久しぶり(2年ぶり)に文楽へ。国立小劇場。
第3部の「天網島時雨炬燵」。近松の「心中天網島」の改作バージョン。近松オリジナルに近い形での上演も見たことはあるが(越路大夫で「河庄」の段を聞いたこともあるぞ、19年前のことだが)、違いはすぐにわかる。小春治兵衛を心中へと追いつめていく状況設定が、改作の方はちょっとあざといな。
「河庄」は住大夫で。やっぱりエエですな。そもそも今回の上演は「竹本住大夫文化功労者顕彰記念」と銘打たれているわけで。
「時雨の炬燵」は嶋大夫。昔話ついでに記すと、私が初めて文楽を見たとき(昭和61年。曽根崎心中)、強く印象に残ったのがこの嶋大夫、美声で明確な語り口で初心者にも魅力が伝わりやすかったのか。今や堂々たる風格の切場語りだ。
紙屋内の後段、千歳大夫。住、嶋、と聞いたあとでは格落ち感は否めないが、しかし持ち前の声量と迫力で最後は乗りきり、楽しめるものとなった。このあたり、文楽のシステムって良くできてると思う。
人形は、簑助健在、勘十郎も良かった。
住大夫のCDが何種も販売されていた。
和楽舎という会社が制作・販売。ガンバっている人たちへは、商品を買うことで支援応援せねばなるまい。いろいろ並ぶ中、まずは1枚ということで「引窓」を購入。
camera: Pentax MZ-3 + Sigma 15mmF2.8 EX Diagonal Fisheye film: Kodak MAX beauty400