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ハイリスクB-ALLの見通しを改善する新しいアプローチ

2015-12-21 06:18:24 | 癌の治療法
Novel drug approach could improve outlook in high-risk leukemia

December 14, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151214142543.htm

B細胞性急性リンパ芽球性白血病/B-cell acute lymphoblastic leukemia (B-ALL) は悪性の血液がんで、
アメリカでは毎年約2600人の子供と1900人の成人がB-ALLを発症する

過去50年を越える化学療法の進歩のおかげで生存率は改善されているが、
毎年約1000人のアメリカ人がいまだに亡くなっており、それは主にハイリスクB-ALLというサブタイプによるものである
ハイリスクB-ALLの患者は高い確率で治療後に再発する

ペンシルバニア州立大学ミルトン・S・ハーシー医療センター/Penn State Milton S. Hershey Medical Centerで
小児科学の准教授associate professorであるSinisa Dovat博士によると、
ハイリスクB-ALL患者のほとんどに共通していることがあり、
それはIkarosという『白血病の発症を妨げるタンパク質』の活性が損なわれていることだという

「我々は通常、DNAにIkarosの二つのコピーを持つが、ハイリスクB-ALLの患者はそのうちの一つが消えているか変異している」
Dovatは言う

今まで、Ikarosのコピー数が減っているか変異している場合にその機能を促進できるとは考えられていなかった
現在のハイリスクB-ALLへの治療が目指しているのは『白血病を促進する経路』を標的とすることであり、『白血病と戦うための経路』ではない

Dovatのチームは、どのようにしてIkarosの機能不全がB-ALLで生じるのかを理解しようとし始めた
それがIkarosの活性を標的として改善する薬剤の開発につながる可能性を期待して

この研究結果はBloof誌に発表された


まず初めに、研究チームはIkarosが白血病を防ぐために使うメカニズムの一つを同定した
転写因子であるIkarosの機能はDNAに結合して細胞の数多くの遺伝子の活性を調節することである
研究によりIkarosはその遺伝子活性を制御する能力により『血球の機能のマスター調節因子』として働くことが明らかになった
正常の場合、Ikarosは血球が無制限に増殖することを妨げる

「もしIkarosの機能が低下するか損なわれると、血球はその制御を逃れて急速に増殖し始める
それが結果としてハイリスク白血病につながる」
Dovatは言う

今回の研究で、一つ残った正常なIkarosの遺伝子から作られる『機能するIkarosタンパク質』は
カゼインキナーゼ2/casein kinase 2(CK2)という酵素を標的とする新しい種類の薬によって回復された

CK2は白血病や他のタイプの癌で活性が強く上昇しているが、研究者はCK2がIkarosの機能を直接損なうことを明らかにした

「このように、ハイリスクB-ALLではIkarosのコピーの一つが失われているか変異している一方で、
Ikaros遺伝子のもう一つのコピーから作られるタンパク質も十分に機能していないが、
それはCK2のレベルが高いためである」

Dovatたちによってテストされた阻害剤はCK2を阻害してIkarosの機能を回復し、B-ALL患者の癌細胞において強力な治療効果を生じる
この薬は癌細胞の増殖と生存を大幅に低下させた

「これまでの典型的な治療アプローチは、癌や白血病を引き起こすタンパク質を標的とするものである
白血病と戦うタンパク質の機能を促進するというアプローチはほとんど存在しない」


Dovatは現在CK2阻害薬の適切な用量を研究し、どのようにして新しい薬を現在の治療に組み込むかを決定しようとしてる

「我々は今回の前臨床モデルを使い、
最良の治療効果を得るために既存の化学療法をどうやって組み合わせることができるかを決めるつもりである」

今回の研究結果は、B-ALLに加えてT-ALLや急性骨髄性白血病のような他のタイプの白血病、さらに充実性腫瘍など、Ikarosの機能の喪失が関与する癌に関連がある
研究者はCK2阻害薬をこれらの疾患でテストしようと計画している


http://dx.doi.org/10.1182/blood-2015-06-651505
Targeting casein kinase II restores Ikaros tumor suppressor activity and demonstrates therapeutic efficacy in high-risk leukemia.
カゼインキナーゼIIを標的にすることでIkarosの腫瘍抑制活性を回復し、ハイリスク白血病において治療効果を実証する

Abstract
転写因子のIkaros (IKZF1) は腫瘍抑制因子である
Ikarosは細胞の増殖を制御し、それは細胞周期の進行を促進する遺伝子の発現ならびにPI3K経路を抑制することによる
Ikarosの機能はCK2によって損なわれ、CK2は白血病で過剰発現することを我々は示す

ハイリスク白血病ではIKZF1アレルの一つが消去されているが、
CK2の阻害により残っている野生型IKZF1アレルの転写抑制性の機能は回復する
 

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