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アストロサイトはAβには近づかない

2016-01-01 06:07:34 | 
Geometric study of brain cells could change strategies on Alzheimer's

December 9, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151209091357.htm

バルセロナ自治大学の研究者はマサチューセッツ総合病院(ボストン)と協力して、
銀河や素粒子間相互作用の研究に用いられる数学モデルを応用することでアストロサイトの空間的な配置を分析した
アストロサイトはニューロンが正常に機能するために必須の脳細胞である
この研究はPNASで発表される


科学者の観察では、アストロサイトはアミロイド/Aβプラークによって押し返されるrepelledように見えた
アミロイドプラークはアルツハイマー病の発症と関連があり、いくつかの治療戦略はその形成を減らして除去することを目指している
これまで研究者たちはアストロサイトがアミロイドプラークに向かって移動し、それを貪食すると考えていた
そのため、アストロサイトの活性化はアルツハイマー病に対する優れた治療法になる可能性があるとされていた
しかしながら、アストロサイトの空間配置の分析では正反対を示し、アストロサイトはプラークによって押し返されるようである

「この発見は非常に重要である
なぜなら、脳細胞自体によるアミロイドプラークの除去は
現在開発中のアルツハイマー病の治療法として重要な戦略の一つだからである
ゆえに、どの細胞がプラークを除去できるのか、またはできないのかを明らかにすることは効果的な治療法の開発には不可欠である」
UAB神経科学研究所のElena Galeaはそのように説明する

研究者はアストロサイトとアミロイドプラークが取りうる相対位置を説明するために、それらの間の相互作用を形作る力を明らかにしようと分析を始めた

研究者は統計物理学の技術を借りることにした
統計物理学とは、例えば星同士が相互作用する力を元に銀河の進化を決定するための学問である
今回は銀河と星の代わりにアルツハイマー病マウスモデルの脳内にいるアストロサイトの三次元画像を分析した
この分析でアストロサイトはお互いに押し返し、アストロサイトはアミロイドプラークによって押し返されることが明らかになった
したがって、これらの反発力repulsionの間のバランスはアストロサイトの『領域からなる組織territorial organisation』を維持し、
プラークが大量に存在するとアストロサイトに空間的な緊張spatial tensionを誘導する


Elena Galeaによると、おそらくこの研究で最も重要な情報は「アルツハイマー病研究者の推測に反して、アストロサイトはこの組織organisationを壊してアミロイドプラークに向かって動いて貪食することができず、むしろプラークから少し離れるのである」

にもかかわらず、アストロサイトはプラークが形成される際に何かを『感じる』に違いないという
なぜなら、形成時にアストロサイトはその特徴的なタンパク質であるGFAPをより多く作るからである
「このことは、アストロサイトがアミロイドプラークの形成に対して
位置の移動ではなく機能を調整することにより反応している可能性を意味する」
とGaleaは結論する

※神経膠原線維性酸性蛋白質/glial fibrillary acidic protein (GFAP): アストロサイトに特異的な中間径フィラメントを構成するタンパク質で、アストロサイトの星状の形態を維持する細胞骨格として働く


http://www.pnas.org/content/112/51/15556
Topological analyses in APP/PS1 mice reveal that astrocytes do not migrate to amyloid-β plaques
APP/PS1マウスにおける位相幾何学的な分析により、アストロサイトがアミロイド-βプラークに向かって移動しないことを明らかにする


Abstract
アルツハイマー病患者のアミロイドβプラークの周囲にGFAP免疫陽性アストロサイトがクラスター化していることから、プラークはアストロサイトを引き寄せるという憶測が広まっていた
しかし最近の研究ではアストロサイトが損傷部位において動かないstay put in injuryことが示唆されている

今回我々はアストロサイトがプラークへ移動するかどうかを再調査する
我々はAPP/PS1マウスと野生型の同腹仔littermateから二光子顕微鏡で得られた生体三次元画像におけるアストロサイトのトポロジーtopologyを調査するため、定量空間分析ならびにコンピュータによるモデル化を用いた

※topology: 位相幾何学、トポロジー。局所解剖学。配置

野生型マウスでは

皮質アストロサイトのトポロジーは、限られたスペースで硬い球状の液体a liquid of hard spheresがお互いを排除するというモデルに適合した

プラークは非常に大量に存在する場合を除いてはこの配置arrangementを妨害しなかったが、
局所的には、プラーク周囲の三段目に位置するアストロサイト/the astrocytes located in three tiers around plaquesのわずかな外側への移動を引き起こす

これらのデータは、プラークによるニューロピルneuropil損傷に対してアストロサイトが主に表現型を変化させることにより応答することを示唆する
表現型の変化は、ゆえに機能の変化につながる
位置の変化ではない

※ニューロピル/neuropil: 神経網。ニューロンの軸索や樹状突起、グリア細胞などの突起が互いに入り組んでいる部分



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http://www.sciencedaily.com/releases/2015/11/151123201933.htm
Aβは血管に外骨格を形成してアストロサイトと血管を分離させ、認知症の症状を引き起こす



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http://www.sciencedaily.com/releases/2015/11/151124082233.htm
アストロサイトは乳酸を生成し、ニューロンがそれを利用する
 

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