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2014年5月16日

2014-05-22 06:11:23 | 

ヘルペス・ロードされた幹細胞は、脳腫瘍を殺すために使われる



癌-殺害ウイルスを使って効果的に腫瘍を殺す解決策が、マサチューセッツ総合病院のハーバード幹細胞研究所(Harvard Stem Cell Institute; HSCI)の研究者によって発見された。

研究者は、ウイルス・ロードされた幹細胞をゲルに閉じ込めて腫瘍へ適用すると多形グリア芽腫マウスでの生き残りを有意に改善したことを報告する。

多形グリア芽腫はヒトの成人では最も頻度の高い脳腫瘍で、治療が最も難しいものである。

この研究はHSCI Principal Facultyメンバーで、マサチューセッツ総合病院で分子神経治療とイメージング研究室を率いるハーリド・シャー・理学修士・博士によって主導され、ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュートで公表される。



癌-殺害(腫瘍崩壊)ウイルスは、脳腫瘍の多数のフェーズ1・2臨床試験で使われたが、成功は限られた。

臨床前の研究において、腫瘍崩壊単純ヘルペスウイルスは自然に感染して脳細胞を裂いたため、特に有望に見えた。

しかしながら、治療はヒトの患者に対して作用しなかった。

以前の研究者が乗り越えることができなかった問題は、ヘルペスウイルスが作用するのに十分長い間、腫瘍部位に保つ方法であった。

シャーと彼のチームは、間葉系幹細胞(MSC) ― 骨髄組織に生じる一種の幹細胞 ― に着目した。

それらは微小免疫応答を引き起こすので、腫瘍崩壊ウイルスを運ぶために利用できる魅力的なドラッグデリバリー媒体であった。

シャーと彼のチームは、ヒトのMSCの中にヘルペスウイルスをロードして、マウスで発病させたグリア芽細胞腫へ、その細胞を注入した。

複数のイメージング・マーカーを使って、それが脳腫瘍細胞の1層めへと幹細胞から、その後は腫瘍細胞の全てへと通過するウイルスを観察することが可能だった。



「それで、どのようにこれを臨床に変換するか?」、ハーバード・メディカル・スクールの准教授でもあるシャーは問う。

「我々はグリア芽細胞腫患者の70-75パーセントが腫瘍減量手術を受けることを知っている。そして、生体適合性のゲル類で封入されるMSCがこの減量手術を模倣するマウス・モデルの治療薬として使うことができることを我々は以前に示した。」

「我々はMSCに腫瘍崩壊ヘルペスウイルスを入れ、生体適合性のゲル類でこれらの細胞を封入して、減量手術後に隣接組織上へ直接にゲル類を適用した。

我々は、デバルクされた腫瘍の腔へのウイルスの直接注入に対して、ウイルス・ロードされゲル封入されたMSCの有効性をその次に比較した。」

ウイルスの癌との戦いをリアルタイムに観察するためにイメージング・タンパク質を使って、シャーのチームはゲルがより長く生きている幹細胞を保つと気がついた。

そして、それによって減量手術の間に切り離されなかったどんな残存癌細胞でも、ウイルスは複製して殺すことができた。

これは、ゲルを封入された幹細胞を投与されたマウスの、より高い生残率という結果になった。



「ウイルスは腔を満たす脳脊髄液によって外へ洗浄されないため、ウイルスは生き残った。」、シャーは言った。

「直接に切除腔にウイルスを注入した先行研究では、腔でのウイルスの運命を追跡調査しなかった。

しかしながら、我々のイメージングにより追跡した比較研究は、裸のウイルスが残存の腫瘍細胞にめったに感染しないことを示した。

これは、腫瘍崩壊ウイルス単独による臨床試験からの結果が控え目だった理由に対する洞察を我々に与える。」



研究ではまた、癌-殺害ウイルスのもう一つの弱点に焦点をあてた。そして、すべての脳腫瘍が治療に感受性があるわけではないということだ。

研究者の解決策は、腫瘍-殺害因子(TRAIL)をさらに発現する腫瘍崩壊ヘルペスウイルスを設計することであった。

彼らはグリア芽細胞腫のマウス・モデルを使って - 今度はヘルペスウイルスへ抵抗性だった脳腫瘍細胞から生み出されたものだ - 治療は、マウスの生き残りの増加という結果につながった。



「我々のアプローチは、この臨床診断法にかかわる問題を解決する可能性がある」、シャーは言った。

「この研究は、腫瘍崩壊ウイルスを使う臨床試験の設計に関して、直接的な意味を持つだろう。ただ脳腫瘍のためだけでなく、他の固形腫瘍のための。」

脳へと転移する乳癌、肺癌、皮膚癌に対してヘルペス・ロードされた幹細胞を使うためには、更に臨床前の研究が必要だろう。

シャーは、このアプローチが次の2~3年以内に臨床試験に入るだろうと予測する。

学術誌参照:
1.脳腫瘍治療のためにマルチメカニスティック腫瘍崩壊単純ヘルペスウイルス・バリアントをロードされる幹細胞。

ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/05/140516203342.htm

http://hsci.harvard.edu/news/herpes-loaded-stem-cells-used-kill-brain-tumors

<コメント>
TRAILを発現する単純ヘルペスウイルスを組み込んだ間葉系幹細胞をゲルで包み込んで、減量手術(debulking operation)後の脳腫瘍に注入して破壊するというハーバードの研究です。

下の図は、緑が腫瘍細胞、赤がウイルス・ロード幹細胞、黄色がウイルスに感染した腫瘍細胞です。



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