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呼吸器疾患の薬がパーキンソン病の治療に有望

2016-03-04 06:06:17 | 
Promising respiratory drug focus of new clinical trial for parkinson's disease

February 22, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160222112642.htm

様々な呼吸器疾患の治療用に承認されたある薬剤medicationが、パーキンソン病の新たな臨床試験で焦点となった
この薬は前臨床試験で神経保護的な効果が実証されている

この試験はLinked Clinical Trials initiative (LCT) の一部として開始される最新のものであり、
LCTはイギリスの研究慈善団体research charityであるCure Parkinson's Trustが中心となってアメリカミシガン州のVan Andel Research Institute (VARI) と協力して行われるプログラムである

「この試験で我々はパーキンソン病の単なる症状の治療を越えつつあり、実際に疾患の進行を遅くするか止めたいと考えている」
Patrik Brundin, M.D., Ph.D.は言う
彼はLCT国際科学委員会の長であり、VARI神経変性科学センターのディレクターでもある

「このアンブロキソール/ambroxolという薬はパーキンソン病の前臨床研究において例外的な効果を発揮しており、他の病態の治療用として既に承認されている」

厳格な薬剤認証プロセスを既に通過している既存の薬剤の中で、研究室の前臨床試験でパーキンソン病の治療に有望であることが示されたものに焦点を当てることにより、LCTはパーキンソン病の人々に新たな治療をもたらすために必要な時間とコストを減少させることを目的としている


呼吸器の治療から神経保護へ
From respiratory remedy to neuroprotection

この試験はロンドンの王室施療病院/Royal Free Hospitalを拠点としており、通常は呼吸器疾患の治療に使われるアンブロキソールに焦点を当てる
この試験の治験責任者principal investigatorであるAnthony Schapira, M.D., D.Sc.は以前の研究で、細胞の『ごみを片付けるtrash removal』プロセスで重要な役割を果たすタンパク質の機能をアンブロキソールが改善することを実証した
最近のエビデンスから、このプロセスの異常は神経変性疾患の発症と進行に関連があることが示唆されている
加えて、このタンパク質をコードする遺伝子内の変異はパーキンソン病発症の最も強い遺伝的リスク要因であると考えられている

「我々の前臨床研究からアンブロキソールがパーキンソン病の治療に有効かもしれないことが示唆される
この薬は遺伝性パーキンソン病と関連する遺伝子変異を持つ人々で広く見られる機能不全を起こしたタンパク質を修正する能力がある」
Schapiraは言う

「特に興味深いのは、この遺伝子変異を持たないパーキンソン病患者にもアンブロキソールが有益であることだ」


複雑な問題
A complex problem

過去50年でパーキンソン病の画期的な治療法はレボドパや深部脳刺激deep brain stimulation、手術を除いてほとんど現れていない
これらの治療法はQOLを著しく改善する可能性はあるものの、疾患の特徴である脳の神経細胞が死ぬのを遅くしたり止めたりはしない
LCTの科学委員会は、症状を治療するだけでなく疾患の進行も止めるさらなる化合物の調査をゆだねられているcharged

アンブロキソール試験に加えて、LCTはパーキンソン病を修正しうる治療法として、コレステロール低下薬のシンバスタチンや糖尿病薬でGLP-1受容体アゴニストのエキセナチドを研究するための試験もサポートしている
脳内の鉄の蓄積を取り除く薬剤やミトコンドリア機能に対処する治療法など、他の糖尿病治療に焦点を当てる臨床試験が数ヶ月先には開始される予定である



関連サイト
https://en.wikipedia.org/wiki/Ambroxol
>Ambroxol has recently been shown to increase activity of the lysosomal enzyme glucocerebrosidase. Because of this it may be a useful therapeutic agent for both Gaucher disease and Parkinson's disease.[10]
(アンブロキソールはリソソーム酵素であるグルコセレブロシダーゼの活性を増大させることが最近示されており、ゴーシェ病やパーキンソン病を治療する薬剤として役立つ可能性がある[10])

[10]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24574503
"Ambroxol improves lysosomal biochemistry in glucocerebrosidase mutation-linked Parkinson disease cells"
(アンブロキソールはグルコセレブロシダーゼ変異関連パーキンソン病細胞のリソソーム生化学を改善する)



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/5dc8d2df5cf3c367e14b14a84eac884e
GBA1突然変異はα-シヌクレインのリサイクルを妨害し、α-シヌクレインは細胞内に蓄積されて脳内に放出される
 

T細胞白血病はクエン酸回路に依存する

2016-03-01 06:06:28 | 
Researchers pinpoint potential enzyme for T-cell leukemia treatment

February 22, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160222111053.htm

ボストン大学の研究者は、白血病のT細胞がTCA回路という特有の回路を使うことを初めて示した
クエン酸回路とも呼ばれるこの回路は白血病細胞の増殖と生存をサポートする

Leukemia誌に発表された今回の研究結果はHui Feng博士らによるものであり、
これはTCA回路に存在する酵素の一つに含まれるDLSTを標的にすることでこの種の腫瘍細胞を効果的に殺すことができる治療法の開発につながる可能性がある

DLST: ジヒドロリポアミド S-スクシニルトランスフェラーゼ/Dihydrolipoamide S-Succinyltransferase (E2 Component Of 2-Oxo-Glutarate Complex)。TCA回路の酵素の一つであるα-ケトグルタル酸脱水素酵素複合体(KGDHC)のE2コンポーネント


T細胞白血病の治療は改善されているにもかかわらず、子供では20%が、成人では50%が致命的である
加えて現在の治療プロトコルprotocol(治療の実行計画)は非常に毒性が強い

ボストン大学メディカルセンター/Boston University Medical Center(BUSM)の研究者は実験モデルを用いて遺伝子スクリーニングを実施し、腫瘍の発症を特に抑制する突然変異を明らかにしようとした
このスクリーニングからT細胞急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)の発症に寄与する重要な要因としてTCA回路のDLSTが同定され、
ヒトのT細胞白血病を使ったさらなる分析からDLST酵素の活性の阻害により効果的にヒトT細胞白血病を殺すことができると実証された

「これまで研究者たちは、癌細胞が増殖をサポートするためにクエン酸回路を使わないという間違った推測をしてきた
我々の新たな発見は、これらの癌細胞が生存のためクエン酸回路に依存するという確かな証拠をもたらす」
責任著者corresponding authorのHui Feng, MD, PhDは言う

「さらに我々はT細胞性白血病の発症におけるDLSTの重要性を実証し、治療のために標的となりうる酵素を明らかにした」

彼らはDLST阻害による治療の有益性がT細胞性白血病以外の癌にも広がるかもしれないと考えている


http://dx.doi.org/10.1038/leu.2016.26
The TCA cycle transferase DLST is important for MYC-mediated leukemogenesis.

Abstract
MYCを介する腫瘍発生の根底にあるメカニズムは明らかになっていない

今回我々はMycによるT-ALLのゼブラフィッシュモデルを利用して疾患発症に寄与する新たな遺伝子を同定すべく研究を実施し、
トリカルボン酸回路/tricarboxylic acid (TCA) の酵素であるDlstのヘテロheterozygousな不活化が
ゼブラフィッシュでの腫瘍発症を著しく遅らせ、しかし魚の発達には検出できるような影響が見られないことを明らかにした

DLSTはα-ケトグルタル酸脱水素酵素複合体/α-ketoglutarate dehydrogenase complex (KGDHC) のE2トランスフェラーゼであり、
KGDHCはTCA回路内でα-ケトグルタル酸をスクシニル-CoAに変換する


RNA干渉によりヒトT-ALL細胞系統でDLSTをノックダウンすると細胞の生存能力が低下し、アポトーシスを誘発した

polar metabolomics profilingによりヒトT-ALL細胞におけるDLSTノックダウンによりTCA回路が妨害されることを明らかにした
これはα-ケトグルタル酸の蓄積とスクシニル-CoAの現象によって実証された

TCA回路の下流の中間生成物intermediateであるコハク酸succinateをヒトT-ALL細胞に加えることは、DLST不活化によって起きる細胞の生存能力低下を回復するのに十分だった


合わせて考えると、我々の研究はMYCを介する白血病発生におけるDLSTの重要な役割を明らかにし、Tリンパ芽球がTCA回路に対して代謝的に依存することを実証する
これはしたがって標的治療への潜在的な重要性implicationsをもたらす