ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

ぱりかん

2007年11月05日 | TC-1

毎年のことだが、11月はコンサートが多くて。聞きに行く方も日程を組むのが大変。しかし、今年はもう、すでにチケット購入済みのものしか行かないことに決めた。決めたぞ。金もないし、けっこう忙しいし。
で、さっそく(笑)今日はNHKホールへ。メジャーな団体を格安料金(3階席だけど)で楽しめる「NHK音楽祭」の開幕だ。今年のテーマは「華麗なるオペラ・バレエ音楽の世界」。

クリストフ・エッシェンバッハ指揮、パリ管弦楽団。
曲目は、
  ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
  ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」
  ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」
  ラヴェル:ラ・ヴァルス
  ラヴェル:ボレロ
と、カラフルな名曲をずらりと並べてきた。本日のサブタイトルが「華の都・パリ初演のバレエ音楽」とは、なるほど。

まず、このオケ独特の「音」に魅了された。艶があってまろやかで、どことなく懐かしさのある響き。カチッとアンサンブルを整えていく感じではなく、ゆったりと自然体の構えから豊かな音を出してくる。
演奏は、特にプログラム後半のラヴェルにて、本領発揮の感。3曲それぞれの特徴を十全に表現、極上の音色で。「ラ・ヴァルス」では、溜め、揺れ、テンポの急変、といったところでエッシェンバッハの個性が出た。振り幅の大きい演奏ではあるが、変に粘らず、さらさらした感触もあるのがちょっと「粋」。
ボレロは正攻法、本物の味。個々のプレーヤーの技量が高く、全く危なげない。指揮者のパフォーマンスも面白かった。腕は両方とも下げたままで全く使わず、身体の向きを時おり変えるだけの、「顔面」による指揮(楽団の自発性に委ねてます、とのアピールか)。ようやく最後の転調のところで突然両手を高く上げ、棒を振り出す。これ、正面(楽団員側)からはどう見えているのだろう(エッシェンバッハの人相をご存知の方はちょっと想像してみて下されw)。後日のTV放送を見逃してはなるまい。

とにかく今日は、「パリ管のラヴェル」という看板に恥じぬ充実した演奏内容だった故、満足いたしたぞ。


camera: Minolta TC-1  film: Fuji VELVIA100 (RVP100)