ストレスホルモン受容体は、甘味を感じる味細胞に限局される
Monellセンターの新しい研究によると、ストレスにより活性化されるホルモンの受容体は、甘味、うま味、そしてにがみの検出を行う味細胞に限局された。
「甘味は、特にストレスに影響を受ける可能性がある」、Monellの化学的生態学者で筆頭著者のM.ロックウェル・パーカー博士は言う。
「我々の結果は、強いストレスによりなぜ一部の人が砂糖を含んだ食品を多く食べるかについて分子的に説明できる可能性がある。」
糖質コルチコイド(GC)ホルモンは、細胞の中に位置する専門のGC受容体を起動させることによって、体に影響を及ぼす。
ストレスは、代謝と食物選択に大きく影響する。研究者はマウス・モデルを使用して、GC受容体が舌に存在することを明らかにした。
GC受容体の最も高い濃度はTas1r3という味細胞で見られた。それは甘味と旨味の刺激に対して反応する細胞である。
味覚組織のGC受容体がストレスによって活性化するかどうか、研究者はストレスを与えたマウスで調査した。
対照と比較してストレスに曝されたマウスは、味細胞の核内でGC受容体が77パーセント増加した。
ストレスは塩気のある食品の摂取量に影響を及ぼすことが知られているが、塩味および酸味を感知すると考えられる細胞ではGC受容体は見られなかったことにパーカー博士は言及した。
これに関する説明の1つとして、ストレスが脳の「塩味覚に関するプロセシング」に影響する可能性がある、と彼は言う。
Monell分子神経生物学者のロバートMargolskee医学博士は、味受容単位が体全体を通じて見られることを強調する。
「腸と膵臓の味覚の受容体は、ストレスによって影響されるかもしれない。それは潜在的に糖と他の栄養分の代謝に影響を与えて、食欲に影響を及ぼす。」
学術誌参照:
1.2型味覚受容体細胞における、糖質コルチコイド受容体の発現と核トランスロケーション。
Neuroscience Letters、2014;
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140603135603.htm
<コメント>
ストレスホルモンによる味覚の変化についての研究です。
これはストレスが糖尿病の発症に影響する理由の説明になるかもしれません。
実際、2型糖尿病の患者では腸の甘味受容体に異常があるという関連記事があります。
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/08/130823094219.htm
>Researchers have discovered that the way the gut "tastes" sweet food may be defective in sufferers of type 2 diabetes, leading to problems with glucose uptake.