
愛弟子をソリストに立ててのR.シュトラウスのオーボエ協奏曲、チャイコフスキーの交響曲第5番、等。
指揮者としての宮本文昭を聴くのは初めてだが、全般に穏当な、手堅い表現。まずは曲本来の魅力を引き出せていたから、「名曲コンサート」としては十分に成功でしょう。
21日(土):
歌舞伎座・夜の部。「元禄忠臣蔵」の後半。
「南部坂雪の別れ」は團十郎、「仙石屋敷」は仁左衛門、「大石最後の一日」は幸四郎、と内蔵助を3人の立役に振り分けた豪華版。
中では仁左衛門が芝居運びの巧さで傑出。地味な「仙石屋敷」だが、要所でぐっと盛り上げてくる。
團十郎はセリフで酔わせてくれないし、幸四郎はどことなく陰気でねちっこいし(前回国立劇場の時は剛毅さで押す中に、時に鋭さを光らせて上出来だったのに)。
camera: Olympus μ2 film: Konica CENTURIA SUPER100