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赤身肉による心疾患をエクストラバージンオイルの成分で防ぐ

2015-12-31 06:05:00 | 腸内細菌
Researchers identify potential approach to treat heart disease through the gut

Study identifies microbial inhibitor that prevents atherosclerosis; Further confirms link between gut bacteria and cardiovascular disease

December 17, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151217130454.htm

クリーブランドクリニックの研究者は
腸内の微生物を標的にすることにより『動物性食品によって引き起こされる心疾患』を防ぐ可能性を初めて実証した
この心疾患は赤身肉や卵、高脂肪の乳製品などの動物性食品に豊富に含まれる栄養素によってもたらされる

このまったく新しいアプローチは
トリメチルアミン-N-オキシド/trimethylamine N-oxide(TMAO)についての研究チームの以前の発見を中心とする
TMAOは腸が動物性脂肪を消化する間に作られる副産物だが、TMAOはアテローム硬化症や心疾患と関連がある

今回研究チームは、低温圧搾cold-pressedのエクストラバージンオイルやグレープシードオイルに含まれる3,3-ジメチル-1-ブタノール/3,3-dimethyl-1-butanol(DMB)を、自然に生じるTMAOの阻害剤として同定した
DMBはマウスでTMAOレベルを低下させ、アテローム硬化症を抑制した

この発見はアメリカ人の死因第1位である心疾患や、糖尿病のような代謝異常/代謝性疾患metabolic diseasesを防ぐための潜在的な新しい治療法となる可能性がある
それらの疾患は腸の微生物と関連することがわかっているからである
この研究はCell誌のオンライン版と12月17日号の両方で発表される


TMAOと腸内微生物、そして心疾患との間の関連は、今回の研究と同じStanley Hazen, M.D., Ph.D.を中心とする研究チームによって4年前初めて発見された
彼はラーナー研究所で細胞分子医学部のchairであり、クリーブランドクリニックではミラーファミリー心血管研究所で予防心臓学・リハビリテーションのsection headでもある

「アテローム硬化症や肥満、糖尿病のような多くの慢性疾患が腸の微生物と関連がある」
Hazen博士は言う
「我々の研究は、食事によって腸で始まる心疾患の進行を防ぐか遅らせるretardことが可能であるというエキサイティングな可能性を実証する
これは将来アテローム硬化症や他の代謝性疾患に対する新しい種類の治療に向けた扉を開く」

TMAOはコリンcholineやフォスファチジルコリンphosphatidylcholine(レシチンlecithin)、カルニチンcarnitineのような栄養素を消化する間に作られる腸の代謝物であり、それらは動物性食品に豊富である
血液中のTMAOレベルは心臓発作heart attack、脳卒中stroke、死亡リスク上昇と関連することが臨床研究で明らかになっている
カルニチンは赤身肉と肝臓に多く、コリンとレシチンが豊富なのは牛肉、ラム肉、肝臓、卵の黄身、高脂肪の乳製品である


今回の研究は、TMAOが生成される最初の段階、つまり共生微生物commensal microbeによるトリメチルアミン/trimethylamine (TMA) の生成を標的にすることが、食事によって誘発されるアテローム硬化症の阻止を助けることを示唆する

研究チームはコリンやカルニチンを多く含むエサを与えたマウスに3,3-ジメチル-1-ブタノール/3,3-dimethyl-1-butanol(DMB)を投与することでTMAの生成を阻害した
このマウスはTMAOが少なく、アテローム硬化症の発症も抑制された

DMBが抗生物質ではないという重要な事実が示唆するのは、この『治療』が特異的に微生物の経路を標的にする一方で腸の微生物フローラを保護し、世界中の健康上の問題となっている抗生物質の過剰使用と抵抗性を回避するということである

Hazen博士は言う
「我々は『微生物叢に薬を飲ませるdrugging the microbiome』ことがこの種の食事によって誘発される心疾患を防ぐための効果的な方法であることを示した
この『阻害剤』は腸の微生物によって作られる排出物の形成を阻害し、TMAOレベルを低下させて食事に依存的なアテローム硬化症を予防する」

「これは我々がコレステロール合成を阻害するためにスタチンを使うのと非常に似たやり方である」


Centers for Disease Control and Preventionによると、アメリカでは心疾患により国民の4人に1人の年間61万人が死亡する
これはアメリカ人の男性と女性の両方で死因の第一位である
この研究はNIH、AHA、the Office of Dietary Supplementsのグラントによってサポートされた


http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2015.11.055
Non-lethal Inhibition of Gut Microbial Trimethylamine Production for the Treatment of Atherosclerosis.
腸微生物によるトリメチルアミン産生の非致死的な阻害によりアテローム硬化症を治療する


Highlights
・腸の微生物が持つ『トリメチルアミンリアーゼ/trimethylamine lyase』はアテローム性動脈硬化症atherosclerosisの治療標的である
・3,3-ジメチル-1-ブタノールは、微生物によるトリメチルアミン形成を阻害する
・3,3-ジメチル-1-ブタノールは、コリンの豊富な食事によって促進されるアテローム硬化症を弱めるattenuate
・腸内微生物を殺すことなく酵素を阻害することは宿主の心臓代謝表現型cardiometabolic phenotypesに強い影響impactを与えうる


Summary
トリメチルアミン-N-オキシド/trimethylamine (TMA) N-oxide (TMAO) は腸の微生物叢に依存的な代謝産物であり、
動物モデルにおいてアテローム硬化症を促進し、ヒトの臨床研究でも心血管リスクと関連する

今回我々が研究するのはTMAO産生の最初の段階、つまり共生微生物によるTMA産生を標的として阻害することが『食事により誘発されるアテローム硬化症』に対してどのような影響を与えるかについてである

我々はコリンの構造的なアナログである3,3-ジメチル-1-ブタノール (DMB) が、培養微生物からのTMA形成を非致死的に阻害することを示す
DMBは別個の微生物のTMAリアーゼを阻害し、
複数の菌の生理的な培養(例えば腸の内容物やヒトの糞便)からのTMA産生を阻害するとともに、
コリンまたはL-カルニチンを多く含む食事を与えたマウスでTMAOレベルを低下させることも示す

アポリポタンパク質e-/-マウスにおいてコリンによって促進される内因性のマクロファージ泡沫細胞endogenous macrophage foam cellの形成、ならびにアテローム硬化症による病変の発生をDMBは阻害したが、
これには血液中の循環コレステロールレベルの変化を伴わなかった

腸の微生物によるTMA産生を特異的に標的にするような非致死的に微生物を全般的に阻害する化合物は、心臓代謝疾患を治療するための潜在的なアプローチとして役立つことを今回の研究は示唆する



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http://www.sciencedaily.com/releases/2015/01/150129170358.htm
腸内細菌のTMAOが腎臓にも影響



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http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/c6986b5d9e7a95d4b61f18a94e2ee4f6
赤身肉に多いL-カルニチンが腸に入るとTMAOとγ-ブチロベタインに変わり、どちらもアテローム性動脈硬化症を引き起こす



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http://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151202142210.htm
メトホルミンが効く理由の一因は、腸内細菌の変化とそれによる酪酸などの短鎖脂肪酸による



関連サイト
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23563705
カルニチンからのTMAO産生はヒトでは微生物に依存するプロセスであり、TMAOはコレステロールの逆輸送/RCTを阻害する
 

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